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「取り急ぎ」の意味とは。目上の人に使っていいか、使い方と言い換えも紹介

にほんご倶楽部

「取り急ぎ」は「特に急いで」という意味の言葉。ビジネスシーンでよく使われますが、使い方によっては失礼に当たることもあります。本記事では「取り急ぎ」の意味や使い方と例文、言い換え表現を紹介します。上司に使っていいのかなど、使用時の注意点もまとめているのでぜひ参考にしてみてください。

「取り急ぎ」はビジネスシーンでよく使われるフレーズです。しかし実は詳しい使い方を知らないという人も多いでしょう。

この記事では、取り急ぎの意味や使い方、言い換え表現などを紹介していきます。

「取り急ぎ」の意味とは

まずは、「取り急ぎ」意味を辞書で確認してみましょう。

とり‐いそぎ【取(り)急ぎ】 の解説

《「取り急ぐ」の連用形。副詞的に用いて》「いそぎ」を強めていう語。手紙文に用いる。「—一筆申し上げます」

出典:(『デジタル大辞泉』小学館)

「急ぐ」はご存じのように、何かについて早くやろうとすること、目的を早く達成できるように行動することです。

「取り急ぎ」は急ぐことが強調されているので、他の事柄や礼儀を後回しにしてでも、まずは緊急性の高い事項についてのみ対応するといった状況が思い浮かぶでしょう。

ビジネスシーンにおいても、ある事柄を優先的に行う・伝えるといったニュアンスを持って使うケースが多いといえます。

「取り急ぎ」のビジネスシーンでの使い方【例文付き】

「取り急ぎ」は、ひとまず要件だけでも伝えたい時や、相手からの連絡を確認したことだけをいったん連絡する際などに使える便利なフレーズです。

使用シーンは、例えば緊急性の高い事案が発生した場面や、出先などですぐにはっきりと答えられない場合などが考えられますね。基本的には、後ほど改めて詳細を連絡し直すのが前提の表現です。

「取り急ぎ」の例文

「取り急ぎ」は、急いで要件を伝えたい時に使うからこそ、今は何を伝達したいのか、前後で明確に記すことが大切です。例文は次の通りです。

・取り急ぎ、結果のみご報告いたします

・取り急ぎ、請求書を送付いたします

・取り急ぎ、明日の会議が急きょ延期となったことをお知らせします。

・取り急ぎの返信で恐縮ですが……

「取り急ぎ」を使う時の注意点

「取り急ぎ」を使う時は、後からのフォローや連絡するタイミング、相手などに注意が必要です。特に意識したいポイントについて紹介します。

(1)後ほど改めて丁寧な連絡をする

「取り急ぎ」を使って簡単な要件を伝えた後は、後ほど改めて丁寧な連絡を入れましょう。例えば社内で一緒に案件を進めるメンバーに対して、まずは先方との商談の結果のみを伝えた場合、後で詳しい商談内容や、今後のアクションなどを伝える必要があります。

もし追加の連絡をしないと、相手をいつまでも待たせるだけでなく、信頼を損なう原因になってしまうかもしれません。要件の連絡をしたら、なるべく早めに改めて詳細を伝えるようにしましょう。

(2)時間がたってから返信する時には使わない

「取り急ぎ」を相手からのメールの返信に使う場合は、すぐに返す時にのみ使いましょう。

例えば相手の連絡から1日以上過ぎている場合などは、既に返信自体が遅くなっているため、使用しないように気を付けてください。その場合は、メールを2通に分けるのではなく、伝えたい内容を全て記載したメールを返信するようおすすめします。

(3)急いでいない時に使わない

本来ならば相手に丁寧な伝達が必要なところを省略して、やむを得ずまずは触りのみ伝えるのが「取り急ぎ」の連絡です。そのため、本当に急いでいる場面や、少しでも要点を早く伝えることで相手にメリットがある時以外は使わないように注意しましょう。

あまりに頻繁に使い過ぎると、詳細なやりとりが面倒なので「取り急ぎ」を免罪符にして逃げていると捉えられてしまうかもしれません。

(4)謝罪・お礼に用いたり目上の人に使ったりすると失礼だと思われる可能性も

相手に少しでも早く情報や自分の気持ちを伝えるのも大切ですが、お詫びやお礼を伝える際に「取り急ぎ」を使うと、「適当に済まそうとしている」「軽々しい」などと思われる可能性もあるので、深刻なシーンでは避けた方がいいかもしれません。

また「取り急ぎ」という言葉に対して、適当・雑・準備が足りていないといった印象を持っている人もいます。特に取引先や上司など、目上の人に対して使用するのは絶対NGとはいえないですが、相手やシーンには注意した方がいいでしょう。

どんなに忙しくてもきちんとしたメールを作成する、後ほど紹介する言い換え表現を使うなどを検討しましょう。

なお「取り急ぎ」を使う場合も、「取り急ぎご報告まで」のようにすると、末尾を省略していて雑だという印象を与える恐れがあります。「取り急ぎご報告のみで失礼します」のような形の方がベターでしょう。

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