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2023年01月16日 14:10 更新

【医師監修】つわりでげっぷが増える⁉ つわり中のげっぷ、理由と対策

ふいにこみ上げてきて抑えられないげっぷは、人前でははずかしく、出たからといって胸がすっと爽快になるわけでもなくて、ちょっと迷惑な症状かもしれません。しかし、妊娠初期のつわりの時期に繰り返すげっぷに悩まされる女性は少なくないようです。妊娠するとげっぷが増えるのでしょうか? 原因を対策とともに紹介します。

げっぷとは? どういうときに出る?

げっぷは、口から入って胃の中にたまった空気が食道を逆流し、再び口から出ていく現象です。医療用語では「曖気(あいき)」といいます。

げっぷはどうして出る?

食事をすると食べ物と一緒に空気を飲み込むので、生理現象としてげっぷが出ます。

とはいえ普段は食道と胃の境目にある「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」という筋肉が胃液や空気の逆流を防ぐ弁のはたらきをしているので、気になるほど頻回には出ません。

しかし、この筋肉がゆるんでいたり、胃に溜まった空気が多いとげっぷが増えます。

また病気が原因でげっぷが増える場合もあります(詳細後述)。

さらに精神的な原因でもげっぷが増えることがあります。不安やストレス、緊張が強いと、無意識に何度も唾液を飲み込み、空気も飲み込んでしまうためです。

松峯先生
「緊張や不安から首や肩に力が入ったり歯を食いしばったりすると、“固唾(かたず)を飲む”などと言うように唾液とともに空気を飲みやすいとされていて、そのような状態は『かみしめ・呑気(どんき)症候群』などと呼ばれています」

これって「げっぷつわり」?

げっぷをする妊婦
Lazy dummy

「食べつわり」「吐きつわり」「よだれつわり」と並んで俗称「げっぷつわり」がある人もいるようです。つわりの症状としてげっぷが出るのでしょうか?

つわりとは?

つわりとは、妊娠によって体にさまざまな変化が起こることから生じる消化器の不快な症状を中心とした体調不良や症状のことで、妊婦の50〜80%が経験するとされています[*1]。

妊娠したら必ずつわりがあるとはいえないものの、多くの人が何らかの症状を感じるということです。

つわりとげっぷの関係は?

妊娠が直接、げっぷを増やすわけではないものの、妊娠するとホルモン分泌の影響で全身の筋肉がゆるみ、先述の食道と胃の境目にある弁(下部食道括約筋)もゆるむため、空気や胃の内容物が逆流しやすい状態になってしまいます。

さらに、つわりの時期には食べ物のにおいや空腹などさまざまな理由で「気持ちが悪い」「吐き気」などを感じていることがあり、呑酸(どんさん:口や喉まで酸っぱい液がこみあげる感じ)を伴うげっぷの感覚は気持ち悪さを増長させることがあるでしょう。

逆に、げっぷがなかなか出せずに気持ちが悪い、お腹や喉に空気が詰まっている感じがする、などの場合も。
また、吐き気などをこらえることが、無意識に唾液と一緒に空気の飲み込みを増やし、げっぷにつながる場合もあります。

松峯先生
「つわりのために食欲がない時、無理して食べようとすると食べ物と一緒に空気をたくさん飲んでしまい、げっぷを増やす原因になる可能性もあります」

げっぷが増える病気とは?

「逆流性食道炎」「食道裂孔ヘルニア」のほか、胃や十二指腸の病気が原因で起こることもあります。胸焼けや呑酸を伴うげっぷを繰り返す場合は、妊娠していることを告げて消化器内科を受診しましょう。

特に、妊娠期間が進んで子宮が大きくなるにつれ、子宮が胃を圧迫して「逆流性食道炎」が起きやすくなるので注意が必要です。

自力のげっぷ対策は?

口元を押さえる女性
Lazy dummy

げっぷの原因が病気ではないことを確かめたうえで、生理的なげっぷを減らしたいときに自分でできることを紹介します

ゆっくり食べる

ご飯をたべる様子
Lazy dummy

食事をかき込むように早食いすると空気を食べる量も増え、げっぷが出やすくなってしまいます。ゆっくりよく噛んで食べましょう。

炭酸を控える

空気を飲み込みやすいため、控えるとよい(呑気症を防ぐ)とされているのは、炭酸飲料です。ほかにガム、麺類、汁物なども胃に入る空気が増えます。

背中をさする

げっぷが出そうで出なくて苦しいときは背中の中央あたりをさすったり、軽く叩いてみましょう。

松峯先生
「パートナーになでてもらうことでリラックスすることも、症状の軽減に役立ちます」

食後には深呼吸

食後には楽な姿勢で胸やお腹を大きく動かすことを意識して深呼吸を。すぐ横にはならず、少なくとも食後3時間は体を起こした状態で過ごしてから就寝しましょう。

ストレスケア & リラックス

夫婦の団欒
Lazy dummy

不安やストレス、緊張が強いと “固唾を飲む” という言葉があるように、空気を飲み込みやすくなります。心身の緊張をゆるめるケアを工夫しましょう。

松峯先生
「不安や悩みを1人で抱え込まないことが大切です。妊娠や生活に対して心配なことがあったら、『産科で相談できるのは体のことだけ』とは思わないで主治医や助産師などに話してみましょう。 そして忙しい中でも、1日10〜15分だけでもストレッチなどをして体のこりをほぐすと、気持ちもほぐれる場合があります。試してみてください」

また、ストレスの緩和に脳が喜ぶような手仕事をするのがよい(ストレスコーピング=ストレス対処術)とされています。

松峯先生
「脳の健康とストレスケアの第一人者は『つい没頭してしまうような手仕事をしていると脳が活性しているときに出る脳波、P300が広範囲に出て、ストレスケアになる』として、毎日 “ほどほど(いい加減)” にやることを推奨しています。
調理や手芸、DIY、プチ模様替えなどを、つかの間夢中になってやってみるのもいいかもしれません。つわりのさまざまな症状は心身のストレスとなるので、つわりの時期は普段以上にストレスを気にかけ、ぜひ楽しくストレスに対処してください」
ミシンで布を縫う女性
Lazy dummy

十分な睡眠をとる

ストレスを解消するには脳の休養としての睡眠がとても大切です。寝室の温度や湿度、寝具などを見直して、より快適な睡眠環境を整えましょう。楽な寝姿勢も試してみてください。

まとめ

妊娠初期のつわり時期にげっぷがよくでるようになる人もいます。げっぷの回数が著しく増える時には、背景に胃や十二指腸の病気が潜んでいる可能性もあるので、症状が続くなどの場合は、まず妊娠していることを告げて消化器内科を受診し、病気の有無を確かめると安心です。病気ではない場合は、セルフケアでなるべく症状を軽減していきましょう。

(文・構成:下平貴子、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです

参考文献

[*1] 病気がみえるVol.10産科 第4版,p86,メディックメディア,2018.

・兵庫県保険医協会「げっぷから考えられる病気」

・一般社団法人小郡三井医師会 病気と健康の話

・古賀良彦著「脳の疲れをとる本」,方丈社,2018

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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