家賃は給料の何割? 一人暮らし女性の適正割合とは
一人暮らしで貯金をするのって大変ですよね。光熱費、家賃、食費、交際費……お給料が入ってもすぐに出ていって、全然貯まらないなんて人も多いのではないでしょうか。出費の中でも特に多くを占めるのが、家賃! 貯金できないのはもしかしたら家賃が高すぎるせいかもしれません。家賃は月収の何割を目安にしたらいいのでしょう? ファイナンシャルプランナーの武田明日香(たけだあすか)さんに教えてもらいました。
一人暮らし女子に聞いた! 家賃は月収の何割?
「家賃は給料の3割まで」と聞いたことがありませんか? 実際のところ、一人暮らしの女性たちが毎月支払っている家賃は、収入の何割を占めているでしょうか? アンケートで聞いてみました。
一人暮らし女性の家賃が月収に占める割合
Q.毎月の収入、家賃の占める割合はどれくらい?
1位「2割以上3割未満」……36.7%
2位「3割以上4割未満」……33.5%
3位「~2割未満」……17.6%
4位「4割以上5割未満」……8.0%
5位「5割以上6割未満」……3.7%
6位「6割以上7割未満」……0.5%
※有効回答数188件
一番多かった割合は「2割以上3割未満」でした。僅差で「3割以上4割未満」が続きます。1位と2位で全体の7割を占めることを考えても、多くの人は月収の2割~4割ぐらいの割合を家賃が占めているようです。上位3位までを選んだ女性の意見、その支払いに妥当性を感じているか教えてもらいましょう。
1位/「2割以上3割未満」
・「家賃は収入の3分の1までと聞いているので」(32歳/医療・福祉/専門職)
・「そのほかのことにもお金をかけられるし、物件の条件も悪くないし、ちょうどいいと思う」(28歳/医薬品・化粧品/事務系専門職)
・「貯金もしたいし」(31歳/不動産/事務系専門職)
・「家賃にお金をかけたくないから」(23歳/ソフトウェア/クリエイティブ職)
・「安いところを選んだ。妥当。古い家だから」(29歳/医療・福祉/専門職)
・「あまり家賃にお金を使いたくないから」(25歳/食品・飲料/販売職・サービス系)
家賃にお金を掛けたくない、という意見の人たちが、このカテゴリーには多いようです。収入の額にもよりますが、これくらいの比率、負担であれば、貯金や趣味に回せる余裕があるのかもしれません。
2位/「3割以上4割未満」
・「若干高いが、会社から少しは家賃補助がでるし、会社までの時間と電車の混み具合をみると妥当だとおもう」(29歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
・「これ以上高いと生活を圧迫する」(22歳/医薬品・化粧品/秘書・アシスタント職)
・「生活していける範囲だと思うから」(21歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
・「高いと思うけれど、月収自体が少ないので仕方ない」(28歳/ホテル・旅行・アミューズメント/販売職・サービス系)
・「払える範囲で一番いい部屋だったから、妥当」(31歳/団体・公益法人・官公庁/秘書・アシスタント職)
これ以上の負担は家計を圧迫してしまうギリギリのラインなのでしょうか。「少し高いとは思うけど……」という人が多いようでした。お部屋にこだわりが強ければ、これくらい出してもいいのかも……。
3位/「~2割未満」
・「これ以上はきついので」(31歳/マスコミ・広告/事務系専門職)
・「社員寮なので部屋の広さに対して格安。ありがたいと思っている」(27歳/金融・証券/事務系専門職)
・「あまり負担にしたくない」(27歳/生保・損保/営業職)
・「月収とは別に家賃補助が出ているから」(26歳/情報・IT/技術職)
家賃補助が出ていたり、寮住まいという人はこれくらいの出費で済むのですね。そういった福利厚生が会社にない人は、なかなかきつい割合になると思われます。理想としては家賃はこれぐらいに抑えて、ほかのことにお金を使いたいところですけどね。
FPに聞く! 一人暮らし女性の家賃は給料の何割が適正?
一人暮らし女性たちの家賃の実態がわかったところで、続いてはFPの續さんに、一人暮らし女性の家賃はお給料の何割で考えるのがいいのかを教えてもらいましょう。
給料の3割というのは本当? 手取り? 月収? 年収?
「家賃は給料の3割」というのは本当です。
私たちFPも、家計の見直し相談や、マイホームを考えている方、居住物件を探している方には「家賃は給料の3割を目安に」とアドバイスしています(東京都の場合 。地方の場合には20%を目安にしましょう。)。この場合の“給料”とは「毎月の手取り額」のことです。家賃補助が出る場合であっても、それを含めた手取り額となります。給料明細の額面や、年収を12で割ったものではありません。正確な言葉でアドバイスをするなら「家賃は毎月の手取り額の3割を目安に。できれば2.5割に抑えましょう」となりますね。
ではなぜ「毎月の手取り額の3割」でなければならないのでしょうか。「給料明細の額面」と「手取り額」のちがいを、一度おさらいしましょう。
「給与明細の額面」とは、社会保険料や所得税・住民税といった税金を差し引かれる前の金額のことです。たとえば、給与明細の額面が25円でも、税金を差し引かれた手取り額は約20万円程度です。給与天引き型の貯蓄をしているなら、その分も差し引かれた額が手取り額になります。
一般的に家計のやりくりを考える場合、「毎月の手取り額」から、いくら使ったか、何に使ったかを把握することがほとんどです。そのため家賃の適正な割合も「毎月の手取り額」を基準に考えるのが妥当です。
一人暮らし女性の家賃は給料の何割が適正?
まずはじめに以下の表をご覧ください。これは、毎月の手取額が20万円 の一人暮らし女性の理想的な生活費の割合です。
家賃30%(6万円)
貯金15%(3万円)
食費15%(3万円)
水道光熱費7%(1万4000円)
通信費6%(1万2000円)
保険料5%(1万円)
娯楽交際費10%(2万円)
その他12%(2万4000円)
※()内の金額は、手取り額20万円の場合の内訳
いかがでしょうか。この表を見てあなたはどのように感じますか。
「食費が1日1000円、足りるのかな?」「娯楽交際費が全然足りない!」「私が貯金できない理由がわかった」など、自分の実際の生活費の割合と比べて、いろいろ思い浮かぶことがあるでしょう。この理想の割合は、決してゆとりある裕福な状態ともいえません。ごく平均的な生活状態です。家賃が手取額の3割で、貯金もしようと思えば、このような生活状態になります。帰省代、家電の買い替えなど特別支出費目を考えても 、一人暮らしの女性の家賃は最高で3割、できれば3割未満に抑えることが望ましいと言えます。しかし都内在住で3割未満に抑えられない方は、「通勤の便利さも、将来の自分への自己投資」と捉え、収入を増やすことに集中しましょう。
一人暮らし女性が家賃の割合を下げるコツ
家賃の割合が高いと生活に余裕がなくなり、なるべく下げるのが望ましいということはわかりました。しかし、一人暮らしの女性、防犯面も気になりますし、どんな家でもいい、というわけにはいきませんよね。どうにかやりくりするコツはあるのでしょうか? 引き続き、續さんにアドバイスをもらいました。
貯金するには家賃を下げるべき?
家計を見直す場合には、毎月決まって出ていくお金(「固定費」といいます)から見直していくのが基本です。固定費には、家賃や保険料、通信費などがあり、その中でも毎月出ていく額が比較的高い家賃を見直し、その分を貯金にあてる方法は、的確な判断と言えます。
しかし、家賃を安く抑えたいために引っ越したところが、「セキュリティ上の問題で毎日の不安や悩みが増えた」「そのために防犯対策用の出費が増えた」「最寄り駅までの距離が長くなり、利便性だけでなく安全性も悪くなった」などの問題が生じるのも考えものです。女性の一人暮らしであればなおさらです。
将来の安心や快適さのための「貯金」より、今の安心や快適さのためのセキュリティや利便性も大事な要素。家賃を抑えることが難しいようであれば、そのほかの固定費である保険料や通信費等のプランを見直してみましょう。そのあと、毎月支出の金額が変化するお金(「変動費」といいます)である食費や光熱費、娯楽交際費、美容服飾費などを少しずつ節約してみるのがいいですね。固定費や変動費の生活費割合を抑え、貯金できる割合を増やしていくのもひとつの方法です。
家賃を安く抑えるには?
家賃を安く抑えるために引っ越しを考えているのなら「今より家賃の安い物件を探す」のはもちろんのことですよね。そのほかに心がけてほしいことは5つあります。
1.通勤に便利な地域を探す
通勤は生活する上でかなり多くの時間を費やしています。快適な日々を送るためには通勤に便利かどうかは重要です。家賃だけのために通勤に不便な場所を選ぶのは、デメリットが多くなるので気をつけましょう。
2. 今注目されている人気の地域はあえて避ける
人気の地域は家賃相場が比較的高い傾向にあります。そのような地域を選ばないことも、家賃を下げるコツです。
3. 大学が近くにある地域を探す
一人暮らしの女性には、治安がいいかどうかも気になるところですよね。学生用に建てられた一人暮らし仕様の物件は、セキュリティもよく、家賃も比較的安い傾向にあるので狙い目です。
4. 3月の引っ越しを避ける
3月は引っ越しする人が多いため“貸し手優位の時期”です。その時期を過ぎた4~7月は“借り手優位の時期”。家賃の値下げ交渉や引っ越し業者との代金交渉もしやすい時期なのでお得です。
5. 引っ越しをせずに家賃の割合を下げることも考える
引っ越すことは考えずに家賃の割合を抑える工夫としては、「家賃をカード払いにしてポイントを貯める」「契約更新時に値下げ交渉をしてみる」などもいいでしょう。また、家賃の割合を抑えるという意味では、手取り額自体を増やすことを考えてみるのもよさそうですね。
家賃は手取り月収の3割! 貯金できない人は引っ越しも検討してみて
續さんによれば「家賃は月収の3割」というのは、あくまで手取り額とのこと。手取り月収の3割を大きく超えていて少しも貯金ができない、なんて人は引っ越しを検討してみてもいいかもしれませんね。もし引っ越す際は、續さんのアドバイスに従って物件選びをしてみましょう。引っ越し費用を捻出するのも苦しい場合は、カード払いや更新時に値下げ交渉してみるのもいいですね。
(武田明日香/エフピーウーマン、ファナティック)
※画像はイメージです
※『マイナビウーマン』にて2015年1月にWebアンケート。有効回答数188件(22歳~34歳の一人暮らしの女性)