リモートワークに慣れない上司。うまく一緒に働くコツ
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「上司がリモートワークに慣れない」とのお悩みに、コラムニストのぱぴこさんがアドバイス。
リモートワークに慣れない上司に困っている
私の会社は最近リモートワークが増えて、チャットツールや、オンライン会議ツールなど今まで使っていなかった新しいツールをPCに取り入れて使うようになりました。
でも私の上司はその新しいツールの使い方が分からないらしく、なにかと私に仕事を押し付けてきます。そのため、リモートワークの日はやることが2倍になっている気がして、正直迷惑です。この状況をなんとかするにはどうしたらいいのでしょうか。
どうしたらいいんでしょうね?
日本には「DX!」とか言っている会社の偉い人が全然新しいツールを使わない、運用ルールをぶち壊していく、なんてことがよくあります。悲しいことに。
正直、新しいツールを使うことができない人にどうしたら習得してもらえるか? は分からない……。
ただ、今までのやり方に慣れている人からしたら、新しいツールを習得するのは難易度が高いのも事実。使いこなせるようになるまでに時間がかかるのも仕方のないことでもあります。
ぶっちゃけコレ! という解決策はない……
私も、何度ルールを周知しても、クラウドストレージに配置せずにファイルをメール添付で送付してくる人にイラっとする日々を送っており、この根本解決策がないことに頭を悩ませています。
問題点はいくつかありますが、代表的なものはこれでしょうか。
1.スキルセット不足に対し、対象者に学習意欲がないため改善しない
2.学習しないため、周囲の負担が増え続ける、煩雑な雑務が増える
3.1や2が恒常化することで、職場全体のモチベーションが下がる
1は、知識や技術が不足しているのが部下や後輩ではなく、上司であることが話をよりややこしくしています。
上に「やれ」というのも難しいですからね。しかし手放さないとずっと自分の負担が増えることになります。なので、難しいとは思いますが、以下を根気よく取り組むしかありません。
3ステップで「覚えない」上司に危機感を持ってもらう
相談者さんのこの状況は、上司が「部下にやってもらえばいいや」と甘えていることが問題なので、そもそも「あなたが覚えるべきなんだよ」という状況を作り出さないといけません。そのため、上司に危機感を与えるこんな3ステップを実践してみてはいかがでしょう。
1.仕事が回らなくて困っている、という空気を作る
でも「やってください」とは言えないのがサガ。しかし放置すると自分の首が締まっていく……。ではどうするか?
まず、大きな敵を倒すには1人では無理。上司の「リモート処理が苦手」で迷惑しているのはきっと相談者さんだけではないので、同じ境遇の人とスクラムを組みましょう。
2.チーム全体でトレーニングを実施する
1をやった上でリモートワークのトレーニングをチーム全体で実施する、というのは手です。要は「やったよね?」という強制力を発揮するわけです。
そうすれば上司からリモート関連でお願いされた時に、「いえいえ、この前トレーニングやりましたよね? 慣れていきましょう」と言いやすくなります。
3.人事にエスカレーション
偉い人たちがリモートに慣れない、移行できないのは全社的な問題でもあります。
それによってメンバーに負荷がかかるのは会社の問題なので、1を実施の上で人事部にエスカレーションし、対策を練ってもらうことも重要。自分たちで抱え込まずに「会社を利用する」という視点が大事です。
結論:個人で抱えず、全体の問題として処理していく
「上司に仕事を押し付けられる」という状況だけを捉えてしまうと、自分と上司の問題になってしまいますが、本来これはさまざまな問題を内包しています。
トレーニングがないこと、リモートに移行できない偉い人たち、リソースの枯渇……などなどです。そのため、うまく全体の問題として取り扱い、現状から脱することを目指しましょう。
Point.
・上司からの理不尽な要求を個人で対応する必要はない
・困った時は人数を集めてスクラムを組む
・適宜人事にエスカレーション
(文:ぱぴこ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2021年06月25日に公開されたものです