後輩が頼りない……。職場の教育がうまくいかない“本当の理由”
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「後輩がなかなか育たない」とのお悩みについて、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
後輩がなかなか育たない……
私はこの先のステップアップを考えて、そろそろ後輩に業務を引き継ぎたいと思っているのですが、直属の後輩がなかなか育ってくれません。今の私にできることは何がありますか。(30代/専門職)
あなたにできること、もちろんあります!
その前に、大前提として、“後輩の育成”と“自分のステップアップ”は切り離して考えた方がいいかもしれません。
もちろん両者は絡み合っています。ただ、自分のステップアップのためにも、と意識してしまうと、育成に焦りが出てきたり、それが後輩に伝わってしまったりと、あまり良くない影響を及ぼしかねないからです。
というわけで、まずはあなたの後輩が育ってくれない理由について考えていきましょう。一言でいうと、“手応えを感じていないから”だと思います。
なぜ手応えを感じていないかというと、自分の頭で考え、自分で動き、その結果、周りからの反響や結果を得る、という経験を、まだしたことがないから。つまり、“成功体験”がないからだと思います。
あなた自身を振り返ってみてください。仕事で「成長したな」「前よりも面白く感じられるようになったな」「やる気が出てきたな」と思った時は、何かしらで手応えを感じ、うまくいった、やりきった、という充実感を得た時ではありませんでしたか?
その感覚を後輩に味わってもらうために、あなたができること。それは、後輩に裁量を与えて仕事を任せることです。ほんの小さなことでもいいので。
「え、ちょっと心配……」と思いますよね。でも、それをしないと後輩は育ちません。信頼して任せる、というのも先輩の大切な役目。
その際に大事なのは、百点満点を求めないことです。まずは70点から80点くらいの出来であればいいや、くらいに考えましょう。最初から完璧を求めてしまうと、あなたが疲れてしまうし、後輩もどんどん自信を失ってしまいます。
また、後輩の仕事ぶりで良いところを見つけたら、逐一褒めましょう!そして、やりきった時には、一緒に喜びましょう!(自然に喜んでしまうと思いますが・笑)
その時、後輩の中で仕事への自信と意欲が芽生えるはずです。さらに、あなたに対して「支えてくれてありがとう」と感謝の念も抱きます(中には自分だけの力だと勘違いする後輩もいるかもしれませんが、ちゃんと気づく可能性の方が高いです)。
後輩の気持ちは周りにも伝播しますし、後輩の成長は周りの人たちにとっても嬉しく、助かることなので、結果的にあなたの評価も上がります。
だから、「自分のステップアップのために何かしなくちゃ……」ということは考えなくても大丈夫。誠意を持って、少しずつ、後輩を育てていけば、結果的にステップアップします。焦らず頑張ってくださいね!
Point.
・後輩が成長しないのは、仕事での手応え=成功体験がないから
・小さな仕事でもいいので、裁量を与えて後輩に仕事を任せよう
・やり切った時、後輩には自信と意欲が芽生えるはず
・後輩の成長は、結果的にあなたへの評価やステップアップにもつながる
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2022年04月19日に公開されたものです