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自撮りの顔に近づけたい。りょかちさんの場合

#コスメアカの履歴書

ひらりさ

コスメを偏愛するコスメオタクが増えている。中でもTwitterの「コスメアカ」は、よりディープな情報発信の場として話題。この連載では「劇団雌猫」所属のライターひらりささんが、今気になるTwitterコスメアカにインタビュー。おすすめアイテムや美容愛、さらには人生までをも覗き見ます。

取材・文:ひらりさ
編集:照井絵梨奈/マイナビウーマン編集部

同人サークル「劇団雌猫」所属の美容オタクライターひらりささんが、今気になるTwitterコスメアカの実態を探る連載「コスメアカの履歴書(https://woman.mynavi.jp/tag/rensai_cosme-account/)」。

今回は、「自撮ラー(じどらー)」として有名になったりょかちさん(@ryokachii)にインタビューしました。

――コラムニスト、コンテンツプランナーとして活躍するりょかちさん。2016年、Twitterにあげた「奇跡の自撮り」のかわいさに一躍有名となり、自撮ラーとしてフォロワーを伸ばしてきました。現在のアカウントって、自撮りをあげた頃に作ったのでしょうか?

いや、もっと前ですね。2011年からです。普通に大学生のアカウントとして作って、新卒でLINE株式会社に入ることになった後もそのまま使って、自撮りでフォロワーが増えたという経緯でした。

――私は学生時代のりょかちさんから「就職相談がしたい」と連絡いただいて、会ったことがあって。自撮りがバズったときは「こういう子だったのか!」とかなりびっくりしました。

私もそういうつもりは全くなくて(笑)。就活で、当初出版社やウェブメディアを志望していたんです。でもメディアではない、いろいろなウェブサービスをやっているLINEに入ることになったじゃないですか。同期に比べて、ウェブサービスやIT業界についての知識が圧倒的に無い。

「頑張っていろいろなウェブサービスを触ろう!」と思った時に、興味を持ったのが自撮りアプリだったんですね。それでいろいろ使っているときに、奇跡の一枚が撮れて、アップしたら「自撮ラー」になることに……。

――フォロワー、一気に増えていましたよね?

すぐに1万人くらい行きました。知らない人とこんなにつながれるものなんだ! と自分でも驚きました。

――インターネット上で顔をあげ続けるとなると、ネガティブなことを言ってくる人や、余計なアドバイスをしてくる人もいたんじゃないでしょうか?

いわゆるクソバイスはありましたけど、会ったことない人から言われるコメントはすぐに忘れちゃうタイプだからあまり気にしなかったです。

自撮りをアップし始めてすぐは男性のフォロワーさんが多かったですが、エッセイを書くようになってからは、女性のフォロワーが増えました。「そのアイメイク可愛い。何使ってますか?」とか質問してもらえるようになったのも楽しいです。

――自撮りでバズる前から、「盛る」ことには興味があったんですか?

いや……実は写真を撮られるのすら、好きじゃなかったんです。メイクとかにもあまり関心がなかったですね。親がスキンケア重視の人で。「そのままの美しさ」が大事と言われて育ったので、枕を高くするな、とか、日焼け止めをしっかり塗れ、とかそういうのは心掛けていたんですが。

コスメに凝り始めたのも、自撮りをし始めてからです。人生で初めて、「顔めっちゃ可愛い」と言ってもらえる体験をして「こんなに嬉しいんだ」と知って。

――それは自撮りがさらに盛れるようにってことですか?

いや、自撮りしてない時の顔を、自撮りに近づけたいと思うようになったんです。自撮りで「盛れてる」顔がわかったことで、フェイスラインがはっきりしてると可愛く見えるんだな、とか、目をパッチリさせた方がいいんだな、とかわかってきました。それまで全く関心がなかった自分の顔について、本当によく考えるようになりました。

――具体的にはどうメイクに凝ったんでしょうか?

アイラインとかシェーディングとかですね。いわゆるコントゥアリングメイクはかなり研究しました。

――どんなブランドがお気に入りですか?

韓国コスメが好きで、その中でもCLIOのアイテムを愛用しています。とにかく機能性が抜群のアイテムが多くて。会社の同僚に韓国人の子が多いんですが、その中でも特に肌が綺麗な子がおすすめしてくれたキルカバークッションファンデは、ずっと使っています。

――自撮りに近づける上で必須のアイテムはありますか?

アイラインがすごく大事なんですけど、KATEのレアフィットジェルペンシルをヘビロテしています! 細いアイラインがすごく簡単に引けます。髪色に合わせると一番盛れるので、今はブラックを使っていますね。

――あまりデパコスとかは買わない感じですよね。コスメにかけるお金ってどれくらいですか?

通販とか、新大久保とかで、買うときはどかっと買います。一回あたり5000〜2万円くらいかな。以前は韓国旅行に行った時に買う、というのが楽しかったんですが、コロナ禍でできないのが寂しいです。

実用面だとCLIOが好きって話をしましたが、一通り揃えたら、見た目が可愛いコスメにもはまりました。中華コスメはアツいですね。「ZEESEA」の大英博物館シリーズとか、最高です。

――この辺りで、メイクポーチを見せていただいてもいいでしょうか。

はい!

・ミシャ グリッタープリズム シャドウ GBR04
・クリオ プロシングルシャドウP12 インスタントラブ
・BBIA Pigment 11 塩味噌
・ヘビーローテーション カラーリングアイブロウ
・シュウウエムラ ブロースウォード シールブラウン
・KATEのレアフィットジェルペンシル
・DIOR addict リップマキシマイザー
・シュウウエムラ カスタムアイシャドウ

――ポーチの形がユニークですね。

普段から荷物を大きくしたくなくて、小さいポーチを選びました。横に細長いと、アイブロウなど長いアイテムがぴったり入って便利なんですよ〜。スキンケアに厳しい母のもとで育った甲斐あってか、ベースメイクはあまり崩れないので、アイメイクとリップくらいしか入れてませんね。

――新型コロナ感染症の流行で、メイクへの姿勢が変化した部分もありますか?

Instagramを観察していると、以前よりもナチュラルなメイクが求められているのかなと思います。家にいて寛いでいるけれどおしゃれな感じ。通っている美容師さんからも「前はカラーが流行っていたけれど、今はトリートメントが人気」と聞きました。表面を派手に飾るよりも、ベースの綺麗さを求めていますよね、みんな。コスメよりスキンケアだったりプチ整形系だったり。

私も、母の教えに回帰して(笑)、スキンケアにこだわるようになりました。ビタミンをとったり、高い化粧水を買ったり、美容医療にも手を出したり。ファンデーションを使わず、ほぼノーファンデで外出することも多いです。あ、あと、会社に行かなくて済む分、自分が好きなメイクができるようになりましたね。

――どんなメイクをしてるんですか?

個人的な話ですが、ステイホームの中でK-POPにどハマりしまして……。メイクの雰囲気をK-POPに寄せたり、BTSのジミンがカラコンをしているのを見て、私もカラコンするようになりました!

――カラコン! それって、目を大きくするってことですか?

目が大きくなるタイプのカラコンは、自撮りを始めた時からしていました。今使い始めたのは、黒目の色素を薄く見せてくれるやつです。ちょっと薄いグレーを使ってます。

――気づきませんでした……! とても自然ですね。

見てる側がパッとは気づかないと思うんですが、瞳の印象が薄くなる分、アイラインやアイシャドウを強く引いても、アイメイクがきつくなりすぎないんですよ。濃いメイクをしても、きちんと顔になじむんです。

――そんな効果が……。良いですね。「自撮り」についても、変化はありますか?

そうですねえ。もう、アプリが進化しすぎて、人間が精進できる隙があまり無くなっているかもしれない(笑)。昔のアプリってまだ不完全で、顔の角度とか頑張らないと盛れなかったんですけど、今はどの角度でも盛れますから。顔をかわいく見せるよりも、全体の雰囲気をおしゃれに見せる勝負になっていると思います。私も、探り探りです。

――現在、どのアプリを使っているんですか?

バズったときは「SNOW」を使ったと思うのですが、今は「Ulike」が最強です! 写真を撮る前に、自分で顔のサイズや目のサイズを決めることができるんです。プリセットを設定しておくと、いつでも自分の好みの顔が撮れるのが便利です。

――そんなことになっているとは。すぐダウンロードします。りょかちさんは現在28歳。年齢に伴うメイクの変化はありましたか?

若い時は無難なことが一番だと思っていましたが、自分の好きに装うのでいいじゃん、と割り切れるようになりました。別に厳しく言われる会社ではなかったのですが、メイクの知識が薄かったからこそ「変だと思われたくない」気持ちが強くて、無難なものを選んでいたんですよね。

今はギラギラのアイシャドウつけたり赤いリップつけたり、というのを楽しめるようになりました。BBIAのピグメントとか使っちゃってます。

――会社を退職し、この6月からフリーランスになったと聞きました。今後の目標を教えてください。

これまで、サービス開発やマーケティングなどの合間に執筆業をやっていたのですが、今後は執筆業の割合を上げて、そのスキルを高めていきたいと考えています。そのためにも、「自分自身のクリエイティブ」ってすごく大事だなと思っていて。

――どういう意味ですか?

もっとおしゃれにならないと! って思ってます。私の場合、ライターでありインフルエンサーであることでお仕事をいただいているわけなので。良い文章を書くだけじゃなくて、Instagramの雰囲気とか、メイクももっと向上していきたいです。夏に向けて、ダイエットもしています。

――「りょかち@あと1kgやせる」ってアカウント名にも入ってますね。数字が変化しているな〜と思ってました。

夏フェスみたいに毎年やってるんですよ(笑)。

――最後に……自撮りをはじめて、人生変わりましたか?

めっちゃ変わりました! 自分が可愛く撮れることでもっと写真を撮りたくなって、残せる思い出が増えました。インカメの写真だけじゃなくて、外カメラの写真がたくさん撮れるようになったんです。

自分が「りょかち」という役割を得られたのは自撮りがきっかけで、「かわいい」と言われる嬉しさを教えてくれたのも自撮りです。これからも、女の子含め、SNSを見ている人に「可愛い」「いいな」って思い続けてもらえるように、自撮りもメイクも楽しんでいきたいですね。

――ありがとうございました!

コスメアカ「りょかち」さんの履歴書

※写真のコスメはすべて本人私物です

INFORMATION

『だから私はメイクする』漫画:シバタヒカリ、原案:劇団雌猫

『浪費図鑑』の劇団雌猫が贈る話題書をコミック化!

メイク道を爆進するうちにあだ名が「マリー・アントワネット」になった女、“推しネイル?にハマって猛練習する女、仕事場での“アドバイス?にうんざりしている女など、メイクを通して見えてくる、「社会」や「自意識」と戦う女たちの悲喜こもごも。

「自分がどうありたいか」と向き合う、共感必至のオムニバス・ストーリー!

※この記事は2021年06月25日に公開されたものです

ひらりさ

1989年生まれ、東京都出身。ライター・編集者。女性・お金・BLなどに関わるインタビュー記事やコラムを手掛けるほか、オタク女性4人によるサークル「劇団雌猫」のメンバーとしても活動。主な編著書に『浪費図鑑』(小学館)、『だから私はメイクする』(柏書房)など。

ブログ:It all depends on the liver.
Twitter:@sarirahira

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