ファザコン女性は2タイプ。心理的特徴と恋愛傾向
ファザコンとは父親に対して強い愛着を持っている人のことです。特に女性に多いと言われています。ファザコン女性の特徴や、恋愛における傾向について、心理カウンセラーの大塚統子さんに教えてもらいました。
お父さんに対して強い愛着を持っている人のことを「ファザコン」と言いますね。特に女性に多いと言われています。
そうしたファザコン女性の心理は、恋愛をする際にどんな影響があるのでしょうか?
今回は、ファザコン女性の特徴や、恋愛における傾向について調べてみました。
ファザコンとは
ファザコンとは「ファーザー・コンプレックス」を略した和製英語です。父親に対する強い愛着や依存心・執着心を持つ状態、その状態の子どものことを指します。
女性は思春期以降に父親を避けたり嫌ったりするようになるのが一般的ですが、幼いころに「父親から愛されたい」と望むのは自然なことです。その意味では、女性は誰しもファザコンの要素を持っているのです。
ファザコンには2つのタイプがあります。
オープンなファザコンタイプ
ひとつは「パパが大好き」で、父親からも大事にされているオープンなファザコンタイプ。
隠れファザコンタイプ
もうひとつが、表面的には「父親なんて大嫌い」などと言っていながらも、深層心理では父親からの愛情を求めている隠れファザコンタイプです
ファザコン女性の特徴
ファザコン女性にはどんな特徴があるのでしょうか。オープンなファザコン女性と隠れファザコン女性に分けて解説します。
オープンなファザコン女性の特徴
男性に甘えるのが上手
オープンなタイプのファザコン女性は、父親が自分に対してしてくれたように、「男性は自分を大事にしてくれるもの」と考える特徴があります。そのため、男性に頼ったり甘えたりするのが上手です。
異性に自分の気持ちを伝えるのが得意
また、「父親が自分の話を十分に聞いてくれた」という体験があるため、相手を選ぶことはあるものの、自分の気持ちを素直に伝えたり話したりするのも得意でしょう。
上司などにかわいがられる
上司などの権威的な人との間に葛藤が少なく、かわいがられやすい面もあります。
異性の友人といる方が落ち着く
上記のような特徴から、同性と一緒にいるよりは、異性の友だちといるほうが落ち着くかもしれません。
隠れファザコン女性の特徴
心の中での父親との距離が遠い
一方「隠れファザコンタイプ」の女性は、父親の多忙・単身赴任・両親の離婚・兄弟姉妹が優先された、などの幼少期の体験によって、心の中での父親との距離が遠くなっています。いつも近くで見守ってくれるというよりは、「たまに自分に近づいてきて気を使う存在」になっているのです。
男性に近づくのに緊張する
ですので、大人になってからも男性に近づくのに緊張したり、気を使ったりします。
優等生の自分を演じる
また、優等生の自分を演じたり、わがままを言わないようにしたりします。
決断するのが苦手
父親に認められた経験が少ないと、本当に「これでいいのかな?」となかなか決断できなかったり、自分がしたいことや好きなことに自信が持てなくなったりもします。
自己肯定感が低い
ほかにも、周囲からの評価が高くても、自己肯定感は高くないという特徴もあります。

ファザコン女性の恋愛傾向
多くのファザコン女性は、父親と比較するため、同世代や年下の男性が幼く見え、包容力やリーダーシップのある年上男性との恋愛を好む傾向にあります。
年齢差が10歳以上でもOKといったことも少なくありません。
こちらも、オープンなタイプと隠れファザコンタイプに分けて解説します。
オープンなファザコンタイプの恋愛傾向
モテやすい
オープンなファザコンタイプの女性は、男性と近づくことに抵抗が少なく、愛情表現もストレートなためモテやすいです。
度量の広い男性と相性がいい
彼女の素直なところをかわいいと思える、度量の広い男性との相性がいいでしょう。
ただ、彼に与えてもらうばかりで、彼の弱い部分やダメな部分を受け入れようとしないと、彼の心が離れてしまうこともあります。
不倫しがち
また、「父親の前でずっといい子でいた反動」で、不倫などの期間限定の恋をして、自由奔放な自分を解放する人もいますね。
隠れファザコンの場合
年上男性に惹かれる
隠れファザコンの場合は、父親との関係で満たされなかったものを満たしてくれるような年上男性に惹かれやすい 傾向にあります。そのため、既婚者との恋にハマることも少なくありません。
「尽くす恋」をしがち
また、「愛されたい」と望む気持ちが強く、「尽くす恋」をする人もいます。
「障害のある恋」を選びがち
自分を愛してくれる異性と距離を取る傾向にあるため、遠距離恋愛や多忙でなかなか会えないなど、恋愛相手との間に距離や障害物のある恋を選ぶこともありますね。
ファザコンになる原因
では、なぜファザコンになってしまうのでしょうか?
ここでも、オープンなファザコン女性と隠れファザコン女性に分けて考えてみます。
オープンなファザコンタイプの女性の場合
オープンなファザコンタイプの女性は父親との関係が濃厚なため、適切な時期に子離れ・親離れしないまま大人になったケースが多く見られます。
この背景には、「子どもと母親との心の距離が遠かった」ことや、「父親との心の距離が近くなりすぎた」のが原因になっていることがあります。
隠れファザコン女性の場合
隠れファザコンタイプでは、「子ども時代に父親との関係で満たされなかった気持ちが今も心の中に残っている」のが原因です。
たとえば、両親の夫婦関係が影響して、父親からの愛情を十分に受けられなかったケース。
また、本当は父親のことが好きだったのに、それを認めることができない環境だったケースでは、そこで抑え込んだ「お父さんが好き」という感情がファザコンの種になることがあります。
ファザコンは克服すべき? 対処法とは
ファザコンは克服すべきなのでしょうか? 対処法についてもオープンなファザコン女性と隠れファザコン女性に分けて解説します。
オープンなファザコン女性の場合
彼と父親を比べないようにする
オープンなファザコン女性の場合、付き合う男性と父親を比較するため足りないところが目につきやすく、なかなか理想の男性が見つけられないことがあります。
また、立派な父親に認められるような「素晴らしい人」を選ばなければならないと考え、これがプレッシャーになって恋愛相手を決められなくなる場合もあるのです。
生まれる前から自分を愛してきた父親と、最近出会った彼を比べるわけですから、そこで勝てる彼はまずいません。将来性も含めて、彼のいいところに目を向けるようにするといいでしょう。
父親・母親との「心の距離のバランス」を調整する
また、母親と心の溝がある人は、その誤解を解くなどして、父親・母親・自分との「心の距離のバランス」を調整することも有効です。
心の距離が適正になると、自分が感じている「いい娘でいなければならない」といった、父親からの過度な期待から解放されやすくなります。
それを機に、「親のための子ども」でいつづけた自分を見つめ直すと、大人の女性になることへの抵抗を減らせます。そうすれば、「本当の自分の気持ち」に正直になれるでしょう。
隠れファザコン女性の場合
自己肯定感を高める
隠れファザコンの女性は、一度相手男性と関係を結ぶと、「自分を愛してくれるのはこの人」とひとりの人に長く心をとどめる一途さがあります。
それが幸せな恋ならいいいのですが、もし自分をつらくする恋ならば、「自分には愛される価値や魅力がある」「自然な自分で愛されていい」など、自己肯定感を高めていくといいでしょう。
自己肯定感が高まると、我慢しなくてもいい、愛したい人を愛していいなど、心の中で「幸せな恋愛をしてもいい」と思えるようになります。そうすることで、つらい恋ばかりを選ぶ自分を変えることができるでしょう。
父親が大事にしてくれたことを思い出す
ほかにも、「父親が大事にしてくれたこと」を思い出すことでも、「自分は男性から大事にされる存在なのだ」という感覚を持つことができますよ。
タイプを見極めて対処しよう
ファザコンの原因は幼いころの体験によって大きく2つにわけられ、それぞれに恋愛の傾向や対処法が異なるとのこと。
もしファザコンを克服したいと考えている女性は、まずは自分が「オープンなファザコン」なのか「隠れファザコン」なのかを判断するところからはじめてみるのはどうでしょうか。
そうして自分に合った克服方法を実践すれば、素敵な恋に巡り会えるかもしれませんよ。
(文:大塚統子、構成:中田ボンベ/dcp)
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