「深謝」の2つの意味とは。使い方と例文、類語も紹介【ビジネス用語】
「深謝」には深い感謝・深い謝罪という2つの意味があります。本記事では「深謝」の詳しい意味や読み方の他、ビジネスシーンにおける具体的な使い方を例文つきで紹介。使用時の注意点や言い換え表現もまとめました。
「深謝」はビジネスシーンにおいてよく使われますが、複数の意味があり、使い方に注意が必要な言葉でもあります。
そんな「深謝」を正しく使うために、この記事では、意味や例文、使用時の注意点などを紹介していきます。
「深謝」の意味や読み方とは
「深謝」は「しんしゃ」と読みます。意味については、辞書には下記のように記されています。
しん‐しゃ【深謝】 の解説
1 心から感謝すること。「御厚情を—する」
2 心からわびること。「不手際を—いたします」出典:(『デジタル大辞泉』小学館)
このように「深謝」は、感謝、または謝罪する気持ちを表しています。元々「謝」という漢字自体が「お礼を言う」「あやまる」の両方の意味を持っており、そこに「底がふかい」「程度がはなはだしい」などを表す「深」がついた言葉です。
単なる「感謝」や「謝罪」よりも、さらに強い感情を伝えることができます。
「深謝」の使い方(例文つき)
「深謝」について、「感謝」と「謝罪」のどちらを伝えたいか別に、使い方を詳しく見ていきましょう。
(1)感謝する場合
大変お世話になった相手に、心からの感謝を伝えたい時に「深謝」を使うことができます。例えば、取引先から深く気遣ってもらったり、企業や団体からの支援・寄付のように大きく力添えしてもらったりした場面が当てはまるでしょう。
この場合、「深謝いたします」のように、敬語と組み合わせて使用するのが一般的です。よりへりくだった表現にしたい時には「深謝申し上げます」にすると、さらに丁寧な印象を与えられるでしょう。以下が例文です。
・この度はお気遣いいただき、深謝いたします。
・いつも多大なご支援を賜り、深謝申し上げます。
(2)謝罪する場合
謝罪の意味で「深謝」を使う時も、感謝を伝えたい場合と基本的な使い方は同じです。
例えば取引先に伝達ミスをしてしまった、不祥事を起こしてしまったなど、深くお詫びをしたい時に、敬語とセットにして使用します。以下が例文です。
・この度は私のミスによって多大なるご迷惑をお掛けしましたこと、深謝いたします。
・弊社の不手際により、当初の予定日までに商品をお届けすることができません。深謝申し上げます。
「深謝」を使う時の注意点
「深謝」を正しく使うためのルールとして、以下の点を覚えておくといいでしょう。
(1)「感謝」なのか「お詫び」なのかをはっきりする
「深謝」は感謝とお詫びの両方のシーンで使うため、前後の文章でどちらの意味なのかはっきりと分かるようにすることが大切です。
例えば「この度は深謝いたします」のように、言葉を受ける側が、感謝されているのか謝罪されているのかをすぐに判断できない形は、混乱を招いてしまう可能性があります。
(2)メールや文書などの文章に使う
「深謝」は話し言葉としてはあまり一般的ではないため、ビジネスメールやお礼状、文書など、文章に使用するのが基本です。品物を渡す際に、のしに記すこともあります。
(3)軽々しく多用しない
「深謝」は改まって、深く感謝したり謝罪したりする時のための言葉です。大したことではないのに使ったり、頻繁に述べたりすると違和感を与えるので、注意しましょう。
(4)「とても」や「大変」をつけ加えない
「深謝」には既に、「とても」や「大変」と同じようなニュアンスの「深く」という意味が込められています。
そのため「とても深謝しています」「大変深謝申し上げます」とすると違和感のある表現となってしまいます。