「かねてより」は誤用? 使い方や間違えやすい漢字表記
「かねてより」の類語
「かねてより」と似た意味を持つ言葉は他にもあり、複数の言葉を使い分けることで、相手やシーンに合わせた表現がしやすくなります。
そこで、代表的な類語も一緒に覚えておきましょう。
かねがね
「かねがね」は「以前から」という意味を持つ言葉。
漢字で表すと「予予」「兼ねがね」となり、「かねてより」と同じニュアンスであることが分かりますよね。
また、「かねがね」の使い方は「かねてより」と変わらないため、言い換え表現として使いやすいのがポイント。
「かねてより」を誤用に思われる心配がある時などに、「かねがね」を使って文章を作るのが良いでしょう。
例文
・彼の実力については、上司からかねがね伺っています。
・かねがね思い描いていたことが、やっと実現する。
以前より
「以前」は「ある時点から前のこと」「近い過去」を表す言葉。
「かねてより」もストレートな表現になるため、分かりやすさを重視する時には「以前より」を用いるのが適しています。
例文
・私が赴任する以前より続いている案件です。
・以前よりも積極的な姿勢に好感が持てる。
かねてから
「かねてより」と似た「かねてから」は、言葉の意味は変わらず形だけが変化した表現です。
ただ、「かねてより」と同じ理由で「かねて」と「から」では「以前から」という意味合いが重複し、好ましくないという意見があります。言葉に違和感を覚える人もいるため、同様に留意して使いましょう。
例文
・かねてから伺っていた質問についての回答が用意できました。
「かねてより」を使いこなして自分の気持ちを伝えよう
「かねてより」は、前から思っていたことなどを表す時に使える言葉で、長い時間の経過に合わせた強い思いを表現することも可能です。
そのため、「かねてより」の意味や使い方をマスターして、きちんと自分の気持ちを表すことが大切。
特に、「かねてより」を使うのは、かしこまった場面が多いので、適切なシーンを選ぶよう意識しましょう。
(kirara)
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※この記事は2021年07月28日に公開されたものです