※このコラムは『子宮恋愛』8話までのネタバレを含んでいます。
■モラの考えた精一杯の配慮が終わっていて泣ける
恭一(沢村玲)との決別を決意し、結婚指輪を外し、記入済みの離婚届を置いて、家をあとにしたまき(松井愛梨)。しかし、恭一からの着信が。電話に出ると、まるで何事もなかったかのように恭一は会話を始めます。
「まき、今日何時ごろ帰ってくるの? 俺お腹空いちゃったよ」
今までまきの食事を楽しみにしてきたことなんかないくせに、まるで何事もなかったかのようにまきを待っているかのような発言を切り出してくることに背筋が凍ります。
「煮込みハンバーグ作ってよ。面倒だったら肉買ってきて焼くだけでいいよ。それならまきそんな大変じゃないでしょ?」
これも、気遣いのように見せかけて、まきが作ることが大前提。自分が作ると言う選択肢は一切なく、モラ男の考える精一杯の気遣いという感じです。「焼くだけ」じゃねんだわ! お前が焼け!
というか、その前に、離婚を切り出されているということをちゃんと理解しろ。
■モラクズ男の真骨頂! とんでもモラ理論
しかし、まきも以前の彼女ではありません。「いい加減にしてよね。私は恭一の家政婦じゃないんだよ?」と今まででは考えられないほど、はっきりと自分の気持ちを口にします。
しかしここからがモラクズ男の真骨頂。
「家事は嫌じゃなかったよ。恭一が喜んでくれるならと思って一生懸命やってた。でも恭一はありがとうの一言もないし、文句や嫌味ばっかりで限界だよ」と、まきが溜まっていたものを全て吐き出すと、なんと恭一は「は? 家事はまきが好きでやってるんだから、感謝や見返りを求めるのはおかしくない?」と、常人には考えつかないようなとんでも理論で逆ギレをかまし始めます。
本来、夫婦のどちらかがやるべき家事を、仮にまきが好きでやっていたのだとしても、自身の分を負担してもらっていることに変わりは無いので、きちんと感謝の気持ちを持たなくてはなりません。恭一は人としての根本が腐りすぎています。
■山手との同棲で法的にも分が悪くなったまき
「ふざけないでよ」というまきの言葉に「ふざけてるのはそっちでしょ! くだらないことでギャーギャー騒いで勝手に家出て行って」と、まるでまきのわがままで今の状況になっているかのような恭一の物言い。認知の歪みが恐ろしすぎます。
「絶対に離婚なんてしてやらないから!」という恭一ですが、これに関しては、山手(大貫勇輔)の家に転がり込んだことで、まきの分が悪くなってしまいました。離婚まで山手との関係をプラトニックに留めておけば、恭一は不倫をした有責配偶者となるので、法的にもまきから一方的に離婚することができたのですが、お互い不倫している状況となると、お互いの合意がない限りは離婚できません。
恭一は意地でも離婚しなそうな執着を見せて来そうで恐ろしい限りです……。こうなると、まきの父スキーム「離婚はしていないものの、不倫相手と家を出て帰らない」というスタイルを永年きり通すしか。しかしこれ、まき母が黙っていなそうですね。恭一がまき母を取り込めば、まき母が夫にされたことをまきがやっているような見え方ですから。
■恭一がまだ人の心を持っていた過去
今回、恭一と寄島(吉本実憂)の過去が一つ明らかになりました。
母の再婚相手である継父に金銭をたかられるなど、あまり幸せそうには見えない学生時代を送っていた寄島。
その場面にたまたま居合わせ、恭一は寄島を助けます。すると、そこから寄島が「ちょっと時間ある?」と、気づけば恭一をホテルに連れ込んでいました。おまけに恭一は童貞。さらには「男の人って力強いからちょっと怖いんだよね」と、恭一をベルトで緊縛します。
いやあそこから突然のホテル&自分から誘っておいて、「怖いから」とベルトで縛るとかどんな状況?
恭一は恭一で、「俺は寄島さんが傷つくような事はしないよ。絶対。これで落ち着くなら全然構わない。したいこと何でもしていいよ」と、今の恭一からは考えられないような言葉の数々。他人のために恭一が自分を捧げるなんて!
今はまきの事など微塵も考えず、自分の思うがままに生きている恭一ですが、何がここまで彼を歪めてしまったのでしょうか?
え? ていうか、改めてやっぱりこれどういう状況? (2回目)
■突然の妊娠!? 果たして誰の子?
一方、まきはと言うと、まきのメンタルを心配した山手が、デートに誘い出してくれていました。いろんな提案をしてくれて、まきになかった価値観をたくさん与えてくれる山手のおかげで、「私ずっと歩く場所も食べるものもいつも同じものを繰り返していた気がします。山手さんはいつも私に新しいものを見せてくれます」と、まきは恭一の呪縛が解けてきたよう。
山手と出会っていなければ、今も恭一の奴隷のように、毎日を過ごしていたかもしれません。
まきの価値観を変え、人生の転機を与えてくれた山手ですが、幸か不幸かさらにここで大きな人生の転機が訪れてしまいます。
なんとまきが妊娠したのです。山手に対して「私妊娠したと思う」と伝えていましたが、直近で恭一から無理矢理されていたこともあったため、実際はどちらの子どもなのかが、非常に不安です。
仮に、山手の子どもだとしても、まだ離婚が成立していない状況。子どもが欲しかったまきにとって、嬉しくもあれば、非常に首を絞める状況でもあります。これを盾に、さらに恭一が「自分の子だ!」と執着してくる可能性も……。
というか、離婚するまでちゃんと避妊しとけ! とんでもない状況が、立て続けに降りかかるなど、まきに訪れた突然の人生の転機。果たして、この妊娠も誰の子どもなのか、どうなってしまうのか。次回も目が離せません。
(やまとなでし子)