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一生、根がオタク。みんさんの場合

#コスメアカの履歴書

ひらりさ

コスメを偏愛するコスメオタクが増えている。中でもTwitterの「コスメアカ」は、よりディープな情報発信の場として話題。この連載では「劇団雌猫」所属のライターひらりささんが、今気になるTwitterコスメアカにインタビュー。おすすめアイテムや美容愛、さらには人生までをも覗き見ます。

取材・文:ひらりさ
編集:照井絵梨奈/マイナビウーマン編集部

同人サークル「劇団雌猫」所属の美容オタクライターひらりささんが、今気になるTwitterコスメアカの実態を探る連載「コスメアカの履歴書(https://woman.mynavi.jp/tag/rensai_cosme-account/)」。

今回は、みんさん(@miiya3_)にインタビューしました。

――幅広いブランドを追いかけ、等身大の情報を発信しているみんさん。bioの「やっぱり一生部屋が汚い」にも共感してしまいます……。コスメアカウントを始めたのはいつなのでしょうか?

2016年12月ですね。私は化粧品オタクというより本質がオタクなところがあり、Twitterを始めたのは同人活動のためだったんです。ちょうど、コスメアカウントが盛り上がり始めたところで「みんながフラペチーノ飲んでる間に私はきれいになるんだから」みたいな、自己啓発的なツイートが流れてくるようになったんですよね。

別ジャンルのアカウントで覗くより便利かなと思って、このアカウントを作りました。まだ当時はジャンルごとにアカウントを変えるのが主流でしたし。

――化粧自体には長く興味があったんですか?

私、最初に化粧したのが、19歳の時で。同人活動でフォロワーさんに会うためだったんですよ。

――まさかの理由!

さすがに身だしなみをきちんとしたいなと思い、イラストコミュニケーションサービスの『pixiv』で仲良くしていた友人に「化粧って、何すれば良いんですか?」と聞いたんです。そうしたら「眉毛をちゃんとするのが大事だ」と返ってきて。

――本質的な回答ですね。

その頃、オタク女子にとって「一般人に溶け込む」ことが大切だとされていたので、それもあってのアドバイスだったのかなと。眉毛って、二次元のキャラクターはみんな細くてきれいじゃないですか。でも生身の自分の眉毛は別にかわいくない。そのギャップはずっと意識していて、コンプレックスをなんとかしたいと思って試行錯誤していましたね

その前にも、高校時代にファンデーションを使ったことがあったんですが、当時はニキビがすごくて、卒業写真で隠すために塗りたくったからなんです。「エテュセ」のプチプラのやつ。

――まずはマイナスを解消したいという気持ちだったと。

でも、その次は「エスティローダー」の「ダブル ウェア ステイ イン プレイス メークアップ」を買ったんです。コスプレイヤーの友達が推してくれたので、真似して。持ちが良いし、少量でもちゃんとのびるし、厚く塗っても崩れない。

水を含んだスポンジで叩き込む方法で「鉄壁ベースメイク」をするのにハマって、そこからメイクにのめり込んでいったなと覚えています。

――コスメもあれこれ買うように?

まずオタクだから、やっぱり全部集めたい気持ちがある。ベースメイク同士の相性とか、色の相性とか、テクスチャの相性とか、いろいろ試したいし。限定カラーとかもそろえたくなりますよね。コレクター魂をくすぐられます。

――特に愛しているブランドはありますか?

資生堂系列が好きですねえ。自分の肌にも合うんだと思います。「NARS」はやっぱり思い入れがあります。いろいろなアーティストとコラボしていた時のアイテムが本当に良くて。

――マンレイとのコラボアイテムのこと、ツイートで振り返ってましたね。

ツイートしてから古参アピールしちゃったかも……と勝手に反省しましたが(笑)。

――とくにコスメを買っていた時は、どれくらい使っていたんですか?

学生時代、コレクションを全部買って、店員さんにも顔覚えられて、数万円一気買いとかは結構してましたね。家計簿を見直したら、自分でもよく分からないのですが、2019〜2020年にかけて、100万円くらい使っていたようです、コスメに。バイト代をほぼ注ぎ込んで……。

――すごい……。

入社後は、在宅勤務で無限に残業できちゃう分、疲れていて、逆にコスメが全然買えなくなったんですよ。お金は前より稼いでいるし溜まっているのに。疲れると物を選べなくなっちゃうんです。とりあえず資生堂の基礎化粧品だけ買ってましたね。

――コロナ禍でメイク自体に変化はありますか? もう落ち着いてきてもいますが。

コロナ禍に入ってから在宅勤務でほぼ外に出ていないんですよ。今もそうなので、ずっとZoom映りを気にしていますね。今日はGoogle meetsでの取材なので、盛れてないかなあと思うんですが。

――Google meetsですみません!

いや、大丈夫です(笑)。Zoomって、エフェクトがかかるとお化けみたいになって、顔もぼやっとするんですよね。ライト当てると顔が真っ白になったり青白くなったりするんですよ。

今まで青みのカラーを結構使っていたんですが、今は「ローラメルシエ ブラッシュ カラー インフュージョン」の「チャイ」とか、温かみのあるオレンジをほっぺたに入れつつ、輪郭をガッツリ削る、Zoom特化のメイクにこだわっています。直接見ると、削ってるのすごくわかると思うんですけど。

――今は全然気付いてなかったです! 工夫がすごいですね。

入社してから在宅勤務だと、お客さんに対面で挨拶する機会がないんですよね。最初のZoomで印象が決まってしまう。変な「初めまして」にならないように、仕事のためにZoomメイクを極め出したところがあります。

――在宅となると、あまり出かけないですよね。ポーチも持ち歩かないですか?

ポーチはもともと持ち歩かない人間です。リップとお直し用のパウダーをバッグに直入れですね。

・通勤用バッグ
・オルビス サンスクリーン(R)パウダー
・B IDOL アプリ肌パウダー
・クレドポーボーテ ソワンUVレーブル
・Rom&nd ジューシーラスティングティント

――リップのお気に入りはありますか?

これまでは青みがあるものが多かったですね。

Zoom映りを気にするようになってから最近ハマってるのは「Fujiko ニュアンスラップティント」です。ティントなのに青みがからないのが売りなんですよ。Zoomで青く映らず、かつ赤過ぎなくて、お気に入りです。あと「Rom&nd」のティントも使ってますね。

――韓国コスメは最近手を出し始めた?

そうですね。韓国アイドルが好きなので知ってはいたんですが、日本に進出してないブランドも多かったので、あまり買っていませんでした。実物を見てから買いたいですし、Twitterでも紹介しづらいし。PLAZAとかに置かれるようになってからは、気軽に買っています。

――ちなみに、これまで買ってきたコスメの中で、買うのが大変だったものってなんですか?

うーん、これというアイテムは思い付かないかも。コスメハマりたての頃、「こんなに早く予約が始まるの?」に慣れてなかった時が一番大変でしたね。

発売日と予約日が百貨店によってバラバラだったり、限定カラーは新宿伊勢丹とうめはん(※)だけだったり、最近はISETAN MIRROR限定品もあって、しかもその場合は予約できなかったりとか……。「NARS」は最近ISETAN MIRRORに力を入れているのでちょっと難しいです。

※阪急百貨店うめだ店

――複雑ですよね、コスメの店頭購入。今年のコフレ商戦はどうでしたか?

「ジバンシイ」で負けて……。「ジバンシイ」の限定品っていつも余裕を持って買えるイメージがあったので、ちょっとショックでした。韓国アイドルの「aespa」が韓国で今「ジバンシイ」のアンバサダーをやっているんですが、今年のコフレが「ジゼルのイメージじゃん!」というもので。でも楽天もmeecoも売り切れてて、日本橋の高島屋に行ってもなかったのはびっくりしました。

でも、「ルナソル」と「ADDICTION」は手に入れられました! 「ADDICTION」は伊勢丹のECサイトである「meeco」で買ったんですが、10月中には届いて。伊勢丹の株を持っていて10%引きが適用されるのもあるんですが、「meeco」を推してます(笑)

――オタク活動の方は、コロナ禍の間どうでしたか?

状況が厳しいときは、むしろオタクのほうに戻ってたんですよ。コスメが買えなくても、同人誌は買えていて。だって、好きな作家さんの本、全部買えば良いから。選択せず買える。

――なるほど(笑)。

Twitterで、自分が好きなキャラクターやコスメが褒められているのを見て、静かに寝る日々です。

――最後に……コスメで人生変わりましたか?

楽しいし、自分だけでできるし、集めても床が抜けないし、最高ですね。

そうだ、最近突然ネイルにハマり始めたんです。爪に貼って表面をUVランプで硬化させるだけで簡単にジェルネイルができる「ohora」を買ったんですけど、UVランプが付属してるじゃないですか。それを使ってセリアで買ったジェルネイルを塗るのを試してみたら、楽しくて。百均、ジェルネイルもいろいろな色売ってるし、ミラーパウダーとかもあって、すごく可愛いんです。

夜中にチマチマやって、上達するのが楽しいです。本当に私って、趣味が欲しくてしょうがないんだなあと思います。

――いろいろな趣味を楽しんで、ずっと部屋が汚いみんさんでいてほしい! ありがとうございました。

コスメアカ「みん」さんの履歴書

※写真のコスメはすべて本人私物です

INFORMATION

『だから私はメイクする』漫画:シバタヒカリ、原案:劇団雌猫

『浪費図鑑』の劇団雌猫が贈る話題書をコミック化!

メイク道を爆進するうちにあだ名が「マリー・アントワネット」になった女、“推しネイル?にハマって猛練習する女、仕事場での“アドバイス?にうんざりしている女など、メイクを通して見えてくる、「社会」や「自意識」と戦う女たちの悲喜こもごも。

「自分がどうありたいか」と向き合う、共感必至のオムニバス・ストーリー!

※この記事は2021年11月27日に公開されたものです

ひらりさ

1989年生まれ、東京都出身。ライター・編集者。女性・お金・BLなどに関わるインタビュー記事やコラムを手掛けるほか、オタク女性4人によるサークル「劇団雌猫」のメンバーとしても活動。主な編著書に『浪費図鑑』(小学館)、『だから私はメイクする』(柏書房)など。

ブログ:It all depends on the liver.
Twitter:@sarirahira

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