東京オリンピックナンバーができるって本当?「本当:自動車・初のデザインナンバーが登場」
2020年に開催される東京オリンピック。それに向けてあらたな自動車のナンバープレートが誕生しそうだ。
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現在も「ご当地ナンバー」は存在するが、デザインが変更できるのは原付やトラクターのみに限定されているので、自動車・初のデザインナンバーが登場することになるのだ。
ご当地ナンバーでブランド化をはかる
現在の日本のナンバープレートは、大別すると、
・自動車/オートバイ … 国土交通省(全国の運輸支局)
・軽自動車 … 軽自動車検査協会
・原付 … 市区町村
の3種類になる。盗難や事故の際はもちろんのこと、保安基準をクリアしているかを識別するのが目的なので、勝手に変更できない。そのため、長年にわたって統一されてきたのだが、2006年から「ご当地ナンバー」が登場するようになった。
ひと言でご当地ナンバーと呼ばれるものの、これにも地名とデザインの2種類がある。
地名については「新たな地域名表示ナンバープレート」が正式名称で、条件をクリアすれば新たな地名表示ができる。ナンバープレートを交付する運輸支局(=陸運局)によって管轄エリアが決められ、東京の場合は品川、練馬、足立、多摩、八王子の5つが現存するが、「この地名のナンバーをつくって欲しい」との要望があり、条件をクリアするとご当地ナンバーが誕生するのだ。
観光地としてのPRもOKで、富士山や伊豆、先代や会津もご当地ナンバーとして生まれ、平成26年には
・岩手県 … 盛岡 / 平泉
・福島県 … 郡山
・群馬県 … 前橋
・埼玉県 … 川口 / 越谷
・東京都 … 杉並 / 世田谷
・愛知県 … 春日井
・鹿児島県 … 奄美
の10の地名が導入される。
杉並/世田谷ともに、現在管轄している陸運局とは比較的近いので、不便とは言いがたい。地理的な条件ではなく、それぞれの地名をブランド化するのが狙いのようだ。
自動車初のデザインナンバー
東京オリンピックナンバーが画期的なのは、地名ではなくデザインが変更される点だ。まだ計画の段階につき確定ではないが、五輪のマーク、富士山、桜などが盛り込まれるようだ。
その地の特徴をあらわす形や図柄が盛り込まれたものは「デザインナンバープレート」と呼ばれ、
・静岡県焼津市 … 海と波
・広島県呉市 … 船の形
・埼玉県加須市 … こいのぼり
などがすでに存在し、基本となる色や大きさが守られていれば、かなり自由なデザインがおこなえる。ただし、現時点では原付やトラクター限定で、自動車やオートバイには存在しない。つまり、東京オリンピックナンバーが、自動車初のデザインナンバーになる可能性が高いのだ。
理由は極めてシンプルで、誰がナンバーを交付するかの違いだ。
原付やトラクターのナンバープレートの正式名称は「課税標識」で、市区町村が交付する。大きさや色などのガイドラインは存在するものの、デザインは指定されていない。そのためご当地ナンバーの一環として、その地由来の特色を出すことができる。
対してバスやクルマは「自動車登録番号標」、軽自動やオートバイは「車両番号標」と呼ばれ、色やサイズも統一されている。国土交通省では、今後どのようなプレートにするかは議論(正確には懇談会)が続けられているが、現段階では事実上・変更不可の状態だ。
まとめ
・ご当地ナンバーは「地名」と「デザイン」の2種類がある
・デザインナンバーは、原付やトラクターのみ
・オリンピックナンバーは、自動車初のデザインナンバー
オリンピックナンバーは例外中の例外で、かなり超法規的な存在となる。これを機に、デザインナンバーが登場するのか楽しみだ。
場合によっては最初で最後のデザインナンバーになるかもしれないから、数千円の手数料を払っても、変更する価値はありそうだ。
(関口 寿/ガリレオワークス)
※この記事は2014年03月22日に公開されたものです