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貯金はいくら必要? 結婚資金の相場と貯め方【FPが解説】 

石川福美(トータルファイナンシャルアドバイザー)

結婚資金の相場はいくらか、FPの石川福美さんが解説。「貯金はいくらあればいい?」「親からもらえる援助の相場は?」「貯めるコツは?」など誰にも聞けない「結婚とお金」のあれこれを紹介します。

結婚を意識し始めると気になるのが結婚資金。

結婚式や新婚旅行、新居や新しい生活に必要な資金……。ざっと思い浮かべるだけでも、たくさんのお金が必要になりそうです。

結婚するには、一体いくら程度の貯金が必要になるのでしょうか。結婚資金の効率よい貯め方や必要な貯金額などを、ファイナルシャルプランナーの視点から解説します。

結婚資金の相場とは?

結婚資金を貯めると決めたら即行動に移したいところ。とはいえ、一体何からやっていけばいいのでしょうか。

必要な結婚資金は2人合わせて「321万円」!?

結婚資金の相場とは?

そこで重要になるのが、結婚するために必要となる結婚式や新婚旅行、新生活費用などの目標金額の設定になります。もちろん必要な資金には個人差がありますが、これらをすべて加味すると、大体「321.3万円」が必要であると想定されます。

具体的に金額の内訳を見ていきましょう。

結婚式費用は「127万円」

まずは結婚式を挙げる2人を課程した場合。2人合わせての自己負担金は以下の金額が相場となります。

自己負担分:平均127万4000円(63万7000円/人)

<内訳>
挙式・披露宴・披露パーティー:359万7000円
※300~400万円未満が26.3%と一番多くなっています
ご祝儀:232万3000円

挙式・披露宴・披露パーティー代からご祝儀代を引くと、127万4000円となり、これが夫婦の負担費用となります。パートナーと折半するとしたら、1人当たり63万7000円の負担となります。(※1)

新婚旅行費用は「61万円」

61万6000円(30万8000円/人)

続いて、新婚旅行費。こちらもどこへ行くかによって必要な資金は大きく異なりますが、あるアンケート(※1)によると「60~80万円未満」を必要としたカップルがもっとも多い22.8%という結果に。

仕事や妊娠、子育てなど、これから2人でゆっくり旅行に行けるタイミングは限られてくるからこそ、できれば行っておきたいというカップルは多いはず。2人の思い出のために、これくらいの資金があると安心です。

新生活費用は「72万円」

72万3000円(36万1500円/人)
※50~100万円未満が30.4%と一番多くなっています(※1)

新生活費も予めいくらか貯めておかないと心配です。3カ月~6カ月分の蓄えがあるといいでしょう。

暮らし始めは何かとお金がかかる場面が多いもの。事前に必要なお金について、しっかり話し合っておくことをオススメします。

妊娠出産予定があるカップルは「プラス50万円」

このように、結婚式、新婚旅行、新居費用などから、夫婦で261.3万円(1人130.7万円)。そして家庭での緊急予備資金として、生活費の3カ月~6カ月分の蓄えである60~120万円(1人30~60万円)、合計321.3万円 (1人160.65万円)があると安心です。

また、結婚後すぐに妊娠出産の予定がある夫婦の場合は、出産費用として50万円1人25万円)も備えておきましょう。

(※1)ゼクシィ2017年4月号 より

結婚資金の貯め方

お金を貯めるコツは「目的・目標を決める」「強制貯蓄スキームを取り入れる」「支出を予算化する」の3つです。

(1)目的・目標を決める

目標値が定まらないと計画が立てられません。パートナーと一緒に、いつどんな結婚式にしたいか、そのためには逆算して毎月いくらずつ貯める必要があるかを計算しましょう。

具体的な金額を共有することで一気に現実的になり、お互いのお金に対しての価値観をすり合わせることができます。

(2)強制貯蓄スキームを取り入れる

夢占い 山

目標金額から算出した毎月の貯蓄分は、生活費を貯めておく口座と一緒にしないことがポイント。人間の意思は意外と弱いものでついつい誘惑に負けてしまいがちです。

そこで活用したいのが「強制貯蓄スキームを取り入れる」こと。

たとえば、代表的なものだと財形貯蓄という給与天引きスタイルの貯蓄方法があります。毎月給料日に自動的に貯蓄専用口座へ一定額が振り込まれるよう設定しておくのです。

貯蓄専用口座は、目標額が貯まるまで引き出さずに過ごしましょう。最初からなかったものと考えると気持ちが楽になります。

(3)支出を予算化する

夢占い 山

支出項目ごとにそれぞれ予算を設定します。お金を貯めるとき、好きなことにお金を使ってはいけないというわけではありません。しっかりと優先順位をつけることが大切です。

例えば10万の予算に対し、趣味も交際費も食費も全て5万円ずつだと実現不可能ですが、趣味のためならばほかは我慢できるというのなら、趣味6万・交際費2万・食費2万と設定します。

今月はどうしてもイベントごとが多く、交際費が予算オーバーしてしまいそうな月は、趣味を5万に抑えて残りの1万円を交際費に充てる、というかたちで調整すればいいでしょう。

援助もあるかも? 結婚費用を安くする方法

自分たちだけで資金を貯める余裕がないカップルは、外的要因に頼ってみるのもひとつの手。最後に、結婚費用を安く抑える方法を紹介します。

親からの援助で6割負担軽減

結婚式を含め、結婚をするとなると相応の資金が必要となってきます。

20代のカップルにとっては大きな負担になることもあるでしょう。このとき、もしそれぞれの両親が援助をしてくれるとなると、結婚費用のコストダウンが実現します。

20代では親から援助金を受けとる夫婦が約76.1%となっています。ちなみに、援助総額全国平均は182万円です。(※2)

自分たちだけでは本当にどうにもならないとき、相談してみてください。

(※2)ゼクシィ結婚トレンド調査2017より

コストの良いフォト婚やスマ婚という選択肢

海外挙式は結婚式と新婚旅行を合わせてしまうことで、意外にも全体の支出を抑えることができるお得感があるようです。海外挙式費用の平均は202.3万円(101.15万円/人)となっています。

現在では結婚式をしない「ナシ婚」カップルも増え、新居も同棲の延長であれば、まったくお金をかけずに入籍することもできます。そのほか、写真だけで済ませる「フォト婚」、結婚式費用をとことん抑えた「スマ婚」など、さまざまなスタイルが生まれています。

どのようなスタートを切り、何を優先したいのか、結婚に関する価値観についてパートナーとしっかり話合うことが大切です。

結婚資金のため目標金額の設定をしよう

結婚に向けた準備として貯金はもっとも大切なことのひとつ。結婚資金としては、結婚式、新婚旅行、新居費用、緊急予備資金として、321.3万円は最低必要になります。

結婚資金を貯めるためにも、パートナーといつどんな結婚式にしたいか、そのために逆算して、毎月いくらずつ貯める必要があるかなどの具体的な話し合いや目標を立てましょう。

より具体的になることで、お互いの意識が結婚に向かい、しっかりとした貯金を行うことができるはずですよ。

(石川福美)

※画像はイメージです。

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