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ひとりじゃダメなの? 『グレムリン』から見るそれぞれのクリスマス

#金曜夜の映画トリップ

トモマツユキ

映画のなかにはいろいろな人生が存在し、自分では経験することができない世界がたくさんあります。そんなめくるめく映画の世界を、映画好きイラストレーターのトモマツユキさんが紹介。金曜夜は、映画の世界にトリップして、非日常を体験してみてはいかがでしょうか?

こんばんは、イラストレーターのトモマツユキです。今日は12月24日、クリスマス・イブです。街中がイルミネーションで輝き、どこを歩いても華やかですよね!

クリスマスだから浮かれたい! と思っていても、仕事で帰りが遅かったり、ひとりきりだったり……と、誰もが恋人や家族、友達と楽しく過ごすわけじゃありませんよね。とはいえ、クリスマスムード一色なので意識しないのも難しい今日……。

そんな時はやっぱりお家で映画を観るのが一番!

誰かと一緒に過ごさなくても、お酒やチキン、ポップコーンを買って、映画の中でクリスマスを堪能しちゃいましょう♪

でもクリスマス映画って恋愛や家族愛ものばっかりなんですよね〜。ひとりで観ると、逆に心が荒むかもしれません(笑)。

そんな時には、何にも考えずに観られる映画『グレムリン』がピッタリ! クリスマスの雰囲気を味わいながら、ハラハラドキドキを楽しめる作品です。

改めて観たい! 80年代の名作映画『グレムリン』

35年以上前の映画なので『グレムリン』を観たことがない方もいるかもしれません。しかし、ぬいぐるみのようなかわいいキャラクター“ギズモ”は、きっと一度は見たことがあるはず。

最近はCG技術がどんどん進歩して、まるで本物のような生き物が出てくる映画がたくさんありますが、パペットを使用し、80年代の特撮技術を駆使して命を吹き込まれたギズモは、CG技術では見ることができない良さがあります。

ふわふわの毛並みと愛らしい表情、そして多少動きがぎこちないところが、よりぬいぐるみっぽさを強調していて、たまらないかわいさなんですよ〜!

動きの制限があるせいか、ギズモはリュックに入れられて移動するのですが、その姿がめちゃくちゃかわいいので必見です!

ギズモだけでなく、80’sアメリカのファッションやインテリアも堪能できるので、レトロブームがきている今、改めて観る価値のある映画です!

クリスマスの街でモンスターが大暴れ!

さて、『グレムリン』のストーリーですが、発明家のランダル・ペルツァー(ホイト・アクストン)が、チャイナタウンの骨董品店で“モグワイ”という生き物に出会い、息子のビリー(ザック・ギャリガン)へのクリスマスプレゼントとして、強引に購入して家に連れて帰るところから始まります。

ペルツァー一家はモグワイに“ギズモ”と名づけてかわいがるのですが、モグワイを育てるには、3つの注意を守らなくてはいけません。

  1. 光に当てないこと
  2. 水にぬらさないこと
  3. 真夜中過ぎに食べ物を与えないこと

ビリーはこの注意をうっかり破ってしまいます……。

水がかかってモグワイが増殖! そして増殖したモグワイたちは、真夜中過ぎに食べ物をねだり、ビリーはチキンをあげてしまいます。すると、イタズラ好きのモンスター“グレムリン”へと姿を変え、平和なクリスマスの街で大暴れ!

ビリーは友人のケイト(フィービー・ケイツ)と協力して、グレムリンたちの暴走を食い止めることに……。

という、クリスマスを舞台にしたパニック映画です。

大人になってから観ると意外と楽しいブラックコメディ

私が初めて『グレムリン』を観たのは子どもの頃だったので、昔は怖い映画だと思っていたのですが、大人になって改めて観てみるととっても楽しいSF・ブラックコメディでした!

ビリーの母親がキッチンでグレムリンと戦うシーンは結構グロいのですが、その戦い方が容赦なさすぎてついつい笑ってしまいます! 母親役を演じるフランシス・リー・マッケインの目がすごいんですよ! どこの国もやっぱり母親は強いんですね(笑)。

私がクリーチャーが好きだからかもしれませんが、怖いと思っていたグレムリンも大人になって見ると意外とかわいい! 映画を観ながらみんなでノリノリだったり、人間の真似をしているところも憎めません。……絶対に飼いたくはないですが(笑)。

また、グレムリンたちが大暴れする時の曲がとても楽しいので、ひとりのクリスマスの夜もこの映画を観ればきっと楽しく過ごせるはず!

世の中はクリスマスが好きな人だけじゃない

ヒロインのケイトは、とある理由でクリスマスが嫌いになってしまいます。

その理由自体は共感できるものではないのですが、「クリスマスが全ての人にとって幸せなものとは限らない」というメッセージは、この時代のアメリカの映画では珍しかったのではないかと思います。

クリスマス映画を観ると幸せなものや、偏屈な人間が改心する話などが多いですが、私にとってグレムリンは、無理に幸せを感じてなくても良いのかなと思えて少し救われた映画でした。

クリスマスのハッピーな雰囲気によって、より孤独を感じてしまったことがある方もきっといるはず……。

無理に誰かと一緒にいたり、パーっと騒いだりしなくたって、おいしいものを食べて、好きな映画を観て過ごすのって幸せなことだと思います。

それを寂しいという人もいるかもしれないけど、自分が楽しければいいんですよ♪ 他人の意見を気にしないのが、ひとりを楽しむ一番のコツ!

まぁ優柔不断なので、来年は誰かと過ごしたいなぁとも思ったりしますが……(笑)。今年は静かに映画を観て過ごそうと思います!

みなさんも、自分なりの楽しいクリスマスをお過ごしくださいね♪

(文・イラスト:トモマツユキ)

※この記事は2021年12月24日に公開されたものです

トモマツユキ

デザイナーとして働きながら、イラストレーターとして活動。映画やアニメなど物語が大好き。ブログにておすすめの作品紹介や絵日記を公開しています。

https://yukiillustration.com/

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