【医師監修】 産後ダイエットに効果的!おすすめの4つの方法

【医師監修】 産後ダイエットに効果的!おすすめの4つの方法

妊娠中に増えてしまった体重。出産したのに体重が減らないと悩むママは少なくありません。授乳中含め、産後の体調管理は大切ですよね。今回は、妊娠で太ってしまった体型を元に戻すための産後ダイエットについてお伝えします。


出産後に行う産後ダイエットとは

本来「ダイエット(diet)」とは、日ごろの食事や食べ物を指しますが、日本では、食事量の制限や運動などで体重を減らす意味の言葉として使われています[*1] 。体重や体形が気になる人はとても意識することですよね。

赤ちゃんを産んだら、すぐに体重も体形も元通り!……というわけにはいかなかったことに、ショックを受けた人も多いかもしれませんね。たしかに出産直後にある程度は落ちても、あと○○kgが落ちない! ということも。

あせるかもしれませんが、産後のダイエットは通常時のダイエットと違って、気をつけたいことがいくつかあります。出産を終えたとはいえ、ママの体は妊娠前の状態に完全に戻ったわけではなく、また、授乳を含め慣れない育児に耐えうる体づくりをしていかねばならないのです。

産後のダイエットについて、忘れてはいけない大事なポイントを考えてみましょう。

産後ダイエットで大事な「開始タイミング」と「食事」の注意点

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産後の体はとても疲れています。産後ダイエットで大事なのは、疲れている体をいたわること。開始するタイミングと食事の内容が重要です。

産後1ヶ月は激しい運動はしない

出産は非常に体力を消耗しますが、産後の体は、出産の一時的な疲労状態というわけではありません。約270日間の妊娠期間を経た体は、「ほんとにご苦労様!」の状態。さらに、産後6~8週ごろまでは「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれ、心身ともに目まぐるしいほどの変化がある期間です。産後の骨盤底筋群(こつばんていきんぐん)は強度のダメージを受けているため、なるべく横になるようにすることも大切です。

悪露(おろ)、子宮復古といった誰にでもあることをはじめ、マタニティブルーズや産後うつ病、産褥熱、血栓性静脈炎、乳腺炎といった心身の異常も起こりえます。

そんな産後しばらくの間は、基本的に安静にしておく期間です。激しい運動はもちろん、なるべく心身ともに負担をかけないようにして、赤ちゃんとの生活、育児に慣れていくための期間。激しい運動は、1ヶ月健診で問題がないと言われてから、無理がないように徐々に取り組みましょう。

食事の栄養バランスを考える

ダイエットの結果を焦ると、極端に食べる量を減らすという手段をとりがち。全然食べなかったり、カロリーの少ないものだけを選ぶ「置き換え」ダイエットなどは、簡単にできそうなので関心を持つ人も多いことでしょう。でも、産後も妊娠中同様、必要な栄養やエネルギーを適切な量とることが必須課題です。産後の慣れない育児で体力も脳もフル回転の時期は、バランスのいい食事が、ママ自身のためにも必要です。

特に母乳育児をしている人はなおさら。授乳中である場合、1日に摂取することが推奨されているエネルギー量は、通常の体に必要なエネルギーにプラス350キロカロリーとされています[*2] 。また、カロリーだけでなく、栄養のバランスも大切。ご飯・パンなどの主食、肉・魚などの主菜、野菜などの副菜に乳製品や果物を組み合わせて、バランスよく食べていきましょう[*3]。「お肉は太るからサラダだけで満腹にしよう」というのはNGですよ。

よくある産後ダイエットの5つの失敗理由

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産後1ヶ月健診で問題がなければ、徐々に通常の生活にしてOKと言われますが、順調にダイエットを進めるには様々なハードルが……まずは失敗の原因から探ってみましょう。

出産前に太りすぎた

妊娠中に望ましいとされる体重の増加量は、元の体格・BMIの指数によって異なります。BMI(ボディ・マス・インデックス)は、肥満度を表す指標です[*4]。
<BIMの計算式>
[体重(kg)]÷[身長(m)の2乗]
メートル単位の身長の数値を二乗して、体重をその数値で割ります。たとえば身長158cmだったら、1.58を二乗して2.4964、約2.5とします。体重55㎏を2.5で割ると22となり、これがその人のBMIです。なお、体重を身長(m)で2回割ると計算しやすいでしょう。[体重(kg)÷ 身長(m)÷ 身長(m)]

このBMIによって、妊娠中の望ましい体重増加量は違ってきます。BMI18.5未満の「低体重(やせ)」の人は9~12kg、18.5から25未満の「ふつう」の人は7~ 12kg、25以上の「肥満」の場合は、個別に対応する、とされています[*5]。

妊娠中に増える体重 のうち、平均的なおおよその内訳は、胎児 3㎏、胎盤・羊水など合わせて1.5kg、子宮筋の肥大 1kg、乳房 1kg、循環血液量の増加 1.5kg、計約8kg。残りは母体についた脂肪など、というわけです。

赤ちゃんの大きさにもよりますが、体のあちこちに付いた脂肪は、出産直前に妊娠前から+10kgだったら約2kg、+12kgだったら約4kgということになります。やはり妊娠中に体重が増えすぎると、それだけ産後に落とすのは大変、ということになるわけです。

食事管理が長続きしない

「食事をバランスよく適量を、間食は少なめに」がいいとは頭でわかっていても、母乳育児中はおなかもすぐにすくし、慣れない育児でストレスがたまって、「ついついスナック菓子に手が伸びてしまう」「ドカ食いしてしまった!」ということも。

また、赤ちゃんの生活リズムに合わせるうちに食事しそびれて、深夜にたくさん食べてしまった……ということもありがち。食事によるコントロールがなかなかむずかしい状況がそろっているのが産後です。

育児が忙しくて運動する時間を確保できない

妊娠前は、ジョギングしたりジムに通ったり、定期的に運動していた人ほど、産後になって「さあ運動しよう!」と思うかもしれませんが、育児に追われてそんな時間の余裕はないもの。どうしても運動不足になりやすいですよね。また、生後間もない赤ちゃん連れでは外出すら頻繁にはできないでしょう。

体重は、摂取したカロリーと消費したカロリーの収支であり、消費しなければ体重は落ちません。また、体重は落ちたとしても、運動しなければ筋肉量が増えず、引き締まった体にはなりません。

痩せるモチベーションがわいてこない

産後ダイエットしたい理由はなんでしょう? 妊娠前の服をまたきれいに着こなしたい、赤ちゃんとのお出かけもおしゃれにしたいし、フットワークも軽くなりたい、いろいろ「したいこと」があるからではないでしょうか。もちろん、鏡に映る姿に愕然、ということもあるかもしれませんが、したいことがあってこそ、産後ダイエットに挑戦したいモチベーションとなります。

これがもし、「どこにも出かけたくない」「自分の見た目なんか価値がない」「いろんなことに無気力」と感じているなら、要注意です。もしかしたら産後うつ病の兆候の可能性もあります。

「ま、いいか、毎日楽しいし」と思って産後ダイエットが続かないのなら問題ありませんが、見た目に関心が向かわないほど沈んだ気持ちが続くようだったら、一度、出産した産婦人科などに相談してみましょう。

卒乳後に太った

母乳育児をしている場合、授乳期間中はそれだけでカロリーを消費しているため、「食べても太らない!」という状態だったかもしれません。ところが、卒乳すると母乳生産によるカロリー消費はなくなり、たくさん食べる習慣だけは卒乳前のままだとしたら……。考えただけでも体重は減りそうにありません。

産後は一度体重落ちたけど、卒乳後に大幅リバウンドというケース、実は多くの人が経験しているのです。

産後ダイエットで成功するおすすめの4つの方法

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1)まずは産褥体操でウオーミングアップ

産後すぐに、カロリーをしっかり消費ほど激しい運動はしてはいけません。だからといって、産後1ヶ月健診もすんで、突然運動を始めよう!と思っても、それは筋力的にも無理があります。

出産後は、産褥体操から始めましょう。

入院中の指導でも教えてもらうかもしれませんが、産褥体操には、産後ダイエットの運動のウオーミングアップになるエクササイズがいろいろあると思います。産褥体操の目的は「痩身」ではありませんが、本格始動の前準備として行うのはいいでしょう。負荷の軽いものは産後すぐから行うことができるので、入院中から積極的に試してみましょう。

2)母乳育児!

正確にはダイエットではありませんが、確かに母乳育児をすると妊娠中に蓄えられた脂肪も消費するので、体重減少が期待できます。

とはいえ、母乳育児中に食事を減らすダイエットは勧められません。離乳食が始まるまで、赤ちゃんの栄養源は母乳とミルクのみです。特に母乳中心で授乳している場合、まさに赤ちゃんのライフライン。単純に「カロリーを調整する」ということではなく、主食・主菜・副菜をバランスよく食べるようにしましょう。

3)散歩する

妊娠中の体力づくりのために、せっせとウオーキングしていた人も多いのでは? このウオーキング、激しい運動ではありませんが、体内の血流循環をよくして、カロリー消費をスムーズにするために最適の方法です。ママと赤ちゃんが外に出られる時期になったら、快適な時間帯を選んで散歩しましょう。

ウオーキングは、週に1回まとめて数時間するよりも、毎日コツコツ続けることがダイエットになります。毎日30分、続けて行ってもいいし、10分ずつこまめに、でもかまいません。

散歩のときは、抱っこひもでもベビーカーでもOKです。歩きやすい靴を履いて、姿勢をよくするように意識して、さらに腹式呼吸も意識しながら歩いたなら完璧でしょう。

散歩だって育児のうち。運動だけをする時間を確保するのはむずかしいですが、これなら続けられそうです。

4)ストレス解消法を見つける

夫や家族などから産後の体重や体形について言われ、それがストレスという人もいますが、ストレスはダイエットの天敵です。そもそもストレスがたまると、ホルモン(コルチゾール)の関係で、エネルギーを溜め込みやすくなると考えられています。

育児中にまったくノンストレスという生活はなかなか送れないと思いますが、自分で何でもやらなくちゃと追い込みすぎたり、赤ちゃんのことを心配しすぎて何も手につかなかったり、育児や家事が思ったようにできないことで自分を責めたり、といった状態はダイエット効率が非常に悪くなります。

ストレスをためない生活、家族にも協力してもらいながら、自分自身も「ある程度で、ま、いいか!」とゆるくかまえて生活しましょう。

5)赤ちゃん同伴OKのエクササイズに挑戦

体調などが落ち着いてきたら、産後のママ向けのエクササイズプログラムに参加するのもおすすめです。ヨガやダンスなど様々な産後クラスが各地で開催されており、中には自治体の「子育て応援券」などが使用できるサービスもあります。

産後のママ向けということもあり、ほとんどが赤ちゃん連れOKとなっているので、安心して参加できるでしょう。

こういった産後ママ向けのプログラムは、シェイプアップや体の調子を整える目的以外にも、家にいることが多く孤立しがちな産後のママが、外の人と交流できる気分転換の場にもなりえます。

まとめ

Lazy dummy

出産した直後は、ある程度まとまって体重が落ちるのですが、その後、元の体重まであと何kgかを残して止まってしまった、というときは焦るかもしれません。でも、その残った分は妊娠中の月日をかけて蓄えたもの。ここで紹介したダイエットは、始める時期に関すること以外はごくスタンダード、王道ともいえるので、どうぞあせらず、じっくり体重を落として、リバウンドしないことをめざしてください。
できることからコツコツチャレンジして、健康的な体重に戻していきましょう。

この記事の監修ドクター
直林奈月先生
赤心堂病院産婦人科勤務(埼玉県川越市)
高知医科大学卒業後、太田⻄ノ内病院、高知大学医学部附属病院、船橋二和病院を経て現職。 産科婦人科学会専門医、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医、母体保護法指定医師、女性ヘルスケアアドバイザー

(文:関川香織/監修:直林奈月先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「ダイエット」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-090.html
[*2]厚生労働省「授乳婦の食事摂取基準」
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114401.pdf
[*3]厚生労働省「妊娠中と産後の食事について」
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/boshi-hoken/ninpu-02.html
[*4]厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット「BMI」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/metabolic/ym-002.html
[*5]厚生労働省「妊娠前の体型を考慮した望ましい体重増加量」
https://www.mhlw.go.jp/houdou/2006/02/dl/h0201-3a3-02f.pdf
日本肥満学会「肥満研究」14(3),p.275,2008

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

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