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2023年01月16日 14:20 更新

つわりにバナナはおすすめ?栄養上のメリットや食べやすくするアレンジ方法【管理栄養士監修】

つわりの時に果物が食べやすいという人もいるのではないでしょうか。いろいろな果物がありますが、なかでもバナナはサッと食べられて便利ですよね。実はバナナはそうした手軽さだけでなく、栄養面でも妊婦さんの強い味方になってくれる力を持っています。つわり中にバナナを食べたい方や食べられる方は、ぜひ参考にしてください。

つわりにバナナがよいって本当?

バナナ

つわりの時におすすめの食品の1つとしてバナナの名前を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。それにはバナナの持つ栄養素とかかわっています。

つわりの症状を和らげるとされるビタミンB6が豊富

バナナはビタミンB6を多く含む食品のひとつです。ビタミンB6には、吐き気や嘔吐などのつわり症状を和らげる働きがあると言われています。つわりのつらさを軽減してくれる栄養素ならば摂りたいと思う妊婦さんは多いと思いますが、食べやすい食品からでないとそれも難しいものです。

つわり中に食べられるものは人によって異なりますが、水分が多く冷やしてもおいしいバナナは比較的食べやすく、無理せずにビタミンB6を摂取できる食材といえるかもしれませんね。

なお、ビタミンB6はバナナのほかにも以下のような食品に多く含まれています。

肉、魚:赤身肉、鶏肉、マグロ、カツオなど
いも類や野菜:じゃがいも、さつまいも、にんにく、ピーマン、かぼちゃ、ししとう、あさつき、モロヘイヤ、ブロッコリーなど

妊娠中に摂りたい葉酸も比較的豊富

バナナには葉酸も比較的多く含まれています。葉酸は水に溶けやすく熱に弱いので、生でそのまま食べられるバナナは効率よく葉酸を摂取できる食品です。葉酸はバナナ以外に緑黄色野菜などに多く含まれています。

 葉酸が妊婦に大切な理由

葉酸は細胞の分裂や成熟に大きくかかわるため、おなかの赤ちゃんには欠かせない栄養素です。特に先天異常である神経管閉鎖障害を予防するために、妊娠前からの摂取が推奨されています。

また、葉酸にはビタミンB12とともに赤血球をつくる働きもあります。赤血球が不足すると貧血になりやすくなったりするため、葉酸はママの体にとっても大切です。妊娠初期を過ぎても赤ちゃんの成長やママの身体のために、妊娠中は一貫して十分な摂取が望まれます。

なお、特に葉酸を積極的に摂りたい妊娠3ヶ月までは、通常の食事に加えてサプリメントを利用することが推奨されています[*1,2]。ただし、サプリメントの過剰摂取による健康被害の可能性もあります。サプリメントは効率よく葉酸を摂れますが、摂れば摂るだけいいということではありませんので、量には注意しましょう。

関連記事▶【医師監修】妊娠初期に葉酸を飲まなかったけど大丈夫!? その影響と対処法

手軽にエネルギー補給できる

バナナ1本のエネルギー量は、お茶碗半分の白飯とほぼ同じ。食欲がない時や調理ができない時でも手軽にエネルギー補給ができます。ほかの果物と比べても、皮をむけばすぐに食べられるバナナの手軽さが助けになることもあるでしょう。

ただし、バナナに限らず果物は糖質が多く、食べ過ぎると血糖値が上がりやすい面もあります。つわり中に食べられるものとしていくつか候補があると安心ですね。

つわりでバナナばかり食べても大丈夫?夜中のバナナは?

皮をむいたバナナを持つ

食べやすいし栄養もあるからといってバナナばかりを食べてもいいのか、エネルギーが多いだけに心配になりますね。食べる時間も気にするべきなのでしょうか。

食べられるものを食べるのが第一

つわりで食べられない時でも栄養バランスを考えてしまいがちですが、つわりのおきやすい妊娠初期は、バランス良く食べられなくても赤ちゃんの成長に大きな影響はありません。それまでに母体に蓄えられている栄養でも赤ちゃんは育つので[*3]、過剰に心配せず、食べられるものを食べるようにしましょう。

夜中でもOK!食べられる時に食べるのが大切

それが夜中であっても、つわりの期間は食べられる時、食べたくなった時に食べておくことが大切です。日中は食欲がなく、夜中になって食べられそうになることもあるでしょう。夜中だから食べちゃダメということはありません。

ただし、つわりの時は胃腸の機能が落ちているので、一度にたくさんの量を食べると嘔吐や吐き気を起こすことも考えられます。少しずつゆっくり食べるようにしましょう。

つわりでも食べやすい!おすすめのバナナの食べ方

ワンハンドで食べられるバナナ。そのままでもよいですが、手間をかけずにできる、ほかの食べ方もあります。試してみてくださいね。

冷たくておいしい冷凍バナナ

冷凍バナナ
冷凍バナナは冷たいものが食べやすい方におすすめです。作り方はいたってシンプル。

■作り方
バナナの皮をむき、ラップに包んで冷凍庫に入れる

手で持ってアイスキャンディーのように食べられます。食べやすい大きさに切ってから、フリージングバッグに入れて凍らせてもいいですね。冷凍バナナは、そのまま食べるだけでなく、スムージーやアイスなど、いろいろな用途に使えます。

固形物がつらい時に!バナナジュース

バナナジュース ミキサー
固形物が食べられない時は、バナナジュースがおすすめです。ミキサーにバナナと牛乳を一緒に入れて回すだけで作れます。砂糖を入れなくてもバナナだけで十分甘みがありますよ。

■作りやすい分量(コップ1杯分)
バナナ1本、牛乳150cc
■作り方
バナナと牛乳をミキサーに入れて混ぜ合わせる

<ミキサーを使わない場合>
[方法 1]バナナを固まりがなくなるまでよくつぶし、牛乳を入れて混ぜる
[方法 2]フリージングバッグなどの丈夫なビニール袋にバナナを入れて上から押してつぶし、その中に牛乳入れて振る

バナナの代わりに冷凍バナナを使うとシェーキ状に、また、冷凍バナナより牛乳を少なめにするとバナナアイスを作れますよ。 牛乳以外に、豆乳やアーモンドミルクでも可能です。お好みのもので作ってみてください。

さっぱり食べられるバナナヨーグルトシャーベット

ヨーグルトの酸味とバナナの甘みで、さっぱりと食べやすいでしょう。バナナをよくつぶすか細かく刻んだ方が、どこをすくってもバナナの香りと甘みを感じられるのでおすすめです。

■作りやすい分量(コップ1杯分)
バナナ1本、無糖ヨーグルト100g
※お好みの味に量を調整してください
■作り方
① バナナはお好みの粗さでつぶすか刻む
② バナナとヨーグルトを混ぜ合わせて、冷凍容器に入れ(小分けになっている製氷皿タイプがおすすめ)、冷凍する

より手軽にするならば、シャーベットにせず、カットした冷凍バナナにヨーグルトをかけるだけでも。バナナの周りのヨーグルトがひんやりと冷たくてなっておいしいですよ。

バナナと組み合わせるならこの食べ物がおすすめ

きなこバナナヨーグルト

妊娠期に必要で不足しがちな鉄やカルシウムを補える食品と組み合わせられるとよいですね。鉄分を含むきな粉、カルシウムを含むごまチーズ、豆腐は合わせやすいでしょう。

きな粉やすりごまは、バナナに直接ふりかけてもよいですし、バナナジュースやバナナヨーグルトに入れても食べやすいですよ。パンにバナナとチーズをのせてバナナチーズトーストにしてもいいですね。チーズ(※)はカルシウムだけでなく、葉酸とともに貧血予防に働くビタミンB12も摂ることができます。

※チーズはプロセスチーズならそのままでもよいですが、ナチュラルチーズの場合は食中毒のリスク上、十分に加熱して食べるのが安心です。詳しくはこちらの記事をご覧ください。
関連記事▶【医師監修】妊婦はチーズを食べてもいい? 安心な食べ方は?

バナナを長持ちさせる保存方法

気温にもよりますが、バナナは常温で置いておくとどんどん熟していきます。気が付いたら黒くなっていたなんてこともありますよね。

1本ずつラップに包んでからポリ袋に入れて野菜室で保存すると、皮が黒くなっても実の熟成は進まないといいます[*4]。すぐに食べきれそうにない場合には、常温ではなく冷蔵保存にするとよいでしょう。

まとめ

バナナの糖質は吸収が速く、水分やエネルギー補給にも向いているため、アスリートの補食としても用いられているほど。ビタミンB6や葉酸だけでなく、カリウムや食物繊維も含まれ、妊婦さんが欲しい栄養素が詰まっている果物です。手軽に食べられるバナナをつわりの時の食事にも活用してみてください。

(文:二橋佳子 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

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