「お休みのところすみません」は敬語表現? 使い方や言い換え表現を解説【例文付き】
「お休みのところすみません」は、休んでいる時に連絡をして申し訳ないという謝罪や感謝の気持ちを表現できるビジネスフレーズです。今回は、この言葉の意味や正しい使い方を解説します。
「お休みのところすみません」は、休日や相手が休みである日に連絡をしてしまい、申し訳ないという気持ちを伝えるフレーズとしてビジネスシーンで使用されます。
使う相手によって表現を変えた方が良い言葉でもあるので、使用する際は注意が必要です。
そこで今回は、「お休みのところすみません」の意味や正しい使い方を解説。併せて使用時の注意点や言い換え表現も紹介します。「お休みのところすみません」の使い方に悩む人は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
「お休みのところすみません」の意味
「お休みのところすみません」は「お休み」「ところ」「すみません」から成る言葉です。まずは、それぞれどんな意味を持っているのか確認していきましょう。
おやすみ【御休み】
1.「休み」の美化語。「今日から一週間―です」
2.相手を敬って、その眠ることをいう語。「よく―になれましたか」
3.「御休みなさい」の略。(出典:『デジタル大辞泉』小学館)
すみません【済みません】
[連語]《動詞「す(済)む」の連用形+丁寧の助動詞「ます」の未然形+打消しの助動詞「ん」》
「すまない」の丁寧語。相手に謝罪・感謝・依頼などをするときに用いる。「連絡が遅れて―」「お見舞いをいただいて―でした」「―が本を貸してください」
(出典:『デジタル大辞泉』小学館)
ところ【所/処】
2.抽象的な場所。場面。範囲。多く、連体修飾語によって限定される場所や部分をいう。
㋓場面。局面。「今の―おとなしい」「今日の―は許してやろう」
㋔ちょうどその所。場合。際。おり。「さっき着いた―だ」(出典:『デジタル大辞泉』小学館)
つまり、ビジネス上で「お休みのところすみません」は、仕事をお休みしている人や休憩中で業務から離れている状態の人へ、何か対応してもらう際に謝罪や感謝の気持ちを込めて伝えるフレーズといえるでしょう。
「お休みのところすみません」は敬語? 上司や取引先の人に使っても大丈夫?
「お休み」が「休み」の美化語、「すみません」は「すまない」の丁寧語であるため、このフレーズは敬語にあたり、目上の人に使えます。
しかし、「すみません」はビジネスシーンでは少しカジュアルな言い回しですので、相手や状況によっては「申し訳ございません」「失礼いたします」など丁寧な伝え方をしましょう。
「お休みのところすみません」の使い方と例文
「お休みのところすみません」は、お休みの人に対して連絡や依頼をする際に、申し訳ないという謝罪の気持ちを伝える言葉です。
相手が休みとは分かっていても、どうしても連絡をしたりお願いをしたりと、緊急の事態が出てくることがあるでしょう。そういう時にこの一言を付けることで、相手にきちんと配慮しているということが伝わります。
また、基本的には謝罪のために使いますが、感謝の気持ちを伝えることも可能です。
以下で例文を紹介していきますので、使い方の参考にしてみてください。
謝罪を伝える場合
「お休みのところすみません」は、文末が「すみません」で終わるので、基本的に謝罪で使用する言葉です。
相手がお休みの日のメールや電話、またはわざわざ出社してくれたといった時に、相手への配慮が伝えられます。
「せっかくのお休みのところすみません」
「お休みのところすみません。取引先の○○様からご連絡があり、本日対応してほしいとのことです」
「お休みのところすみませんが、ご対応よろしくお願いいたします」
感謝を伝える場合
「お休みのところすみません」は「ありがとうございます」と併用することで、謝罪と共に感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
「お休みのところすみません。ご対応いただきありがとうございます」
「お休みのところすみません。○○さんのおかげで本当に助かりました。ありがとうございます」
「迅速にご確認いただきありがとうございます。お休みのところすみませんでした」
「お休みのところすみません」を使う時の注意点
次に、このフレーズを使う上での注意点を紹介します。
(1)状況によってはさらに丁寧にするのがベター
先ほどもお伝えした通り「お休みのところすみません」は丁寧表現であるものの、「すみません」が少しカジュアルな印象であり、「ごめんね」程度の軽い謝罪だと思われてしまう可能性があります。
そのため、メールで伝える場合や自分よりかなり立場が上の上司や取引先の相手に対してこのフレーズを使う時は、より丁寧な「お休みのところ申し訳ございません」という表現に置き換える方が無難でしょう。
(2)文字で伝える時は漢字表記に気を付ける
メールや文書で伝える場合、「お休みの所すみません」と、漢字表記で記載してしまうことがよくあります。「漢字にする方が丁寧なのでは」と考えてのことかと思いますが、これは間違い。
「お休みのところ」のように、位置や場所以外を指す場合には、平仮名表記をするのがベターです。
「お休みのところすみません」の言い換え表現
では、「お休みのところすみません」にはどんな類似表現があるのでしょうか。ここでは言い換え表現を紹介していきます。
TPOや感情の少しの違いによっても使い分けられると良いですね。
(1)「お休みのところ申し訳ありません」
「お休みのところ申し訳ありません」も謝罪に使用できる言葉です。この場合、「すみません」よりも丁寧で、「申し訳ございません」よりもカジュアルな表現になるので、相手を選ばずオールマイティに使えるフレーズ。
相手や状況によりどの程度の丁寧さを持つべきか悩んだら、こちらの言い回しで伝えてみると良いかもしれませんね。
(2)「休日のご連絡申し訳ございません」
「お休み」と同様の意味で「休日」と言い換えることもできます。カレンダー上では休日であるけど、相手が休んでいるかどうか分からないという時は、このような言い回しにすると良いでしょう。
また、「ところ」を「ご連絡」に言い換えることで、休日に連絡をしてしまって申し訳ないという気持ちを伝えることができます。
「お休みのところすみません」は休日の連絡をする時の配慮に使える言葉
仕事中に予期せぬことが起きるのはよくあること。心苦しくも相手が休みの時に対応をお願いしなければならない場合もあるでしょう。
そんな時に「すみません」とだけ謝るよりも、このフレーズを使うことで相手への配慮が伝わりやすくなります。「お休みのところすみません」をうまく使って、円滑に業務を進められるようマスターしておきましょう。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年09月27日に公開されたものです