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2021年12月16日 16:00 更新

離乳食はいつまで?そのあとの食事の進め方は?押さえるポイントを解説【管理栄養士監修】

月齢が上がり赤ちゃんが離乳食にも慣れてくると、そういえば離乳食はいつまでに終わるものだったかと気になったり、離乳食後はどういう食事を作ればよいのかという疑問が出てきたりするのではないでしょうか。今回は離乳食が終わる時期の目安と、離乳食後の食事の進め方についてお伝えします。

離乳食はいつまで?

生後5ヶ月ごろから開始する離乳食。初期、中期、後期と進み、1歳ごろには最後の段階の完了期に入りますが、いつごろに離乳食は終えることになるのでしょうか?

1歳半ぐらいが目安

離乳食の進み方と月齢
離乳食を終える(離乳の完了)のは1歳半ごろが目安とされます。1歳から1歳半ごろ(離乳完了期)の食事の特徴として、以下のような点があります。

■形のある食物をかみつぶすことができる
■エネルギーや栄養素の大部分が母乳・育児用ミルク以外の食物から摂取できる
■1日3回の食事+1日1~2回の補食(必要に応じて)[*1]
■1歳半ごろには奥歯が少しずつ生え始めるため、奥歯での咀嚼が始まる

これらの点を目安にしつつ、離乳完了期が進めば1歳半ごろから幼児食へ移行してよいでしょう。もっとも、個人差があるので1歳半という時期にこだわるのではなく、あくまでも離乳食の進み具合や歯の生え方、あごの発達など、赤ちゃんの食べる様子から判断し、幼児食への移行を考えていきます。

ちなみに、離乳食が終わると同時に母乳やミルクも完全に卒業すべきなのか、というとそうではありません。卒乳の時期は各家庭で違いがあるものです。ママやお子さんがやめようと思うまで続けていて問題ありません。無理せず親子でタイミングを見つけていってくださいね。

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離乳食は幼児食への橋渡し

離乳食は母乳による栄養摂取から食事による栄養摂取へと移行する過程で食べるものです。その役割を簡単にまとめると以下のようになるでしょう。

■母乳・ミルクでは不足するエネルギーや栄養素を補う
■食事や生活リズムの基礎を作る
■家族で食卓を囲むなどにより、共に食事をしながら食べる楽しさを知る
■いろいろな食材や料理、食事の場を経験することで食べる意欲を促す

離乳食を通じて、初めて食べ物を口にするところから徐々に赤ちゃんは食べる経験を積み重ね、食べる力をつけていきます。そして、次の段階である幼児食へと移っていくのです。幼児食は離乳食と比べるとより大人の食べるものに近づきます(大人と全く同じ食事になるわけではありません)。

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離乳食の間に食べられるようになる食材

離乳食と食材

離乳食が終わり幼児食に移行するまでにどのような食材を食べられるようになっているのか、三大栄養素に分けて確認しておきましょう。

【炭水化物】ごはん、パン、麺類、いも類

炭水化物は赤ちゃんの大切なエネルギー源です。米、パン、いも類はもちろん、麺類も離乳期に与えることができます。

パンはできるかぎり添加物が少なく、砂糖不使用のものを選びましょう。惣菜パンや菓子パンなどは離乳期の赤ちゃんにとっては味が濃く脂質や塩分も高いため、与えないようにします。

麺類はうどんスパゲッティ、マカロニそうめんがおすすめです。中華麺は弾力があり、スープなど一緒に食べるものに油や塩分が多いことから、無理に与えなくてもよいでしょう。

【タンパク質】肉類、卵、乳製品、豆類

筋肉や血など体をつくるうえで大切なタンパク質。肉類では脂質の少ないササミや鶏むね肉などが離乳期にはおすすめです。は白身魚から始めます。かまぼこやちくわなどの魚の加工品は塩分が多いので離乳期には避けましょう。

は固ゆでした卵黄から始め、完了期までに全卵1/2~2/3まで進めていきます。ヨーグルトチーズといった乳製品も基本的には離乳期に与えてよいですが、加糖ヨーグルトは赤ちゃんには甘すぎるので選ばないようにします。

豆腐納豆きなこなどの大豆製品も離乳期に使いやすく、とてもおすすめの食材です。

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【ビタミン・ミネラル】野菜、果物

野菜は体の調子を整えるビタミンやミネラルの供給源です。種類によってスタートの時期は異なってきますが、ほとんどの野菜は離乳期に与えられます。例外として、しょうがやにんにくといった香りや刺激が強いものは無理に与えなくてよいでしょう。弾力のあるきのこや繊維の多いごぼうも離乳期には食べにくい食材です。

果物は基本的に離乳中期ごろから与えることができます。

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アレルギーを起こす可能性のある食材には注意し、初めて与えるときには、必ず少量から試しましょう。

離乳食後の食事の進め方

ママがパンを切ってくれるのをまだかまだかと指をくわえて待っている子供

離乳食を終え幼児食に移行したらどのような食事を与えればいいのでしょうか? 大人の食事に近づくとはいえ、味覚や口腔機能など、子どもの食べる力は発達の最中です。急に大人と一緒の食事になるわけではありません。

大きさや硬さは子どもに合わせて

具材の大きさや硬さは子どもの食べ方や食べる力に合わせて工夫してあげましょう。幼児食に移行する時期はまだまだ手づかみ食べが主流のため、スティック状のものを用意したり、手づかみできる料理を1品は取り入れたりすることが必要です。

弾力性のある食材や繊維の多い食材はまだ噛み切りにくいことも多く、のどに詰まらせたり気管に食べ物が入ったりする危険があります。球状のものは気管にすっぽりはまって窒息する危険も。次のように切り方を工夫しましょう。

■弾力の強い肉類、きのこ、こんにゃくなどは細かく切る
■特に薄切り肉やえびは加熱すると弾力が増すため、筋や繊維を断つように切ったり細かく切るなどする
■球状のミニトマトや巨峰は十字に4等分に切る[*2]

4等分にしたミニトマト
4等分にしたミニトマト

アレルギーに注意

幼児食へ移行しても離乳食と同様、食物アレルギーの原因となる食材を初めて与えるときには、子どもの体調がよく、かつ医療機関の開いている平日を選び、午前中に少量から試しましょう。幼児食で初めてかにやえびを試す人も多いかもしれません。これらは特定原材料7品目に指定されているため、特に注意してください。

また、すでに食物アレルギーのある場合、市販品を与える際には該当するアレルゲンが含まれていないか、必ず原材料表示を確認しましょう。

薄味を心がけて

大人と同じものだと子どもにとってはまだ味が濃いため、まだまだ薄味に心がける時期です。一緒の食事をしながら味付けを分けるやり方としては、次の2つがあります。

① 大人の味付けをベースにし、まとめて一緒に作り、子どもの分だけを取り分けてあとから味を薄める
② 子ども用に味付けをし、大人分はあとから味を足す

たとえば汁物はお湯やだし汁で薄めるなど工夫しましょう。目安は大人の1/3~1/2の味つけです。味が濃いと塩分の摂りすぎにもつながるので、注意してあげてくださいね。

少しずつ食材を増やしていく

少しずつ今までに食べたことのない食材も取り入れていきましょう。レパートリーを増やすことでさまざまな食材から栄養を補うことができます。

ただし注意点として、刺激の強い物や、餅のようなのどに詰まらせたりする危険のあるものは離乳食に引き続き避けましょう。

まとめ

離乳の完了は1歳半ごろが目安とされ、その後は幼児食へと移行します。離乳食から幼児食に進めていくうえでは、1品のみを幼児食へ近づけてみるなど、徐々に食事内容をステップアップしていくことも大切です。

また、離乳期には大人の食事と赤ちゃんの食事の時間が一緒にならなかったという家庭もあるでしょう。幼児食では大人と一緒に食卓を囲みやすくなります。食事の楽しみを親子一緒に共有していってくださいね。

(文:茅野陽 先生/監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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