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とにかく家が好き! 杉咲花が語る「休日の過ごし方」

【特集】とっておきの、冬ごもり。

渡邊玲子

こたつに入って、みかんを頬張って、推しのドラマを観る。冬のおうち時間って、ほんと最高ですよね。もちろん、それだけでも至福のひとときですが、せっかくだったら愛しの冬ごもりをアップデートしてみませんか? 最新の巣ごもりグッズからおうちステイを有意義にしてくれるサービスや時間の使い方まで、編集部が"冬ごもり"のトレンドを徹底リサーチ。今回は、俳優の杉咲花さんにインタビュー。おうちが大好きと話す彼女の休日の過ごし方を伺いました。

取材・文:渡邊玲子
撮影:大嶋千尋
編集:鈴木麻葉/マイナビウーマン編集部
ヘアメイク:小澤麻衣(mod’s hair)
スタイリング:田中美和子
衣裳協力:ジャケット¥44,000、パンツ¥25,000(共にCONTEMPO/YAECA HOME STORE TEL 03-6277-1371)、サンダル¥52,800(FOOTWORKS TEL 03-6434-1098)、Tシャツ、ソックス/私物

冷たく澄んだ空気がささる2月。外に出るのが億劫になるほどの寒さに、自然と家で過ごす時間が増えていく。のんびり過ごすのもいいけど、せっかくならおうち時間を満喫したいもの。

ドラマや映画の撮影で多忙な毎日を送る俳優の杉咲花さんは、「とにかく家が好き」と語る。そんな“おうち好き”の杉咲さんは、撮影の合間に訪れた休日、通称“撮休”をどんな風に過ごすのだろう……?

知られざる俳優のオフの日の姿を豪華監督と脚本家がタッグを組み、思い思いに妄想を膨らませて描くWOWOWの人気オムニバスドラマ“撮休シリーズ”の第4弾『杉咲花の撮休』のお話と共に、杉咲さんのおうちの過ごし方をのぞいてみた。

「終わってほしくない」と思うほど多幸感にあふれた時間

――これまでにも、有村架純さん、竹内涼真さん、神木隆之介さんで「撮休シリーズ」が製作されてきましたが、最新作にご自身が出演されると聞いたときは、どんな心境でしたか?

これだけたくさんの製作陣の方々とご一緒できる機会はなかなかないですし、以前からとても贅沢な企画だなと羨ましく拝見していたので、出演が決まった時はうれしかったです。

――実際の撮影はどんな雰囲気だったのでしょうか?

撮影中は、楽しくて仕方がなくて……。以前からご一緒したかった製作陣の皆さまと撮影ができた日々は本当に幸せな時間でした。

――それぞれの監督とご一緒してみてどうでしたか?

松居(大悟)組では、シニカルな滑稽さと憎めなさから、くすっと笑えてくるようなシーンが多く、その中に立つ緊張感と若干の怖さを味わいつつも、とてもハートフルな現場でした。初日の撮影が終わりに「楽しかったです」とお伝えしたら、松居監督が「明日はもっと楽しく」と言ってくださったことが印象に残っていて。心を込めて現場を見つめる監督の眼差しに、演じながら胸がとても熱くなりました。

今泉(力哉)組では、初日から12ページを超える長いシーンの撮影があったこともあり、最初は緊張していたのですが、今泉監督の囁くような声に耳を傾けているうちに、体から力が抜けて、そこで起こることをただただ体現できるような感覚になっていったんです。やさしい空間にいられる心地の良さと、その温度感のままあくまで冷静な意見をくださる厳しさに、心から信頼をして現場に立つことができました。

三宅(唱)監督は、セッティング中などに私たちの近くへ来て他愛もない話をしていたのに、気づけば姿が消えていて、穏やかに本番が始まるんです。誰よりも撮影を楽しんでいるような姿がとても印象的で、それによって現場の士気がぐんと高まっていくような感覚があり。日常から物語という非日常へ線を引かずに無理なく連れて行ってくださる、そんな撮影の時間が新鮮でエキサイティングな体験でした。

「撮休」シリーズに携わらせていただいた日々は多幸感にあふれていて、終わって欲しくないくらい充実していました。

――ドラマとはいえ、本人役を演じるとなると、役作りの方法も普段とは違うものですか? 

普段、役を演じる時と大きく異なることはありませんでした。「自身の生活と照らし合わせて演じる」というよりは、それぞれの回で抱いた役柄への印象や現場でのやり取りから、自然と演じ方が変わっていくような感覚でした。

もし自分と比較しながら演じた場合、「自分はこうありたい」というような、理想の自分像を目指してしまう可能性を感じたこともあったので、他者として演じることを心掛けていました。

――そうだったんですね。3人の監督たちがそれぞれの世界観で作り上げた「撮休の日の杉咲花」役を演じられて、改めてご自身について発見したことはありましたか?

演じていて、どれも自分のような気がするし、自分ではないような気もする、という不思議な気持ちに包まれる瞬間がありました。

私は、人って生活の中で無意識に演じている瞬間があると思っていて。会う相手やその時の空気感、気分によって声のトーンやテンションが自然と変わることがあると思うのですが、今回お芝居をしていて、やはり意識をしていなくても自分自身のそういった局面に出会う場面があったんです。

本人としては素直に目の前の出来事に反応しているだけだけれど、それを第三者が外から見たとき、まるで自分の知らないその人の顔を見てしまったような感覚になるというか。

その“第三者”を、この作品を通してもう一人の自分が体現したような気持ちになって、面白いなぁと思ったんです。自分の知っているその人の姿は、もしかしたらたった一部の側面であるという人の多面的さ、複雑さに触れられる作品でもあるように感じて、よりこのシリーズが大好きになりました。

とにかく家が好き! 杉咲花のおうち時間の過ごし方

――ドラマには、おうちでゴロゴロしたり、近所を散歩したり、さまざまな休日の過ごし方が登場します。杉咲さんご自身は、おうち時間をどんな風に過ごされることが多いですか? 

家が大好きなので、家の中で1日過ごすことが多いです。ご飯を作ったり、本を読んだり、映画を観たり。

このドラマの中でインタビューを受けるシーンがあるのですが、今と同じようなことをしゃべっているのを思い出して、なんだか恥ずかしくなってきました……(笑)。

――そうなのですね。インドア派なのでしょうか?

そうですね! 家の中でやりたいことが尽きなくて。実は以前からハンモックが欲しくてネットでいろいろ調べていたのですが、実際のサイズ感が分からなくて諦めていたんです。でもある日、買い物の途中に気になっていたハンモックを店頭で見つけて。試しに座ってみたら、座り心地が抜群で、ついに購入してしまいました(笑)。

――ハンモックを……! 実際にお部屋に置いてみていかがでした?

最高です(笑)。今となってはなくてはならない存在になってしまいました。ハンモックの上で過ごしているときが一番リラックスできます。

それから、お香を炊いたり音楽を聴くことも好きなので、そういったもので満たしながら休日を過ごす時間がたまらないです。

――リラックスしたい時、どんな音楽を聴くのですか?

音楽はロックやヒップホップが特に好きなのですが、リラックスしたい時はピアノの曲を聴くことが多いです。haruka nakamuraさんや高木正勝さんの曲をかけながら、好きなお香を焚いて、ハンモックでユラユラして、読みたかった本を読んで……気づくとそのままうたた寝してる。これ、すごいチル時間です(笑)。

――すてきなおうち時間の過ごし方ですね(笑)。台本を読んだり、セリフを覚えたり……と、おうちでお仕事をされることもあると思いますが、杉咲さん流のオン・オフの切り替え方は? 

部屋を片づけることが切り替えになっているような気がします。私の場合は、集中力が落ちてしまうときって、部屋が散らかっていることが多くて。まず片づけることで、頭の中が少しずつ整理されていく感覚があります。机の上に何も載っていない状態が好きなので、休みたい時は台本なども目に入らない場所にしまうようにしています。

――他にも、お気に入りのグッズがあれば、ぜひ教えてください!

大きなクマのぬいぐるみです(笑)。少し前に、木村拓哉さんの番組のゲストに呼んでいただいたのですが、木村さんとコストコへクリスマスプレゼントを探しに行くという企画で、私にもプレゼントを買ってくださったんです!

実は、以前からそのぬいぐるみのことが少し気になっていて、実際にお店で見たら猛烈に欲しくなり、おねだりしてしまいました(笑)。

寄りかかると、どんな体勢でもクマがフィットしてくれるので、とてもいいです。ベッドの上に乗せると私より幅を取っているのですが(笑)。

次の撮休は「塩豚を使った料理に挑戦したい」

――想像しただけでかわいいです(笑)。最近では、お料理や器集めにもハマっていらっしゃるとか。

そうなんです。もともと作りたいものがあるときは、割と時間がかかるような凝った料理でも作る方ではあったのですが、自粛期間中に家にいる時間が増えて自炊する時間も比例していったことで、より料理をする楽しさに気づいて。

レシピ本が好きで集めているのですが、先日、高山なおみさんの本によく登場する「塩豚」に挑戦してみたんです。豚の塊肉に塩を揉み込み冷蔵庫で数日寝かせるというレシピなのですが、旨みが凝縮されて、とてもおいしくできました!

――忙しいときも、できるだけ自炊を心がけていますか?

そうですね。特に朝はしっかり食べたいタイプなので、仕事で朝が早くても、なるべく作るようにしています。

――次の杉咲花の“本当の撮休”は、何をしたいですか?

冷蔵庫の中に塩豚がまだ残っているので、それを使って何かを作りたいです。

子どもの頃から大のインドア派で「家が大好き!」という杉咲さんが教えてくれた、究極のチル時間。お気に入りのものに囲まれた居心地の良い空間で、大きなクマのぬいぐるみに寄りかかってうたた寝する杉咲さんの姿を想像しただけで、頬がユルんでしまいそうになる。

それぞれの監督や脚本家が描き出す6つの物語が楽しみになったと同時に、残りの塩豚でどんな料理を作ったのか――? 杉咲さんの“リアル撮休”の続きも、もっと知りたくなった。

連続ドラマW-30『杉咲花の撮休』

多忙な毎日を送る俳優・杉咲花に突然、休みが訪れたら……?

気鋭のクリエイターたちが妄想を膨らませ描いた「架空の杉咲花の撮休」を、杉咲花本人が演じる異色のドラマ。今を輝く名女優のオフの姿が描かれたオムニバスドラマに目が離せません。

2月10日(金)午後11時30分放送・配信スタート[全6話]
放送:毎週金曜 午後11時30分 [第1話無料放送]【WOWOWプライム】
配信:各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信 [無料トライアル実施中] 【WOWOWオンデマンド】

※この記事は2023年02月10日に公開されたものです

渡邊玲子

インタビュアー/ライター。映画配給会社、新聞社、WEB編集部勤務を経て、フリーランスの編集・ライターとして活動中。俳優や監督、芸人、ミュージシャンなど、第一線で活躍する著名人のインタビュー記事を多数執筆しているほか、エンタメ関連のレビューや旅・食関連のコラムなども手掛けている。
Twitter:@ocier_w

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