意外と気がつかない心のサイン。SNSをやめた方がいい時と実践的な断ち方
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「SNSがやめられない」とのお悩みに、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
SNSがやめられない
仕事を終えて帰宅するとすぐSNSをチェックし、気がついたら日付を超えているという毎日を送っています。特に何かを調べているわけでもなくダラダラ見ているのが楽しいというかやめられません……。最近さすがにヤバいかもと思うようになりました。どうすればSNSから離れられるのか教えてほしいです。(販売職/20代)
……分かります!
フォントを太字にしたい勢いで。
いやマジメな話、SNSとどう付き合うかは、現代人の生き方を考える上での最重要テーマのひとつだと思います。
なぜなら、もはやSNSは好きとか嫌いとかを越えて、「社会とつながる上で使わないわけにはいかないもの」になりつつあるから。そして、その使い方が心身の健康にまで影響を及ぼすからです。
単純に楽しくて見てしまう、ということなら、そこまで気にしなくていいと思います。子どもが漫画をずっと読んじゃう、すぐゲームやっちゃう、みたいなものなので。他にもっと楽しいものが見つかれば、おのずと利用時間は減るので。
問題は、楽しいわけではないけれどつい見てしまい、そこで見た内容が気付かぬうちにストレスにつながっている場合です。
自分に問いかけてみてください。最近、落ち込んだことがありましたか? その原因やきっかけはSNSではないですか?
「うわ! そうかも!」ということであれば、SNSとの付き合い方を意識した方がいいかもしれません。冷静に考えて、実際に自分に何か悪いことが起きたわけでも誰かに何か言われたわけでもないのに、SNSを見たせいでモヤモヤしたり孤独を感じたり劣等感にさいなまれたりするのって、実にナンセンスですよね。
もちろん、楽しいやりとりや有益な情報交換もできるし、出会いもあります。でも使い過ぎると、真っ当な感覚や道徳観念を持っている人ほど疲弊してしまう。それが現代のSNSです(ちなみに昔は使う人が限られていたため今ほど治安が悪くなく、ユーザーを長居させようとするネットの仕組みも発達していなかったのでもっと穏やかに楽しめました。と、古狸はつい懐古してしまうのですが)。
もし「そこまでSNSに疲れてるわけじゃないので……」ということなら、いい感じに使えているのだと思います。仕事を頑張ったあと家でSNSを観てリラックス&リフレッシュできて、翌日の仕事に支障をきたしていないなら、あまり気にしなくて大丈夫。
「言われてみれば、SNSがストレスになってるかも……」と思うのなら、デジタル・デトックス、つまりスマホから離れる時間を作ることをおすすめします。
例えば、仕事帰りに銭湯やサウナに寄る。疲れが取れるし、スマホに触らない時間を確実に作れます。映画館に行くのもいいですね。
家にまっすぐ帰りたい日は、気になっていた本やドラマ、映画を楽しむ。本は紙の本で、ドラマや映画はテレビ画面で。スマホだと、ついSNSを見てしまうと思うので。
休日は外に出かけましょう! ひとりでもいいですが、誰かと一緒なら、その間は自然とSNSを見なくなります(少なくとも頻度は減ります)。自然豊かな土地へ出かけるのもおすすめ。もちろんSNSチェックは厳禁です。
NHKの番組『欲望の時代の哲学』などでおなじみの、ドイツの哲学者マルクス・ガブリエルは、パンデミックの最中に全てのSNSアカウントを削除したそうです。やってみると何も支障がなかったそう。
とはいえ、さすがにそれはハードルが高いと思うので、まずは「スマホを使わない楽しい時間」を作ってみてください。
ちなみに私も毎週末、銭湯サウナに行っています。脱衣場でのスマホ使用禁止、ありがたや……! と思いながら(笑)。
Point.
・SNSを見ていて「楽しい」と思えるのであればそこまで気にする必要はない
・「SNSが原因で心が不安定になりがち」という場合は、離れる時間を作ろう
・銭湯やサウナ、映画館、紙の本を読む、テレビ画面でドラマを観るなどは実践しやす
・休みの日には、SNSは見ないと決めた上で、自然豊かな土地に足を運ぶのもおすすめ
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2024年10月01日に公開されたものです