「かねてより」は誤用? 使い方や間違えやすい漢字表記
「かねてより」の使い方
「かねてより」は身近な言葉である一方、正しく理解しないと自分が間違った表現をしていることに気づかず使っている場合もあります。
ここからは「かねてより」の使い方を解説していくので、今までの使い方と照らし合わせ、間違っていないかチェックしてみましょう。
過去形の表現を付け加えて使う
「かねてより」を用いる場合、後に続く言葉は過去形の表現を使うのが一般的です。
これは、「かねて」が過去のことを表しているためで、今はまだ継続していることであっても「かねてより~だった」という表現で使用するのがきれいな言い回しです。
例文
・かねてより希望していた職種について、もう一度ご相談のお時間をください。
・かねてより準備していたことが、もうすぐ実現する。
「かねてより」は間違った表現?
「かねてより」の「かねて」と「より」には、どちらにも過去を表す「以前より」といった意味合いがあり重複していることから、「かねてより」が誤用だという意見があります。
しかし、「かねてより」は昔から使われていた慣用的な表現であり、一概に誤用だとも言い切れません。
この判断から、新聞や雑誌などでは基本的に「かねてより」ではなく「かねて」が使われていますが、スピーチや会話などの口語では「かねてより」が用いられることもあります。
さまざまな受け取り方があることを意識して、書類などで使用する場合には「かねて」を使うと良いかもしれません。
例文
・かねて進行していたプロジェクトが来週終わる。