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PMSと片頭痛をそのままにしないで。働く女性が輝くために必要なこと

#ヘルシーニュース

マイナビウーマン編集部

3月1日から8日は「女性の健康週間」です。大塚製薬では毎年、この期間に先立ち、報道関係者を対象に、女性の健康分野の疾患・健康啓発を目的とした最新トピックスを伝えるプレスセミナーを開催しています。2022年のテーマは「月経前症候群(PMS)と片頭痛」。マイナビウーマン編集部も今回のセミナーに参加し、働く女性のパフォーマンスにかかわるこのふたつについて考えてみました。

PMSや更年期への対策は女性が活躍できる社会の実現に必要不可欠

最初に、大塚製薬・女性の健康推進プロジェクトリーダーの西山さんから「働く女性の健康意識」についてのお話がありました。

PMSや更年期症状の自覚がある人の割合はどちらも5割ほど。多くの人が悩んでいる一方で、「誰にも相談できない」「会社に迷惑をかけたくない」と思っているというアンケート結果もありました。

さらに、管理職への昇進の機会があっても、PMSや更年期が辞退の理由になることも。昇進だけではなく、退職の理由になることすらあります。

つまり、PMSや更年期は女性が活躍できる社会の実現に向けて、企業ごととして対策を投じることが重要なのです。

ヘルスリテラシーの向上は仕事のパフォーマンスやQOLの向上にもつながる

続いて、産婦人科医の尾西先生から「女性のヘルスケアとPMS」についての講演がありました。

そもそも、月経前症候群(PMS)とは、「月経の3~10日前から始まり、月経が来ると2~3日で治まる」のが特徴の諸症状のこと。大塚製薬・西山さんのお話にもあったように、昇進や退職に関わることがあるだけではなく、いつものパフォーマンスの半分以下になる人が45%という調査結果も。月経随伴症状による社会経済的損失は6828億円にも上るそうです。

一方で、ヘルスリテラシーが高い人は低い人に比べて仕事のパフォーマンスが高いとも言われています。また、ヘルスリテラシーが高い人の方が、望んだ時期に妊娠できているという調査も。ヘルスリテラシーを高めることで、日々のつらさや不調の改善や人生計画の実現がかない、QOLの向上や自己実現にもつながるのです。

しかし、PMSの認知度はまだまだ高いとは言えません。PMS症状を有し、何らかの対処行動がある人、または今後対処意向がある人のうち、その症状がPMSと自覚していた人は約30%。また、PMSの内容まで知っていても、自分の症状がPMSと自覚していた人は半数程度で、ほとんどがPMSの症状であるという理解ができていないというのが現状です。

婦人科は女性のライフプランニングパートナー。まずは相談を

近年、フェムテックが盛んになっていることでPMSも少しずつ注目されるようになってきました。まずは自分の体調の変化を記録し、認識することでヘルスケアに対する意識を高めることが大切です。その上でセルフチェックやアプリなどのセルフフェムテックは役に立ってくれますよ。

また、セルフケアで改善を図るだけではなく、気軽に婦人科へ相談をすることも重要。PMSを治療できることをよく知っている人は13%しかいないのだとか。病院ではPMSかどうかを診断した上で、生活指導とともに最適な治療法を相談できます。

月経は毎月のこと。知っていれば、病院に行って違う人生になっていたかも……と後悔する前に、つらいことが当たり前と思わず病院に行ってみましょう。自分の持っている特徴や病気を知ることでライフプランニングが可能になります。婦人科は女性のライフプランニングパートナーなのです。

「たかが頭痛」でQOLが低下することも

次に、頭痛外来の五十嵐先生から「女性と片頭痛」についての講演が行われました。

多くの人が悩む頭痛。頭痛には「一時性頭痛(頭痛持ちの頭痛)」と「二次性頭痛(病気の一症状としての頭痛)」があります。一時性頭痛の片頭痛と緊張型頭痛の有病者は併せて世界で30億人と言われているそう。

中でも15~49歳の女性に多く、日本人の約4割は頭痛持ちなんだとか。頭痛の度に寝込んでしまうなど、頭痛が日常生活に支障をきたしている人は74%という調査結果もありますが、その一方で頭痛でも仕事や学校を休まない人が7割近く、受診歴が無い人も7割いるそうです。

一時性頭痛の中でも片頭痛は女性に多いと言われていますが、これにはホルモンと遺伝子が関係している可能性があります。五十嵐先生が2009年に行った調査によると20代~40代女性の27%が月経時に頭痛を感じているそうですが、それがどういう頭痛か調べると、65%が片頭痛の可能性ありだったそう。片頭痛を生理痛の一種だと思っている人が78%で、「生理痛だから仕方ない」と、諦めて受診しない人が多いようです。

月経に関連した片頭痛はエストロゲンの変化が原因にもなっており、「長い」「強い」「薬が効きにくい」などの特徴も。性成熟期の女性に多く、重度の頭痛が起こる度に頭痛薬を使っていると薬物乱用頭痛になってしまうこともあるんだとか。頭痛はQOLの低下にもつながっているのです。

セルフチェックと専門医への相談で、女性が輝ける社会に

健康な生活を実現させるためにも、まずは自分自身で頭痛を知ることが大切です。例えば、片頭痛は頭痛の予兆を感じる人が多い病気。どんな状況で頭痛が起こるか記録をつけることで、頭痛を減らすこともできます。

普段から頭痛薬を使用している人は、薬物乱用頭痛を防ぐためにも頭痛外来の受診がおすすめです。「一週間に2日以上、鎮痛剤を飲んでいる」「今まで使っていた薬が効かなくなった」「頭痛が長引く」「頭痛で困っている」といった項目に当てはまる人は早めに受診しましょう。

頭痛外来を受診する人はまだまだ少ない状況がありますが、多くの頭痛はコントロールできる上に、片頭痛には新しい治療法があります。まずは自分の頭痛のタイプを知り、自分にあった薬を適切なタイミングで使用すること。そして頭痛の専門医に気軽に相談することで頭痛に悩む日々を少しでも改善できるかもしれません。

PMSと頭痛はどちらも“女性が輝く社会”を実現するために多くの人・企業が関心を高め、対処することが求められている病気です。女性の健康週間に、まずはセルフチェックから始めてみてはいかがでしょうか。

(取材・文:照井絵梨奈/マイナビウーマン編集部)

※この記事は2022年02月28日に公開されたものです

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