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【vol.1】一致させるべき「発声」と「発想」

#人を「惹きつける」話し方

佐藤 政樹さんの著書『人を「惹きつける」話し方』(プレジデント社)をお届けします!

プレゼンや上司への報告、お客様への営業など、働く私たちには「話す」機会がたくさん訪れます。そんな時、「もっと上手く話せたら……」と感じる方も多いのではないでしょうか。

どんな職場にも一人は存在する「営業成績のいいあの人」や「上司や部下から信頼を置かれるあの人」は、「話し方」もすてきだなと思うこともしばしば。同じ研修を受けたはずなのに、商談が上手くいく人とそうでない人の違いが生まれてしまうのは、なぜなのでしょうか?

人見知りで口下手ゆえに23歳でフリーターになったどん底の状態から、27歳で入団した劇団四季で主役を射止め、退団後は「TEDx」40万回再生の人気研修講師になった佐藤政樹さんは、「人見知りでも、口下手でも、『人を惹きつける話し方』はできる」と言います。

今回は、佐藤さんの著書『人を「惹きつける」話し方』から、口下手でも人見知りでもあがり症でも、人から信頼され、理解され、人の心を動かし仕事で結果を出すことができる再現性の高い話し方の技術を一部ご紹介します。

一致させるべき「発声」と「発想」

心を動かす言葉のたった一つの本質

私たちはなぜ声を出すのでしょうか?

私たちが声を出すのは、自分の伝えたいことを表現するためです。つまり、言葉を発す
るからには、理由があります。

ここで「発声は発想」というフレーズを紹介します。私たちは声を使って自分の伝えたいことを表現します。発声をするからには発声をする理由があるというのが「発声は発想」であり、発声と発想が合致することにより言葉が生まれるという演劇の世界で使われる言葉の本質です。

たとえば、凍えるような空間に長時間待機して震えが止まらないときに、温かいコーヒーを差し入れてもらったとしましょう。一口飲んだ後の「あぁ……美味しい……」という「発声」が出てきたとしたら、その人の中には「身体が温まって安心した」、さらに、「人の優しさを感じて、心も温かくなった」という「発想」があります。

言葉が、自分の内側からあふれるように出てきます。

言葉を発する理由に納得していると、取り繕っていない真実の想いがあなたの中からあ
ふれ出ます。そのとき声に出した言葉が、人を惹きつけるのです。

実体験に即して、淡々と語る

「実感」を生み出すためには、この章の最初でお伝えした、「なぜ話すのか?」を掘り下げることが大切です。言葉を発する理由に立ち返り、その理由を掘り下げることで、自分が納得できている状態をつくることです。

そして、いよいよ言葉を発するときにも重要なことがあります。

それは、「実体験に即して話すこと」です。

実体験にはリアリティがあります。自分が見て、感じて、味わったときには、自然と発
声と発想が合致します。この実体験によるリアリティが、「実感」を生み出すのです。

逆に、自分が経験していないことを話しても、相手には伝わりません。

どこかから借り物の言葉を拾ってきたり、人の経験をあたかも自分ごとのように話した
りすると、「伝えたい」「上手く装わなければ」という気持ちが先走ってしまいます。真の実感が生まれていないときには、人の心を動かすことはできません。真実の言葉が生まれないのです。

たとえば、私が新入社員研修を担当するときのことです。ほとんどの受講生は話すこと
に苦手意識があるのか、発表の場面になるとメモを見ながらたどたどしく話します。しかし「伝えたいことに具体的な実体験をひもづけて話してみましょう」とアドバイスをすると、ほぼ全員がメモを見ないで自分の言葉で話しはじめます。さまざまな仲間のストーリーに、他の聞き手も共感しています。

一つ大事なこと。経験談はただただ「淡々と語る」のがポイントです。感情的に話すの
は“神経を高ぶらせて意図的に行う情動的なアプローチ”。それに対して、「実感」は意図的にするものではなく、“声を出す理由が腹落ちしているときに無意識に起こるもの”です。だから、わざわざ余計な装飾や脚色もつけずに“どうしても伝えたい”といった高揚した気持ちを捨てましょう。

「実感する」と「淡々と語る」を合わせて「実感して語る」としましょう。この「実感して語る」ことこそ、私が浅利慶太さんから習った、惹きつける話し方で人の心を動かす言葉の定義です。

あなたが話し方で人を惹きつけるために今すぐできることは、「実感できる嘘偽りない
実体験の素材を作り、自分の中にストックすること」です。

※本記事は『人を「惹きつける」話し方』佐藤 政樹(プレジデント社)より一部抜粋・編集しています

『人を「惹きつける」話し方』佐藤 政樹(プレジデント社)

「流れるように上手に話す必要はない」「かっこよく華麗に話す必要はない」。

「劇団四季」で主役を務め、飛び込み営業でトップクラスの成績を収め、「TEDx」で異例の40万回も再生され、延べ300社・3万人のビジネスパーソンに向けてメッセージを伝えてきた著者は、「人見知りでも、口下手でも、『人を惹きつける話し方』はできる」と言います。

話が伝わらない、聴いてもらえない、理解・納得してもらえない、自分の主張が通らないという方、必読の一冊です。

URL:https://presidentstore.jp/category/BOOKS/002492.html

※この記事は2023年07月03日に公開されたものです

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