まだできる。定年退職が近い人の「やる気を上げる方法」
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「定年が近づく世代のやる気を上げたい」とのお悩みについて、ライターのぱぴこさんがアドバイス。
定年が近づく世代のやる気を上げたい
定年が近づく世代の方たちがどんどん仕事に対するモチベーションが下がっているように感じます。最後まで今までのように一緒に働きたいと思っているので悲しいです。
そんな方たちのやる気を上げる方法を教えてください。
(30代/事務系専門職)
自分がいた会社に「定年退職」という安定性がなく、身近な定年経験者である父親も「定年に向けてゆっくり」タイプでなかったため、サンプルがまったくありません!
お仕事で「日系大企業のお客様」とご一緒した際には、「僕もあと〇年だからね」「定年までは頑張らなきゃね」と頻繁に「定年」の言葉が飛び交うため、初めての経験に驚きました。
ただ、私が接していた方々はプロジェクトで関わることもあり、みなさん「定年」という桃源郷に思いを馳せているだけで、大変お忙しそうではありましたが……。
が、ある場所にはよくある話のようです。定年による社内シニア層のモチベーションの低下問題。最後まで頑張ってほしいと思うのが、若者的な思いですが、さまざまな思いが巡るのでしょう。
モチベーションを上げるには「必要とされている」感
シニア社員も「仕事に意欲を持ちたい」「頑張りたい」と心の底では思っていても、若年層とのジェネレーションギャップに悩んだり、「今更出しゃばって煙たがられたくない」と思ったり、複雑な悩みを持っていると思います。
相談者さんが記載してくれた「最後まで今までのように一緒に働きたいと思っているので悲しい」という言葉をぶつけるだけでも気力&モチベーションUPにつながりそうですが、重要なのは「一体感」「自信回復」「期待」です。
「どうせもうすぐ終了だし」という後ろ向きな気持ちを前に向かせるのは、「あなたに期待していますよ」「あなたを必要としていますよ」という会社や周囲のメンバーからの「期待」です。
人は老いも若いも「期待されて」「役割があり」「成果を出し」「賞賛される」というサイクルが重要なので、モチベーション低下が見られるシニア社員の皆さんを、いかにこのモチベーション上昇サイクルに乗せられるかを考えるのがよいのではないでしょうか。
アドバイザリー/相談役 という便利な役割
人は「名前を定義されると認識できる」という特徴があります。
要は同じ仕事でも「ちょっと経験を生かして若手に対してナレッジトランスファーしてください」と言われるのと、「相談役として活躍してください。内容は〇〇さんの今までの経験を若手に伝えてもらうことです」と言われるのとでは実際の中身は同じなのに、印象が違います。
前者は「結局何をする人なのだ?」と疑問がありますが、「相談役として」という役割がつくだけでも「それが仕事であること」がぐっと具体的になります。
「必要とされている」という自己肯定感の向上は、仕事場における「明確な役割がある」ということとイコールでもあります。今モチベーション低下がみられる方々の役職や職位は分かりませんが、シニア社員だからこその活躍や期待を明確にし、きちんと伝えていくことでモチベーション向上につながる可能性は高いです。頑張ってください。
Point.
・期待>役割>成果>賞賛のPDCAサイクルを回すことを意識する
・期待する役割を明確にし、できれば「役割の名前」をつける
(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2022年03月29日に公開されたものです