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お悔やみメールの例文と送る時の注意点【上司・同僚・部下・取引先・友人】

松本繁美(マナーアドバイザー)

訃報連絡を受け取った時、お悔みの言葉はメールで伝えても大丈夫なのでしょうか? また、上司や取引先の方などにはどのようなメッセージを送るべきか悩む人もいるかもしれません。そこで今回は、お悔やみメールの例文と送る時の注意点について、マナーアドバイザーの松本繁美さんに教えてもらいました。

訃報連絡を受け取った時、できることなら直接お悔みの気持ちを伝えたいものですよね。

しかし、状況によっては難しい場合もあるでしょう。また、相手との関係性によっては、メールでの返信を選びたいと考える方も多いかもしれません。

また、哀悼の意を伝える「お悔やみメール」には、すぐに返信できることや、気持ちを伝えやすいなどの利点があります。

ただし、一度送ったら訂正できないという難点もあるため、訃報に関しては故人に対しても失礼にならないよう、送信する前に文章を確認することが大切です。

今回は、お悔やみメールの例文や送る際の注意点について紹介していきます。

お悔みの言葉はメールで送っても大丈夫?

弔意をメールで送るのはマナー違反ではありません。お悔やみの言葉をいち早く伝えようとするのは非常に大切なこと^です。

ただ、気を付けなければならないのが、中にはメールでお悔やみを受け取る方法をあまり良いものではないと考える人がいるということ。

では、どのような方法がベストかといえば、まずはメールで連絡をして、後日になってしまっても構わないので、相手に改めて口頭で伝えることです。

親しい間柄であってもメッセージだけで終わりにせず、直接気持ちを伝える姿勢を大切にしましょう。

お悔やみメールはマナー違反ではありませんが、正式なものだと思っていない人もいると心得ておいてください。

お悔みメールを送る相手の判断方法

上司や取引先、目上の方が、お悔やみの言葉をメールで伝えるのが正式なものだと思っているのか不明な場合、直接会う機会ができるまで待った方が良いのかなと悩んでしまいますよね。

しかしながら、すぐに伝えないことの方が失礼に当たる場合がほとんどなので、タイミングが合わない場合は、どなたにもまずはメールを送りましょう。

そして、改めてお会いした時にお悔やみの言葉を伝えるのがおすすめです。

しかし、ざっくばらんなお付き合いの友人、あるいは、仕事での関係性がまだ浅い人や、名刺交換したばかりのような相手であれば、メールのみで済ませても良いでしょう。

お悔やみメールを送る時の注意点

お悔やみメールを送る際に注意すべきポイントについて紹介します。

(1)忌み言葉に気をつける

メール文で特に注意したいのが忌み言葉です。

例えば、「度々」や「重ね重ね」といった繰り返し言葉は、不幸が連続することを連想させるためタブーとされています。

また、「4」や「9」といった数字も縁起が悪いといわれるので、文中には使わないのがベターです。

(2)宗派にも注意が必要

宗派にも気を付ける必要があります。

特に「ご冥福をお祈りします」という言葉は仏教用語なので、キリスト教や神道を信仰する相手には使わないようにしましょう。

とはいえ、相手の宗派を把握していない場合も多いかと思いますので、「お悔み申し上げます」や「ご愁傷様です」などの宗派を問わない言葉を使うのがおすすめです。

(3)時候のあいさつはいらない

お悔やみメールに時候のあいさつは必要ありません。訃報に関するやり取りでは、できるだけ簡潔にするのが礼儀です。

丁寧な連絡を意識するのは良いことですが、お悔やみの気持ちをシンプルに伝えることを心掛けましょう。

(4)返信不要の一言を入れる

関係の深い間柄の方への返信は、マナーさえ守れば自由に書いて差し支えありません。

ただし、遺族は悲しみに暮れながらの葬儀の準備で忙しい最中でもあります。相手の状況を考慮して、文末に「返信不要」という内容を付け加えておくと親切でしょう。

上司へのお悔やみメール例文

ここからは、相手別にお悔やみメールの例文を紹介していきます。

上司へ送る際には、件名に入れるお悔やみの一言に加えて、所属している課と氏名を添えておくと良いでしょう。

【件名】
お悔やみ申し上げます【〇〇課○○(名前)】

【本文】
ご母堂(ご尊父)様のご逝去を知り、心からお悔やみを申し上げます。

ご葬儀で大変なところメールをお送りして申し訳ありません。

社内は今のところ特に問題はございません。

ご心配をおかけしないように頑張っておりますので、どうぞ心ゆくまでお別れのお時間をお過ごしください。

何かお役に立てることがございましたら、いつでもご連絡ください。

略儀ではございますが、メールにて失礼いたします。

なお、返信は不要です。

同僚へのお悔やみメール例文

同僚に送る際は、思いやりの気持ちを素直に表現するのが良いでしょう。また、仕事に関する心配を払拭できるような言葉を掛けてあげるのもおすすめです。

【件名】
〇〇(名前)です。このたびはご愁傷様です。

【本文】
このたびはご愁傷様でした。

心からお悔やみを伝えたくて、迷いましたがメールしました。

忌引期間中は、◯◯部全員で仕事をカバーしていますので、会社のことは気にせず心ゆくまでご家族との時間を過ごしてください。

心身ともに大変な時だと思います。どうか無理をせず、ご自愛ください。

返信は不要です。

部下へのお悔やみメール

忌引で会社を休んでしまうことに対して責任を感じ、申し訳なく思う部下もいるかもしれません。

ですので、仕事については心配しないようにという意味合いの文言を添えると良いでしょう。

【件名】
〇〇(名前)です。お悔やみ申し上げます。

【本文】
○○様のご逝去を知り驚いています。まずはメールにてお悔やみ申し上げます。

悲しみに浸っていられないほど多忙だと思いますので、仕事のことは心配しないで我々に任せて休んでください。

なお、返信は不要です。

取引先の人へのお悔やみメール例文

取引先の方には、本来は弔電を送るのがマナーですが、やむを得ずメールで連絡をする場合もあるでしょう。

その際は、直接お伺いできないことの謝罪を述べつつ、お悔みの気持ちを伝えることを意識してみてください。

【件名】
お悔やみ申し上げます【株式会社○○(自身の会社名と名前)】

【本文】
株式会社○○○○
○○部 ○○ ○○(フルネーム) 様

このたびはご身内にご不幸がおありと伺い、大変驚いております。

本来であれば直接お目にかかり、お悔やみを申し上げたいとことではありますが、略儀ながらメールにて失礼いたします。

なお、ご返信は不要でございます。

友人・親戚へのお悔やみメール

「親しい中にも礼儀あり」とは、まさにこのような時のことを言うでしょう。

親しい間柄だからと普段のメールで使うような文章はふさわしくありません。改まった気持ちできちんとした文章にしましょう。

【件名】
〇〇(名前)よりお悔やみを申し上げます。

【本文】
突然の訃報を受け取りました。心からお悔やみ申し上げます。

悲しみの中、無理をしているのではと心配しております。

何かお役に立てることがあればご連絡ください。

なお、返信は不要です。

お悔やみメールをもらった場合の返信

お悔みメールをもらった場合は、基本的にメールで返信して構いません。

先方が負担をかけまいとしてメールを選んだ可能性もありますので、そういった相手の気持ちはくむべきです。

とはいえ、電話や直接会ってお礼を口頭で伝えるのが一番良い方法ではあるでしょう。

(1)友人や親戚

お悔みメールへの返信の場合も、基本的に時候のあいさつは必要ありません。

お礼と現在の状況について記載するのが一般的です。丁寧に心を込めた文章で返信しましょう。

【件名】
ご丁寧にありがとうございました。

【本文】
お忙しい中、メールをありがとうございました。

皆さまのおかげで無事葬儀を終えることができ、少し落ち着いてきたところです。

お気遣いいただき、心から感謝しております。

(2)上司・同僚・部下

件名には、お悔やみの言葉への返信であることが一目で分かる文章を選びましょう。また、
現在の状況を報告する内容も必要です。

【件名】
先日はお悔やみのメールをありがとうございました。

【本文】
先日はご連絡ありがとうございました。

おかげさまで葬儀を滞りなく済ませることができました。

職場には〇月〇日からの出社を予定しております。○○課の皆さまにもよろしくお伝えください。

改めまして、このたびは誠にありがとうございました。

(3)取引先

取引先の相手だからといって無理に難しい言葉を使ったり、格式ばった文章にしたりする必要はありませんが、忌引中に迷惑を掛けたというお詫びの内容を一言加えるのがおすすめです。

【件名】
ご丁寧にありがとうございました【株式会社○○(自身の会社名と名前)】

【本文】
このたびはお忙しい中、ご丁寧なお言葉を頂戴いたしまして、誠にありがとうございました。

無事葬儀を終え、一区切りついたところでございます。

休みをいただきました間は何かとご迷惑をお掛けいたしました。職場には〇月○日に復帰いたします。今後ともよろしくお願い申し上げます

取り急ぎ、メールにて失礼いたします。

お悔やみメールは相手との関係性や状況に応じて活用を

職場や取引先の人に対してはもちろんのこと、親戚、友達など親しい間柄であっても、メールで「お悔やみ」を述べるのはあくまで現代における略式スタイルに他なりません。

早々に気持ちを伝えるには最適ですが、葬儀は故人に取って最後のセレモニーですので、遺族には口頭で述べることが一番フォーマルだと心得ておきましょう。

メールは第一報と考え、時間がたってしまっても構わないので、直接「お悔やみ」を伝えるように心掛けてくださいね。

(松本繁美)

※画像はイメージです

※この記事は2023年06月16日に公開されたものです

松本繁美(マナーアドバイザー)

1994年に研修会社エル・ステーションLTD.を設立。マナーをはじめとして各種企業研修、講演会のプロデュースを手がける。専門学校の客員講師、雑誌や新聞のマナー記事の監修、TV番組のコメンテーターとしても活躍中。テーブルマナー、冠婚葬祭、ビジネスマナーなど、今どきのマナーのデザインで定評がある。

著書、監修 「ビジネスマナー講座」「冠婚葬祭暮らしのマナー大百科」(日本文芸社)、「大人のマナー基本はこれだけ」(講談社)、「贈るとお返しのマナー」「日常の食卓マナー」「はじめてのテーブルマナー」(主婦の友社)、「女性のためのマナーブック」(大泉書店)など多数

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