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『ワタシが私を見つけるまで』から見る、お酒が暴く“本音”の先

#金曜夜の映画トリップ

トモマツユキ

映画のなかにはいろいろな人生が存在し、自分では経験することができない世界がたくさんあります。そんなめくるめく映画の世界を、映画好きイラストレーターのトモマツユキさんが紹介。金曜夜は、映画の世界にトリップして、非日常を体験してみてはいかがでしょうか?

こんばんは。イラストレーター のトモマツユキです。

このご時世で、派手に酔っぱらう機会はめっきり減ってしまいましたが、人とお酒を飲むのって楽しいですよね! 私も20代の頃は毎週末飲み歩いていて、朝帰りが当たり前でした(笑)。

お酒を飲むと普段言えない本音を言えたり、初対面の人とも一気に距離を縮めることができるので、大人の人間関係には欠かせません。でも、飲みすぎるとお酒の勢いでやらかしてしまうことも……。

今回はお酒に頼ってしまいがちな人に見てほしい映画『ワタシが私を見つけるまで』をご紹介します。

お酒の勢いで普段よりも大胆に!?

『ワタシが私を見つけるまで』の主人公のアリス(ダコタ・ジョンソン)は、同棲中の彼氏・ジョシュ(ニコラス・ブラウン)と付き合って4年。マンネリを感じていたアリスは、ひとりの時間を満喫してみたくなり、ジョシュに少し距離を置きたいと言い出します。

ジョシュはアリスの申し出にあまり納得できていないままですが、アリスは姉のメグ(レスリー・マン)の家に居候して、NYの法律事務所の事務係として新しい生活を始めます。

新たな職場で出会った同僚のロビン(レベル・ウィルソン)に、彼氏と距離を置いていることを話すと、「シングルならワンナイトラブを楽しまなきゃ!」と強引にバーに連れ出されます。

最初は「一応彼氏がいるから」と、乗り気じゃなかったアリスですが、バーの店員・トム(アンダーズ・ホーム)を紹介されて、お酒の勢いもありそのままトムとキス! 一気にトムに夢中になったアリスは、翌日の仕事中もトムからの連絡を待つばかり……。

そして、トムと関係を持つのですが、実はトムは女癖が悪く、アリスと付き合う気がないことがわかります

我に返ったアリスは、ジョシュに連絡して復縁を持ちかけるんですが、ジョシュにはすでに新しい彼女がいて……!? という、アリスが失敗を重ねる中で、自分を見つけるストーリーです。

飲みすぎて自分を失ってしまうあなたに

建前に本音を隠してしまう大人にとって、自分の許容量を超えた飲酒の末に出てくるのは、“本音”を通り越した“本性”ですよね(笑)。

アリスは「恋人が途切れたことがない」と“モテる女”を自称しているんですが、実は男に言い寄られると、すぐにその気になってしまう“チョロい女”

こういう女ほど、自分では“ガードが堅い”と思っていたりするんですよね〜。お酒が入るとそのガードが簡単に外れてしまって、“本性”が現れてしまう。

……なんて書いている私も身に覚えがなくもないので、痛々しいアリスに共感してしまいました(笑)。

多くのロマコメは、“本性”を見せてしまったところから、ときめくような恋愛ドラマに発展して行きますが、ぶっちゃけ現実はそううまくいきません。

ドラマティックではないところがこの映画の魅力!

そして、アリスの恋愛がうまくいかない原因を、同僚のロビンがズバっと言うシーンがあるのですが、そのセリフがとにかく痛快

ついついお酒を飲みすぎてやらかしてしまっている人は、ぜひこの映画を観てみていただきたい。きっと心にグサっと刺さるはずですよ!

アリス以外にもさまざまな“こじらせキャラ”が登場

これまで“アリス”と“お酒”に焦点を当ててご紹介してきましたが、この映画は、アリス以外にもさまざまな登場人物が出てきて、もがきながら自分を見つけていく偶像劇です。

独身を貫いてきたが、体外受精で赤ちゃんを産むことを決意するアリスの姉・メグ。

本気で出会い系サイトで結婚相手を探すルーシー(アリソン・ブリー)。

女にだらしないけど、気になる女性にはうまくアプローチできないバーの店員・トム。

メグに一目惚れするけど、若さのせいで本気にされないケン(ジェイク・レイシー)など、個性豊かなこじらせキャラたちが登場します。

パートナーがいない期間を自分らしく生きるヒントがたくさん詰まっているので、ひとりで過ごすのが苦手な人にもぜひ観てほしい映画です。

最初からシングルライフを謳歌しているロビンを演じるレベル・ウィルソンが最高で、爆笑シーンも盛りだくさんですよ♪

本音はちゃんとシラフのときに

お酒の席って楽しくってついつい羽目を外してしまいますよね。でもそんな経験も楽しい思い出!

しかし、あまりに飲み過ぎると、周りの人がいなくなってしまう可能性があるので、何事もほどほどに楽しむのがいいのかもしれませんね。

(文・イラスト:トモマツユキ)

※この記事は2022年03月18日に公開されたものです

トモマツユキ

デザイナーとして働きながら、イラストレーターとして活動。映画やアニメなど物語が大好き。ブログにておすすめの作品紹介や絵日記を公開しています。

https://yukiillustration.com/

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