取材・文:mayan
撮影:渡会春加
編集:中納俊/マイナビウーマン編集部
すべての女性が自分らしく過ごすために、女性の健康や身体にまつわるサービスを展開するリーダーにインタビュー。女性としても、ビジネスパーソンとしても輝く彼女たちは、一体どんなことを考え、“女性のカラダ”と向き合っているのでしょうか?
誰のせいでもない、誰のせいにもできない、ふとした時に感じる女性特有のゆらぎ。それらを根本から解決するのは難しく、自分らしさを見失いかけることは、女性なら誰でも経験したことがあるでしょう。
そんな私たちのお守りになるのが「香り」です。
「不安は常にありましたよ」と笑顔で語るのは、エステー株式会社で新規事業として「ルナマイン(Luna Mine)」を立ち上げた、収納・ホームケア事業部、大久保 諒子さん。
香りでゆらぎをケアし、自分らしくいるための練り香水「ルナマイン アロマスティック」は、11/8に発売したばかりにも関わらず大きな注目を浴びています。「ルナマイン」立ち上げから発売に至るまでのお話、開発途中で見えてきた「女性たちの声」をお聞きしました。
「使命感で……」と照れたようにお話ししてくれた彼女だからこそできた、開発から発売まで駆け抜けた強さと、しなやかさが商品にも感じられました。
■新規事業開発室配属「新しいエステーの商品」への期待
ーー初めに、大久保さんのこれまでのご経歴を教えてください。
エステーには、中途で入社しました。今年で8年目。もともとは商品開発や設計など、ものづくりを中心に行なっていました。新規事業立ち上げのタイミングだったこともあり、お客様目線の商品を開発していくことになった中で、ルナマインが生まれました。
ーーエステーのウェルネス領域の商品第一弾とのことですが、かなり大変だったのではと思うのですが。
通常の商品開発では、開発、デザイン、マーケティングなどを部署ごとに担当しますが、新規事業ということで、通常のフローと異なり、発足当初はかなり広範囲の業務を担っていました。社内の多くの人にアドバイスや協力をいただきながらも、「これが、売れなかったら……」なんて不安は、常に付きまといました。
だから、発売後、反響をいただいてこうしてインタビューなどにも答えられて安堵しています(笑)。
ーー改めてルナマインについて教えてください。
女性ならではのゆらぎをエステーの強みである香りでケアする商品です。エステーのオリジナル原料や、いくつもの香りを試して現在は3種類の香りを販売しています。
ゆらぎで感じる「自分らしくない」を解決するアイテムとして、ふとした時に手軽に使えるものがほしい、という思いからできました。
ーーさまざまな「香りの形」がある中で練り香水になったのはなぜでしょうか?
実際にモニターさんへのインタビューなどで聞いた声から、決まったと言うのが大きいです。ロールオンや香水、ルームフレグランスなどさまざまな意見はもちろんありました。
だけど忙しい人ほど、休みたいのに休めない人ほど、持ち運びやすくてコンパクトなものがいいという意見が多かったんです。液体のタイプは華やかに香るけど、仕事や学校だと使いづらい、広がりすぎる。「自分にだけわかる香り」「自分だけが香る範囲」を求められている方が多かったんです。
特にウェルネス系のものは香りが偏りがち。精油は調香によって苦手、と感じる人も多いと知って「いつでもかぎやすい香り」を意識して作っています。普段から使いたいと言っていただけることが多いです。ちなみに、私のおすすめはミントゼラニウムです。
ーー自社の強み「香りで何かできないか」から生まれたかと思いますがルナマインを作る中で改めて感じたことはありますか?
実は私自身はそこまでゆらぎで、日常生活において困難を感じたことがある方ではなかったんです。もちろん、そういう人がいることは知っていましたが、改めて意識して周囲に聞いたりすると、悩んでいる人が実はたくさんいることがわかりました。
ゆらぎに限らず、育児・家事・体調や理不尽なこともある中で、なんでもない顔をして過ごすことを頑張っていたんだなって。
■「実は私も…」打ち明けられた「ゆらぎ」と「女性の悩み」は意外と身近に
ーーアンケートや、モニターさんへのインタビューなどお客様の声で意外だったことはありますか?
もともと、20代・30代のような若い人たちを意識していました。ゆらぎによって日常生活を送ることが嫌になってしまうことも多いかなと。でも、購入者などユーザーの中には40代・50代の方も多くいらっしゃって、悩んでいる友人にとか、中には「奥さんに買っていく」なんて方も……。
ーー奥さんにですか!?
とても意外でした。男性でもいい香りだなって思ってもらえたことは嬉しいのと、新たな発見でした。
ライフステージが変わるタイミングが多い女性だからこそ、使ってみたいと思ってくれた方が多いようで、自分の娘にも使いたい、寝る時に使っていますなんて方がいたり。想定していなかったお客様や使い方が多くて、幅広い方に使っていただける商品なんだなと再認識しました。
ーーパッケージやサイズ感も、可愛いさはありつつ男性が手に取っても違和感はなさそうですよね。
実はパッケージにもこだわりました。自分が買いやすいもの、であることももちろんですがバッグやポーチに入れても目立たないことを意識しました。より、特別感をなくすこと。
花柄にしたり、もう少し華やかなものでも……なんて相談はしていたんです。でも、ケア用品を使っているというのをあまり知られたくない方も多いため、派手に目立つものよりも、会社などでもさりげなく使用できるような日常になじむカラーやデザインを採用しました。
インタビューなどでも「無地に近いものがいい」「シンプルなものがいいけど、白はちょっと……」など意見が寄せられたので、今のくすんだ落ち着いた大人めのピンク色やロゴができていった感じです。
■シンプルなパケ・コンパクトなサイズ、いつどこでも「これがあるから大丈夫」のお守り。
ーー「ルナマイン」として、今後の展望などはありますか?
始めた時はひとりでやることも多かったのですが、今は各部署の人たちが協力してくれて……もっとさまざまなアイテムを展開していきたいなと考えています。
「香り」を通してできることって、もっとたくさんあるんじゃないかな、とも思っています。フェムケアアイテムは、知られつつありますがやはりハードルが高いと感じる人もいるので。香りなら、入り口として広いですし、触れやすく思ってもらえるんじゃないかなと。
また、ルナマインは、ゆらぎを軸にしていますが、いろんなライフステージに寄り添えていけたらいいなあと思っています。
「いつもの自分でいたいのにいられない」時って、ゆらぎだけじゃないと思うので。いつもの自分でいられるように、いつでもケアしていつもの自分に戻れる安心感のあるアイテムがルナマインであって欲しいですね。「これを持っていれば大丈夫!」な、お守りみたいな存在になって行けたらなと思います。
公式HP: