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「若輩者」の意味と読み方は? 使い方や類語を解説(例文つき)

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「若輩者」を使う上での注意点

「若輩者」を使う場合は、次のような点に注意して使いましょう。

「未熟者」の基準は場面や業界によって変わる

未熟であるかどうかの基準は、使われる場面や業界などにより変わります。

「社会人としては若輩者」と使う場合は、業界にもよりますが、社会人になって数年が目安でしょう。

一方、何らかの認定を受けて初めて一人前とされる伝統工芸などの世界では、40歳でも、50歳でも使えることがあるでしょう。

つまり「未熟者」という意味で「若輩者」を使う時は、その業界によって「一人前」とはどれほどのレベルか、という基準で判断すると良いでしょう。

年下の相手に対して「若輩者ですが」と自己紹介しない

ある会合で集まったメンバーを見渡すと、全員自分より若いような気がする……しかし、仕事のスキルとしては皆ベテランのようだ。

そんな時に「若輩者ですが」とあいさつしても良いでしょうか?

答えは「ノー」です。

「若輩者」という言葉は、確かに「未熟者」という意味です。

メンバーが皆、若いのにベテランで、自分は年長者でも駆け出し……というケースで、自分を謙遜して使いたくなることはあるかもしれませんが、少々違和感があります。

そのような時には「年齢は上ですが腕は未熟なので、お手柔らかにお願いします」「ベテランの皆さんから見れば、この道では駆け出しです」など、ストレートなあいさつの方が好感を持たれるでしょう。

一般的には還暦を過ぎてからは使わない

「若輩者」という言葉を「未熟者」という意味で使う場合、本来年齢制限はありません。

例えば、会長など地位の高い高齢の人が集まる会合で、全員が自分より年齢が上である場合、60歳を過ぎても使うことはできるでしょう。

ただし、本人が「未熟者」というつもりで使っても、相手は「年が若い」という意味に受け取ることは十分にあり得ます。

そのため、一般的に還暦を過ぎてからは使わない言葉だと考えられます。

取引先に対して部下のことを「若輩者ですが」と紹介しない

上司が部下を取引先や他部署に紹介する時に「若輩者ですが、鍛えてやってください」と決まり文句のように使うことが以前はあったようです。

しかし「若輩者」という言葉は、自分を謙遜していう言葉です。

冒頭でも挙げたように『明鏡国語辞典 第3版』では「若輩者」とは「自分を謙遜して、また他人を軽蔑していう」と書かれています。

むしろ、「期待の新星です。私たちもサポートしますので、安心してご依頼ください」などと紹介する方が、取引先からの信頼も深まり、部下本人もやる気になってくれるでしょう。

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