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「近日中」とはいつ? 意味や使い方・例文・言い換え表現

にほんご倶楽部

ビジネスフレーズとしてよく用いられる「近日中」という言葉。具体的に「近日中」とはいつのことなのか分からない人も多いのでは? 今回は「近日中」の意味や使い方、類語について例文を交えながら解説します。

「近日中」とは数日以内という意味であり、ビジネスでも定番のフレーズです。しかし、「近日中」は人によって捉え方が異なるため、使うときには注意が必要です。

この記事では「近日中」の正しい意味や、ビジネスフレーズとして使うときの注意点を紹介します。「近日中」と似た意味を持っている言い換え表現も説明しているため、ぜひ参考にしてください。

「近日中」の意味とは?

「近日中」は、近い日のうちに何かをするときに使う単語です。「近い日」とは、その人によって示す範囲が異なります。

きんじつ【近日】
将来のごく近い時。今から数日の間。近いうち。近々。
(三省堂『大辞林 第四版』)

上記の通り、辞書では「今から数日の間」と記されていることからも、基本的に「近日中」は、「数日以内」を示す言葉であるといえるでしょう。

「近日中」はビジネスフレーズとして使える?

「近日中」はビジネスフレーズとしてよく使う定番のフレーズです。

例えば、プロジェクトの進行について上司から尋ねられたときに「新しい企画書は近日中にお渡しできる予定です」と伝えることで、数日内に企画書が完成すると相手に理解してもらえます。

ただし、ビジネスでは具体的な日時を求められる機会が多いです。それゆえ「近日中」という表現は、曖昧で具体性に欠けるため、はっきりとした日時を教えてほしいと言われてしまう可能性もあります。

特に締め切りが迫っているものなど、あまり日取りにゆとりがない場合は具体性のある返答を心がけましょう。

「近日中」の使い方(例文付き)

「近日中」を使うときは、だいたい2~3日以内、または1週間以内を目安にしましょう。

ただし、「近日中」では曖昧な表現になってしまうため、相手にこちらが意図している日数が正しく伝わらない可能性もあります。

そのため「近日中」をビジネスシーンで使うときは、どうしても何日かかるか分からない、スケジュールが具体的になっていない状況の場合に留めましょう。

また、あえて日取りをはっきりさせずに「近日中」と表現することで、相手との会話に角を立てない使い方もできます。

例文

・ご依頼の納品物ですが、現在最終チェックの段階になっているため近日中に提出できるかと思います。

・会議の日取りについては近日中に決定しますので、確定次第ご連絡いたします。

近日中に発表予定だった新商品ですが、より良い商品をお客さまにお届けするために改良することとなりました。発表は4月を予定しています。

「近日中」をビジネスで使うときは、できる範囲で具体的な説明を取り入れることで、相手に安心してもらえます。

近日中という表現そのものが曖昧なため、相手を不安にさせないように、近々対応できそうな理由や、なぜ現時点では具体的な日取りが言えないのかを説明すると、より親切な表現になります。

「近日中」を使う時の注意点

「近日中」を使う上で、気をつけたいポイントをまとめました。曖昧な表現だからこそ、本来であれば具体性を求められるビジネスシーンでは、あまり使いたくないフレーズです。

しかし、状況によっては近日中を使わなければならないときもあり、相手にとって失礼に当たらないようにできるだけ丁寧な表現を心がけましょう。

(1)1カ月先など長期間の場合には使わない

「近日中」が何日以内なのか、その明確な定義はありません。そのため、使う人によってニュアンスが違い、受け取る側次第でもどれくらいの期間なのか変わります。

ただし、「近い日」という点は共通認識であるため、1カ月以上など長期間の時間がかかるときには「近日中」という言葉は使わないように気をつけましょう。

目安としては1週間以内で、それ以上の期間が空くときは「近日中」ではなく「来週以降」や、「2週間後」など、できるだけ具体的な日取りを伝えることをおすすめします。

(2)できるだけ顧客や取引先には使わない

お客さまや取引先など、外部の人に対して「近日中」を使うと相手を不安にさせてしまう可能性があります。

特にこちらが納品物を提出する場合や、相手が提示している納期に迫っているときなど、できるだけいつ受け取れるか相手が知りたい場面は注意が必要です。

つい「近日中」という表現にしてしまうと、本当に返答をもらえるのか納品してもらえるのかといった不安をあおる結果につながります。

できるだけお客さまや取引先には、具体的に日数の目安を伝えましょう。どうしてもいつ頃に対応できるか分からないときは、なぜ対応できないのか理由とともに「近日中」に対応する旨をいうことが大切です。

「近日中」の類語・言い換え表現

ここでは「近日中」に代わる類語や言い換え表現を紹介します。

「一両日中に」

「一両日中」とは1~2日以内のことを意味する言葉です。「近日中」はだいたい2~3日以内、または1週間以内を目安にしていますが、「一両日中」はそれよりも早く対応する姿勢を示せます。

翌日には回答できるけれど、本日中は対応できないといった場面で使うようにしましょう。反対に明後日を過ぎてしまうようなときは、近日中に切り替えた方が相手との認識の違いを防げます。

「近々」

「近々」は「近いうちに」という意味であり「近日中」と比較して、やや広い範囲の日取りを意味しています。「近々に発表できるかと思います」と相手に伝えることで、1カ月ほどなど、もうすぐ対応できるといったニュアンスになります。

ただし、「近日中」と同じく「近々」も具体性がない表現です。相手にとっては1週間程度の感覚で、こちらは1カ月以内というすれ違いが起きてしまうことも。

「近々」というフレーズを使うときはできるだけ何週間後、何カ月後など、分かる範囲で予定を伝えておくと相手に安心してもらえるでしょう。

「可及的速やかに」

「可及的」とは「なるべく」「できる限り」という意味を持った言葉です。「可及的速やかに」は、出来る限り早く対応するとの意味があり、「近日中」と同じく数日内には速やかに対応できるという意思を伝えられます。

いろいろ案件がある中で、できるだけ優先して対応するとの気持ちも伝えられるため、相手から急いでほしいとの指示があったときに使えます。

「近日中」だと数日間待たせてしまうという言葉に取られてしまうため、対応できそうなら即日でもすぐに返答しようと考えているときは「可及的速やかに」を使っていきましょう。

「近日中」は数日以内に対応できるときに使うフレーズ

「近日中」というフレーズは、相手に連絡してから数日以内を目安に対応できるときに使うフレーズです。場合によっては数週間などの長期間を意味するときもあり、受け取る相手や使う人によって期間が変わることが特徴です。

そのため具体性を求められるビジネスシーンでは、「近日中」を使うと相手を不安にさせてしまう可能性があります。できるだけ「近日中」は控えて、何日以内など具体的な日程を伝えるように心がけていきましょう。

(にほんご倶楽部)

※画像はイメージです

※この記事は2023年06月06日に公開されたものです

にほんご倶楽部 (敬語・ビジネス用語専門編集プロダクション)

いつも使っているけれど間違った認識も多い「敬語」や「ビジネス用語」。人にはなかなか聞けない常識から応用編まで、日本語に関する情報を発信。

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