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2023年01月17日 14:37 更新

離乳食のタンパク質の適正量、注意点、おすすめ食材も!【管理栄養士監修】

離乳食が始まり、おかゆやお野菜に慣れてきた離乳初期の後半からタンパク質を始めていきましょう。タンパク質はアレルギーの原因になるものもあります。タンパク質の進め方や注意点、種類や量についてみていきましょう。

タンパク質はいつから摂って大丈夫?

タンパク質源となる食品

タンパク質は離乳初期から始めることができます。おかゆやお野菜に慣れてきたらひとさじずつ始めてみましょう。

離乳食の初期から段階的に摂取しましょう

タンパク質は赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素です。離乳初期ではまだまだ母乳・ミルクからの栄養が主ですが、おかゆ、野菜とともにタンパク質を摂取していきます。

初めは少量の豆腐や白身魚から始めます。離乳段階が進むにつれて徐々に卵や脂肪の少ない鶏肉などの肉類や魚の種類も増やしていきます。

最初は「豆腐」から始めるのがおすすめ

豆腐の離乳食

初めてのタンパク質には、やわらかく調理もしやすい豆腐がおすすめです。茹でた豆腐をつぶして滑らかにし、少量をおかゆなどに混ぜて与えます。ただし、アレルギーには注意が必要です。

アレルギーには細心の注意を

アレルギーの原因となる「アレルゲン」は、主にタンパク質に含まれています。乳児期の食物アレルギーの原因物質は、鶏卵・牛乳・小麦が多いのですが、中でも鶏卵や牛乳は質のいいタンパク質といわれていますので、摂りたい栄養の1つでもあります。

食物アレルギーが心配なので、卵や乳製品などのタンパク質を避けたいという気持ちはわかりますが、しっかりとタンパク質をとっていくことが大切です。怖いからといてタンパク質類の開始を遅らせても、アレルギーの予防効果はないので、赤ちゃんの体調のよい日にひとさじずつ始めて様子をみましょう。特に問題がなければ少しずつ増やしていき、しっかりとタンパク質をとりましょう。

アレルギーは、いつ起きるかはわかりません。症状が出た場合には自己判断をせず、小児科などを受診し医師の指示に従いましょう。

タンパク質の目安量や注意点

キッチンスケールと計量スプーン

離乳食の段階ごとに目安量があります。消化機能の未熟な赤ちゃんにとって負担のかからない量を見ていきましょう。

時期によって必要量は異なる

厚生労働省の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳中期から食材ごとに1回あたりの目安量が(g:グラム)で記載されています(離乳初期はひとさじずつから始めて離乳食に慣れることが目標なので、目安量は設定されていない)。その日のメニューに合わせて食材を選んでみましょう。

食材は1種類でもいいですし、複数の種類を合わせて1回分のタンパク質として食べることもできます。
例:離乳後期:魚(10g:1回の2/3)と豆腐(15g:1回の1/3)を合わせて1食で食べる

離乳初期 離乳中期 離乳後期 離乳完了期
- 10~15g 15g 15〜20g
- 10~15g 15g 15〜20g
豆腐 - 30~40g 45g 50~55g
- 卵黄1〜
全卵1/3個
全卵1/2個 全卵1/2
~2/3個

量の目安
■魚:刺身1切れ=15g程度
■肉:ひき肉大さじ1=15g程度
■豆腐:2cm角1個=10g程度

目安量を意識しましょう

離乳食メニュー

離乳食もできるだけバランスよくしたいですが、バランスを取るためのものが目安量です。

例えば、1食目でタンパク質を多めに食べても、2食目は少し減らすなど1日の中で調整できれば大丈夫ですし、昨日はタンパク質をほとんどとっていなかったな……というときは前後の日で調整してもOKです。
目安量を多少意識しつつ、調整していけるといいですね。

摂取し過ぎはNG?

消化機能が未熟な赤ちゃんはタンパク質を摂取しすぎると、体重増加が大きくなったり、内臓に負担がかかったりもします。糖質、脂質、タンパク質のほどよいバランスを保つことが大切です。すべて肉ばかりなどということがないように、穀類や野菜類も摂るようにしましょう。

タンパク質が摂れるおすすめ食材

離乳食に使いやすい定番タンパク質食材をご紹介します。

鶏肉

鶏肉

鶏肉は離乳食でも使いやすいお肉です。使用部位はささみが脂肪も少なくおすすめ。筋を取って茹で、食べやすい形態に調理して使います。パサついて食べにくい場合にはとろみをつけたり、じゃがいもなどと和えるとしっとりして食べやすくなります。
離乳中期以降はむね肉や皮を除いたもも肉なども使えます。

鶏肉のアレルギーについて

鶏肉はアレルギーの表示推奨品目の1つですので、はじめる際はひとさじずつ様子を見ていきましょう。なお、鶏卵アレルギーがあるからといって、鶏肉にもアレルギーがあるとは限りません。

卵

卵は栄養成分が豊富で、タンパク質だけでなくビタミンも含まれます。離乳初期では固ゆでにした茹で卵の黄身を取り出して、おかゆなどに混ぜて使用します。黄身に慣れたら全卵を炒り卵や薄焼き卵にすると適量を取り分けしやすいです。

卵のアレルギーについて

鶏卵は乳児期にもっとも多いアレルゲンですので、特に気になるところですね。卵アレルギーは白身のアレルゲンが主な原因です。白身のアレルギー成分は十分な加熱で弱まるので、しっかり焼きましょう。

豆腐

豆腐

離乳初期から使える豆腐は調理がしやすく重宝しますね。

離乳初期では絹ごし豆腐がなめらかで使いやすいです。さっと火を通してから使いましょう。少しかた木綿豆腐は、離乳後期以降がおすすめです。最近は小分けのパックもありますが、衛生面を考えてできるだけ使い切るようにしましょう。

豆腐のアレルギーについて

離乳初期から食べられますが、大豆アレルギーが起きることもあります。最初は1さじ程度からはじめるとよいでしょう。

納豆

納豆

納豆は離乳中期ごろから使いやすいでしょう。

粒が大きいものは包丁で少したたいてあげると安心かもしれません。様子を見て大丈夫そうであればそのままでもよいです。粘りが気になるようであれば湯通ししてあげると粘りが軽減します。また、付属のたれは味が濃いので使わないようにしましょう。

納豆のアレルギーについて

大豆製品である納豆は豆腐と同じ原料ですが、豆腐で問題がなくても納豆や豆乳で飲み症状が出ることも稀にあります。乳児に多いアレルギーではありませんが、納豆に関しても初めての時は1さじなど少量からまずは試してみましょう。

白身魚

白身魚

離乳初期から使える白身魚には、鯛、ひらめ、かれい、しらすなどがあります。刺身で食べられるものは新鮮で、ひと切れがおおよそ1〜2回分程度なので使いやすいです。

魚のアレルギーについて

魚のアレルギーは種類によっても異なりますので、初めての魚を食べる時は少しで様子がみられるといいでしょう。

タンパク質が効率的に摂れるおすすめレシピ

簡単にできる、アレンジの利く、タンパク質のレシピをご紹介します。

栄養満点!豆腐と鶏肉の卵とじ

卵とじ

■材料(赤ちゃん+大人2人用)
・豆腐 30g
・鶏ささみ 40g
・卵 1個
・だし汁 200ml
・刻みのり 少々

■作り方
① 豆腐を5mm角に切る
② ささみは食べやすい大きさにする
③ 鍋にだし汁を入れ、ささみを加えてひと煮立ちさせ、火を通す
④ 豆腐を加えてひと煮立ちさせ、溶いた卵を加えて、卵がしっかりかためる
⑤ 仕上げに刻みのりをふりかける

手づかみOK オートミールおやき

オートミールおやき

■材料(赤ちゃん+大人1人用) 
・オートミール 大さじ6
・牛乳 大さじ3
・バナナ 1本

■作り方
① オートミールと牛乳をボールに入れてふやかす
② つぶしたバナナを加えてよく混ぜる
③ フライパンに薄く油をひき、②をスプーンですくってフライパンに落とす
④ 焼き色がついたらひっくり返し、両面焼けたらできあがり

アレンジ自在 ふっくら野菜蒸しパン

蒸しパン

■材料(5~6個分)
・ホットケーキミックス 100g
・牛乳 80ml
・ベビーチーズ 1個
・ミックスベジタブル 大さじ1

■作り方
① ベビーチーズは7mm角程度に刻んでおく
② ボールにホットケーキミックスと牛乳を入れてよく混ぜる
③ ①のベビーチーズ、ミックスベジタブルを加え、よく混ぜる
④ カップに7分目ほど注ぎ、電子レンジ(600W)で1分半ほど加熱する。竹串を刺して何もついてこなければできあがり

まとめ

タンパク質は初めて食べる場合にはアレルギーに注意が必要です。少量ずつ行うことで様子を見ていきましょう。タンパク質が摂れるようになると、食事のバリエーションも増えますね。段階が進むにつれて大人との取り分けがしやすくなったり一緒に食べられるメニューも増えていきます。赤ちゃんと一緒にいろんな種類のタンパク質を摂ることができるといいですね。

(文:宗政祥子 先生、監修:川口由美子 先生)

※画像はイメージです

  • 本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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