■3年連続で昨年比2桁の成長を達成した日本ロレアル
116年にわたり、美容・化粧品業界のリーダーとして世界の消費者の美への希求とニーズに応えることに専念してきたロレアルグループ。日本においては1963年から事業を開始し、2025年3月現在では20ものブランドを取り扱っています。
近年では、2021年に「プラダ ビューティ」と「タカミ」、2022年に「ヴァレンティノ ビューティ」、2023年に「イソップ」、2024年には韓国コスメブランドの「3CE」とダーマコスメブランドの「スキン シューティカルズ」が傘下に加わり、3年連続で昨年比2桁の成長を達成したと、同社代表取締役社長のジャン-ピエール・シャリトン氏は話します。
中でもラグジュアリーブランドを擁するリュクス事業部では「イヴ・サンローラン・ボーテ」や「シュウ ウエムラ」が過去最高益を達成。「プラダ ビューティ」の本格ローンチや「3CE」「スキンシューティカルズ」の日本再上陸など、ビジネスを拡大しているといいます。
2025年は、新ブランドの展開、イノベーション、ターゲットの拡大の3つを柱に4期連続2桁成長を目指すと展望を述べました。
■会場内ではビューティデバイスを日本初展示
説明会では、マーケティング、デジタル戦略、ビューティデバイスなど各部門のリーダーが登壇し、2025年度の日本市場戦略などを説明。その中でも筆者が気になったのは、ビューティテックについてでした。
ロレアルグループは、近年「ビューティテックによる一人ひとりのための美」の実現を掲げ、よりパーソナライズされ、包括的で、責任あるビューティへのコミットメント強化を目指し、生成AIを搭載したパーソナル ビューティーアシスタントや髪にも環境にもやさしいヘアドライヤーなどのイノベーションを推進しているのだそう。実際に会場内には、ロレアルグループの技術力を結集した4つのビューティデバイスが展示されていました。
まず気になったのは、ロレアル プロフェッショナルの「AirLight Pro (エアライト プロ)」という、髪と環境に配慮したヘアドライヤーです。美容のプロフェッショナルと家庭での使用の両方を想定して作られており、赤外光高速風を組み合わせることで、髪の表面の水分を効率的に乾燥させるといいます。
ひとりひとりの髪質を向上させ、なめらかでツヤのある髪を実現するという「AirLight Pro」は、日本発売は未定ではありますが、ヨーロッパとアメリカでは昨年ローンチされたのだそう。近いうちに日本にも上陸する日が来るかもしれません。
二つ目はランコムの「RENERGIE NANO-RESURFACER| 400 BOOSTER (レネルジー ナノ-リサーフェーサー| 400 ブースター)」です。「あのランコムから美顔器が!」とテンションが上がったのは筆者だけではないはず。
「RENERGIE NANO-RESURFACER| 400 BOOSTER」は、化粧品の角質層への浸透を高め、製品の効果を増幅させるために特別に開発された美容機器で、先端のチップの表面には400個ものピラミッド状のトゲトゲがあるのだそう。
実際に試してみたところ、振動している感じで痛みは特にありませんでした。ペン型でコンパクトなので小鼻などの細かいところにまでしっかりとフィットしそう。日本での発売は未定ではありますが、いつか手に取れるのではないかとワクワクするデバイスでした。
同じくランコムからは「HAPTA(ハプタ)」という手や腕が不自由な人の美容ニーズを満たすために設計された、リップスティックを塗布するアシスタントデバイスが展示されていました。モーションスタビライジング機能が搭載されており、どんな動きにも対応してくれるといいます。
リップをセットした「HAPTA」を持ってみると、顔を認識したのかリップが自動的に顔の方を向きました。顔の周りで手を動かしても、常に唇にリップの先端が向いてくれるので塗布しやすい状態をキープします。これはすごすぎる……。
日本では今年の秋にNPOへの寄付を予定しているのだそうです。
ケラスターゼからは、頭皮と髪の健康状態をスキャン、診断、追跡するAI搭載スマートカメラ「K-SCAN」が、日本では今年中に一部サロンへの導入が予定されているといいます。
ハンディタイプのデバイスを頭皮に当てることによって、あらゆるタイプの髪と頭皮を分析して、サロンでの施術と自宅でのケアの両方において、それぞれの顧客のニーズに最適な、より正確でパーソナライズされた製品を推奨することが可能になるのだそうです。
スキャンすることで頭皮の環境はもちろん、抜け毛のリスクまでわかってしまうのは少し怖いと思ってしまいますが、本当に自分に合ったケアを見つけるサポートをしてくれますよ。
■コスメだけでなくビューティデバイスにも注目して
美容ニーズの多様化が進む中、116年もの歴史とAIやテクノロジーを掛け合わせることでさらに私たちに美容の楽しさを提供するロレアル。
ロレアルというとコスメやヘアケアのイメージが強かったのですが、ビューティテックを用いたビューティデバイスも身近な存在になる時が近づいています。どんなエキサイティングな美容体験が待ち受けているのか、今後の展開が楽しみです。
(取材・文:吉川夏澄)