日々なんとなく感じる、働きづらさ。世の中そんなものだ、仕方ない、と諦めている人がいったいどのくらいいるのでしょうか。
エスエス製薬は、女性活躍を推進する 『BeliEVEプロジェクト』の中で、女性が働きづらさを感じる要因を突き止めました。女性は、ライフステージに変化が起こりやすい社会人5年目〜15年目に、仕事と家庭の両立に苦戦する人が増える一方で、周囲に気を使ってしまい、会社の制度を上手く利用できないこと。キャリアのお手本となる先輩やロールモデルが不在になりがちなことなどが、今の働く女性を取り巻く環境だといいます。
ではどうしたら、女性は今よりもっと働きやすくなるのでしょうか。その問いへのアンサーとして、エスエス製薬は『誰もがより働きやすい職場環境を作る社内新制度』を発表。社内説明会では、制度について詳しい説明がありました。
■当事者である女性も、周囲のメンバーも働きやすくなる新社内制度
今回の社内説明会では代表取締役社長 ニクヒレッシュ・カルラ氏も登壇。エスエス製薬は 『BeliEVEプロジェクト』を通して、日本の女性が抱える”ジェンダーキャリアギャップ”に着目しました。
さまざまな調査を行う中で見えてきた、現代の日本女性が自分のキャリアや将来に自信が持てていないという事実に対して、社会全体の変革を訴えました。
エスエス製薬のマーケティング統括本部長・元島さんは「自分たちが先頭に立って、社会にインパクトを与えていきたい」と力強く語ります。
その最初の一歩として、エスエス製薬は今回の『誰もがより働きやすい職場環境を作る社内新制度』をスタート。社員が制度をしっかり活用できるよう、メディアも招き入れて大々的な制度説明会を開催しました。
発表された新社内制度は、大きく分けて5つです。
・政府のシッターサービスへの加盟
・家事代行サービスの費用負担
・育休取得者の所属チームメンバーに対する経済的支援
・社内新米ママコミュニティ運営
・独自開発のメンタリング制度
社内で政府のシッターサービスに加盟したことで、小学校三年生までの子供がいる家庭に、月最大20時間使える、1時間2,200円分のクーポンを付与。相場では1時間3,000〜4,000円ほどのベビーシッターを、半額近い金額で利用することが可能です。仕事が忙しくて子供の送迎が間に合わない時も、クーポンがあればお手頃な価格でベビーシッターを利用することができます。
家事代行サービスは試験導入を経て、全社員が利用することができ、独身者も利用可能。仕事が忙しくて家事にまで手が回らない時や体調不良時など、幅広く利用できます。
また、育休を取得する際の「周囲への申し訳なさ」を排除するために、育休取得者の所属チームメンバーに対する経済的支援を実施。チームメンバーに対してチーム規模と育休期間に応じて最大10万円が支給されます。
経済支援がされることで、休暇に入るメンバー、休暇中も働くメンバー、双方の心的負担を減らすことがねらいです。
さらに、働きながら子育てするワーママ女性のロールモデルが不在になることを解消するため、社内で働く子育て中の女性を繋げるコミュニティを設立。同じ立場の女性同士、子育てやキャリアの悩みや情報を共有したり、独身女性が将来のロールモデルを見つけやすくなることを目的としています。
メンタリング制度では、メンタリングの知見を持つ株式会社Mentor For監修のもと開発した独自のメンタリング プログラム「BeliEVE Mentoring Program」を導入し、社内でメンターとメンティーをマッチング。最初は社会人10年目前後の女性社員を対象にメンタリング研修を行、自身のキャリアを諦めることなく働いていくことをサポートします。
制度の説明の後に行われた質疑応答の時間には、エスエス製薬の社員からさまざまな質問が飛び交いました。男性社員へのサポートについてや、介護休暇などの充実を求める声も上がりましたが、最後に元島さんから、熱のこもった一言が。
「エスエス製薬が、皆さんの声を形にしていくことができる会社だということは、今回の制度導入で社員の皆さんにも伝わったと思います。自分があったら良いな、あるべきだと思う制度や支援があれば、一人一人がぜひ、声を上げてください。コミュニティやメンタリングの制度も今後、女性だけでなく男性社員も対象としていくことができると考えております。しかし、今回のプロジェクトは多くのボランティアメンバーに支えられて、実施まで漕ぎ着けることが出来たということを伝えたいです」
■一人ひとりの想いから、社会は変化していく
新制度の発表を受けて、エスエス製薬の社員からは喜びの声が多く上がりました。いち企業の事例だと感じる人もいるかもしれませんが、日本有数の大企業の一つであるエスエス製薬が先陣を切って、今までに無い制度を導入することで、一般消費者や社会に影響を与えることもねらいとなっています。
エスエス製薬は今後も『BeliEVEプロジェクト』の中で、女性活躍推進を他社にも展開していく予定。日本社会全体が変わるまで、まだ時間はかかるかもしれません。それでもいち企業、そして一人ひとりの行動や声があってこそ、社会はこれからも大きく変わっていくはずです。
(取材・文:ミクニシオリ)