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「論理」と「理論」の違いをわかりやすく解説! 簡単に見分けるポイントや使い方も紹介

にほんご倶楽部

「論理」と「理論」の言葉の違いをご存じでしょうか? 他にも「理屈」「合理的」など、意味の区別が難しい単語が多く、混同してしまうことも多いでしょう。今回は、「論理」と「理論」の違いをわかりやすく解説します。

「論理」と「理論」。この言葉の区別がよくわからず、迷った経験ありませんか? 似ている単語として混同してしまいがちですが、それぞれ意味は異なります。

そこで今回は、「論理」と「理論」の違いを解説。最後まで読めば、ビジネスシーンなどでの使い分けにも役立つはずです。ぜひ参考にしてください。

「論理」と「理論」の違いとは

「論理」と「理論」は前後の漢字が入れ替わってできている熟語です。見間違えることもあるかもしれませんが、この2つの意味は異なり、使い分けも明確にできます。

まずは、どのような違いがあるのかを見ていきましょう。

「論理」の意味は「思考や考えの筋道」

「論理」を辞書で調べると、次のような意味があります。

ろんり【論理】

(1)考えや議論などを進めていく筋道。思考や論証の組み立て。思考の妥当性が保証される法則や形式。「—に飛躍がある」

(出典:『デジタル大辞泉』小学館)

よく「論理的に説明してください」と言いますが、これは「周囲が納得できるように筋道を立てて説明してください」という意味です。

「理論」の意味は「筋道が立てられた知識の体系」

一方、「理論」には次のような意味があります。

りろん【理論】

個々の現象を法則的、統一的に説明できるように筋道を立てて組み立てられた知識の体系。また、実践に対応する純粋な論理的知識。「—を組み立てる」「—どおりにはいかない」

(出典:『デジタル大辞泉』小学館)

すなわち、思考の筋道を意味する「論理」に対し、統一的に説明ができる知識をまとめたものを「理論」と位置付けることができるでしょう。

使い分けのポイントは「過程か完成品か」

「論理」と「理論」を簡単に見分けるには、「過程か完成品か」というポイントに注目してみてください。

「論理」とは思考や議論を進める上での筋道、つまり「過程」です。結論を出すまでの考え方になるので、必ずしも全てが正しい内容であるとは限りません。

そのため、思考の過程に対して周囲からの共感を得られない時は、「論理が飛躍している」という形で用いられることがあります。

一方、「理論」は知識をまとめたもので、「完成品」として捉えることができるでしょう。また、客観的に見た時に誰もが納得できるよう、数字やデータなど誰もが納得できる事実が必要になります。

「論理」の使い方【例文付き】

「論理」は、議論を進めていく過程や思考の組み立てを意味する時に用います。

その考え方がきちんと理にかなっていて、周囲の人々が納得できるようなものである場合は、「論理的」という形で使用されるでしょう。

例文は以下の通りです。

例文

「論理の飛躍はビジネスシーンにおいては厳禁です」

「彼に納得してもらうには、論理的に話す必要がある」

「論理をきちんと組み立ててから、部長に話をしよう」

「理論」の使い方【例文付き】

「理論」は、論理的に議論した内容や思考をまとめたものを意味する時に使用します。

「理論」を使用した例文は次の通りです。

例文

「マーケティング理論を学ぶ」

「あなたの理論は間違っていると思う」

「何事も理論通りにいくとは限らない」

「理屈」や「合理的」との違い

「論理」や「理論」には、意味が混同しやすい言葉として「理屈」や「合理的」があります。

それぞれ、どのような違いがあるのか、それぞれチェックしていきましょう。

「理屈」との違い

「理屈」とは、物事の筋道や道理を意味する言葉です。そのため、筋が通っているという点では「理論」や「論理」と同じですが、明らかに異なる点があります。

それは客観的な視点を持っているかの違いです。

「理論」「論理」は誰が見ても筋道が立っているのに対し、「理屈」は主観的な判断によるものも含む意味合いとなります。

よく「理屈っぽい」と表現されますが、それは自分の都合が良いように解釈することを意味し、言い換えれば自己満足に近い状態といえるでしょう。

「合理的」との違い

「論理的」と似た表現に「合理的」という言葉があります。

「合理的」には、無駄がない様子の他に道理にかなっているという意味があるため、「論理的」との使い分けに迷うこともあるでしょう。

そんな時は、この2つの相違点である何に重きを置くかというポイントに着目してみてください。

まず「合理的」は、目的に対して無駄なく進めるという意味合いがあるので、効率の良さを重視する言葉といえるでしょう。一方、「論理的」は、結論までの筋道をきちんと立てて考える過程に重きを置いています。

そのため、「論理的」を用いる場合は、周囲に思考の組み立てを説明できるかというところまでが重要になってくるのです。

意味が混同しやすい言葉ですが、適切な使い分けができるよう、両者の違いを理解しておきましょう。

「論理」の類語

ここからは、「論理」や「論理的」の類語を紹介します。

(1)「つじつま」

「つじつま」とは物事の道理を意味し、「つじつまが合う」という表現にすることで筋道が通っている状態であり、矛盾がないという意味合いになります。

(2)「筋が通る」

「筋が通る」とは、理にかなっていることや一貫していること。「論理的」という言葉の類似表現といえます。

「理論」の類語

次に、「理論」の類語を見ていきましょう。

(1)「原理」

「原理」とは基本法則を意味し、物事の根幹となる決まり事を指します。

「てこの原理」のように、人の力では変えられない元々備わっている法則に対して用いられることが多いです。

そのため、統一的に組み立てられた「理論」と意味が似ているでしょう。

(2)「定理」

「定理」とは、定義に基づいて証明された命題のこと

「ピタゴラスの定理」など、数学で用いられることが多く、広く正しいものとして認識されていることから、「理論」の類語といえるでしょう。

「論理」の過程を経て「理論」が成り立つ

「論理」とは筋道を組み立てることであり、「理論」とは組み立てた論理を統一的に説明できるようまとめたものです。

そのため、「論理」の過程を経て、その上に「理論」が成り立つと認識すると覚えやすいでしょう。

ビジネスシーンや日常生活などで使う際は、状況に応じて適切に使い分けてみてくださいね。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年11月17日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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