「あばたもえくぼ(痘痕も靨)」の意味は? 使い方を例文と共に解説
「あばたもえくぼ」の対義語(例文つき)
次に、「あばたもえくぼ」と反対の意味を持つことわざを紹介します。
「坊主憎けりゃ袈裟(けさ)まで憎い」
その人を憎らしく思うと、その人に関わるもの全てが憎らしく思えてくるという意味のことわざです。
「あばたのえくぼ」は好きな相手の欠点さえ良く見えるという言葉ですが、「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」は欠点や長所は関係なく、憎悪を感じるさまを表します。また、恋愛とは関係ありません。
憎らしい相手に対して直接、あるいは間接的に使われます。例文のように、第三者が客観的な視点で使うこともあります。
例文
・坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとはいえ、不倫相手の親を悪く言うのは感心しない。
「親が憎けりゃ子も憎い」
文字通り、親が憎ければ、その子どもまでも憎らしく思うという意味。
「あばたもえくぼ」は好きな相手について言う言葉ですが、「親が憎けりゃ子も憎い」は、憎らしい相手について言う言葉です。これも恋愛とは関係ありません。
例文
・「親が憎けりゃ子も憎い」と言うけれど、こんなかわいい子に何も罪はないだろうに。
「あばたもえくぼ」で笑い飛ばせる関係性
「あばたもえくぼ」という言葉には、どこかほほえましい響きがあります。もちろん、褒め言葉ではないので、不用意に使える言葉ではありません。
さんざんのろけ話をする友人に「あばたもえくぼだね」と言えば、「欠点が見えないんだね」という意味にもなってしまうからです。
一方で、それほど恋に夢中になっている友人へのうらやましさもあるのではないでしょうか。
互いの恋人を「あばたもえくぼだね」と言い合っても笑い飛ばせるような親友がいるとしたら、それはなかなか素敵な関係だといえるでしょう。
(前田めぐる)
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※この記事は2021年10月27日に公開されたものです