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「狐の嫁入り」って何? 意味や由来、使い方を解説(例文つき)

「狐の嫁入りという言葉は聞いたことがあるけれど、意味は分からない」「なぜ狐の嫁入りと言われるのか由来を知らない」このような人は多いでしょう。今回は「狐の嫁入り」の意味や使い方をはじめ、言葉にまつわる事象を詳しく解説します。

空は晴れているのに、急に雨が降ってきた。「狐の嫁入り」とは、そんな時によく使われる言葉です。

古くから使われている言葉「狐の嫁入り」。実は意味や由来を知らない人は多くいます。

ここでは「狐の嫁入り」という言葉について、どのような場面で使われるのかに触れながら、細かく解説していきます。

狐の嫁入りとは?

ここでは、「狐の嫁入り」の意味や由来について見ていきます。

「狐の嫁入り」の意味は「狐火」「天気雨」

「狐の嫁入り」を辞書で開くと、以下の記載が見られます。

狐の嫁入り【きつねのよめいり】

(1)暗やみの中に狐火がいくつも連なっているのを、嫁入り行列の提灯に見たてたもの。
(2)日が照っているのに小雨が降ること。天気雨。
(『大辞林 第四版』三省堂)

つまり「狐の嫁入り」には、大きく2つの意味があることが分かります。

主に「日が照っているのに雨が降ること(天気雨)」という意味で使われることが多いでしょう。珍しい出来事や、なかなか出会うことがないことというニュアンスを込めて使われる場合もあります。

ちなみに「狐火」とは、冬から春先にかけての夜間、野原・山間などに多く見られる奇怪な青白い火で、火の玉と並んで怪火の1つとされています。

「狐の嫁入り」の由来・語源は?

由来は諸説あるといいますが、その1つとしては、次の通りです。

昔は、日が照っているのに雨が降ることは、説明のつかない怪奇現象の1つとされていました。

「狐に化かされているのでは?」「(日中に行われる)狐の嫁入り行列を人間に見られないよう、雨を降らせているのでは?」と考えられたため、「狐の嫁入り」と呼ばれるようになったそうです。

なぜ「狐の嫁入り行列」は人間に見られてはいけないのか?

狐の嫁入り行列は、人に見られてはいけないという絶対的なルールがありました。

そのため、狐がお嫁に行く時は偽物の雨を降らせ、突然の雨に驚いた人々が屋内に入っている間に嫁入りを済ませた、という言い伝えもあるようです。

狐の嫁入りは縁起が良い? 悪い?

ここからは、狐の嫁入りは縁起が良いのか悪いのか解説していきます。

珍しいものを見られたという縁起の良さとしても受け取れる半面、怪火という怪しさから縁起が悪いとも受け止められる場合もあります。実際のところはどうなのでしょうか。

狐の嫁入りは縁起が良い

狐の嫁入りは、縁起が良いものとして喜ばれます。

理由の1つとして、日が照っているのに急に雨が降ると虹が見られることが関係しています。降り注ぐ雨に太陽光が当たることで、光が屈折して虹が現れるのです。

つまり、狐の嫁入りのような天候の時は、虹が見られるチャンスなのです。

日が照っているのに急に雨が降ることも少ないですが、それ以上に虹を見る機会は少ないでしょう。虹という珍しいものが見られるかもしれない前兆が狐の嫁入りとして、縁起の良いものだと言われます。

「豊作をもたらすもの」として喜ばれることも

狐の嫁入りは、雨が降ることで豊作をもたらすとして、農家の人から感謝されています。

昔は水道などの設備が整っていなかったこともあり、日照りが続くのは農家にとって悩みの種でした。

その不安の中に降る雨、晴れていたのに急に雨が降ることは多くの人を喜ばせ、作物の成長促進、豊作へつながったのです。

狐の嫁入りはどのような場面で使う言葉?

ここからは、狐の嫁入りを会話の中で使う場合の使い方を解説していきます。

日常会話の中でも使いやすい言葉ですので、ぜひ覚えておきましょう。

「日照り雨」の場合の例文

晴れているのに急に雨が降ってきた場面では、以下のように使えます。

Aさん:晴れているのに、急に雨が降ってきたよ。

Bさん:本当だ、狐の嫁入りだね。

「晴れているのに急に雨が降ってきた」というよりも、簡単に現在の天気の様子を表せます。

もし、相手が狐の嫁入りの意味を分かっていない場合は、今の天候のことを指す言葉だと簡単に説明もできるでしょう。

「狐火が連なっている」場合の例文

あまりこういったケースに遭遇することはありませんが、光の行列が見えるような現象に対して「狐の嫁入り」を使う場合の例文は、以下の通りです。

Aさん:なんだか山の中に光の列が見えるような気がする。

Bさん:もしかして狐の嫁入りだったりして。

「狐の嫁入り」の類語・言い換え表現

「晴れているのに雨が降る」という意味で使う場合の「狐の嫁入り」は、以下の言葉に言い換えることができます。

・天気雨

・日照り雨

いずれも「日が照っているのに降る雨」のことを指しているため、狐の嫁入りと同義の言葉だといえます。

他の国ではどう? 狐の嫁入りの英語表現

狐の嫁入りを英語でいうと、「Sun Shower(サンシャワー)」もしくは「Sun Rain(サンレイン)」です。

直訳すると「晴れて急な雨」「晴れ雨」となります。狐の嫁入りのよく使われる意味、「日が照っているのに急に雨が降ること」を意味しているのが分かります。

もう1つの意味でもある「狐火が連なり、狐の嫁入り行列に見える」という意味は含まれていません。

なぜなら、狐火や狐の嫁入り行列は海外にはない文化だからです。もちろん意味を説明して相手に伝えることは可能ですが、「Sun Shower(サンシャワー)」や「Sun Rain(サンレイン)」とは違う言葉になるでしょう。

出会えたら縁起が良い「狐の嫁入り」

いかがでしたでしょうか。

「狐の嫁入り」は晴れているのに急に雨が降る天候を表す言葉、そして狐が人を化かしてお嫁に行く様子を表す言葉ということが分かったでしょう。

実は縁起の良い現象で、なかなか出会うことができません。狐の嫁入りのどちらの意味でも珍しいことなので、出会えたら縁起が良いと覚えておきましょう。

今回は「狐の嫁入り」について解説してきました。ぜひ参考にしてください。

(蛍)

※画像はイメージです

※この記事は2021年07月28日に公開されたものです

本やマンガを愛する元パティシエ。妊娠、出産を機にライターへ転向し、現在は食や不動産、カルチャーなど幅広いジャンルを執筆するマルチライターとして活動中。

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