相手を気分よく説得する方法とは?―相手に当事者意識を持たせる

説得が成功するときってどんなシチュエーションが多いでしょうか?少なくとも、とげとげした重い雰囲気ではなく、もっと前向きですよね。具体的に、どのようにすれば相手を気分よく説得できるのかご説明します。
相手を参加者にする
説得というと、説得する側が一方的にしゃべって、説得される側はそれをひたすら黙って聞いているというシーンを思い浮かべますが、これだと、聞いているほうは疲れてしまうし、説得されているというストレスでだんだん嫌になってしまいます。
でも説得の中で、自然と自分も当事者になっていったとしたらどうでしょうか? 一方的な説得が嫌がられるのは、それが押し付けに思えるからです。残業に付き合ってほしいのなら「仕事が終わらないから手伝ってくれ」と言うよりも「一緒に残業してくれないか?」という言い方をしたほうが、相手に役割を与えることができるので説得を受け入れてもらいやすくなります。
アメリカの心理学者であるジャニスとキングは「参加の積極性」として、自分で経験したことのほうが受動的なアピールより態度が強く変わると言っています。人は、自らを当事者とすることでそのことに対する見方がガラっと変わるんですね。
食事をしながらの説得が効果を上げる
「同じ釜の飯を食った仲」という言葉がありますが、人は、一緒に食事をした相手に対して親近感を抱く傾向があります。それに、おいしい料理を前にしてムスっとできる人間などそうそういません。「これ、おいしいね」と和やかに会話を楽しみながら、徐々にさりげなく説得に持っていくようにすれば、相手に不快感を与えることもなく、ちゃんと話を聞いてもらえます。
また、せっかく食事がおいしくても、同席した人の香水のにおいがキツイなど他の要因によってヘソを曲げられてしまっては元も子もありませんので、重要な話があるときは、細かい部分までじゅうぶんに気を配るようにしましょう。
相手の食べ物の好みを事前にリサーチしておくことも大切です。できれば健康にまで気を配り「最近胃の調子がよくないとお聞きしていたので、今夜は胃に優しいお料理を用意させていただきました」なんて言えたら最高ですね。
「好意の返報性」といって、人は好意を示されるとお返ししたくなるもの。ただ喫茶店でコーヒーをすすりながら説得を切り出すよりも、うまくいく可能性はぐんと高くなるでしょう。