自己効力感とは? 意味や自己肯定感との違い・自己効力感を高める方法
「自己効力感」とは、「自分ならできる」と思う気持ちのこと。今回は、自己効力感を高めることのメリットや高め方、自己肯定感との違いについて、心理カウンセラーの永瀬なみさんに解説してもらいます。
「自己効力感」という言葉を聞いたことがありますか? 「自己肯定感」と混合されがちですが、両者は全く別の意味を持つ言葉です。
そこで今回は、自己効力感の意味や概念に加え、自己肯定感との違いや自己効力感を高める方法などを紹介します。
自分にネガティブな感情を抱きがちな人や保守的な行動を取りがちな人は、ぜひ参考にしてみてください。
自己効力感とは?
まずは、自己効力感という言葉の意味から解説します。
「自己効力感」の意味
自己効力感とは、「自分ならできる」と思う気持ちのこと。これは、カナダの心理学者アルバート・バンデューラの提唱した概念です。
例えば、何か新しいことを始めようと思った時に「私ならできる」と迷いなく思える人は、自己効力感が高いタイプといえます。
反対に、「私にはできない」または「できるか分からない」と思う人は自己効力感が低いタイプといえるでしょう。
自己効力感と自己肯定感の違いは?
自己効力感と似た言葉に「自己肯定(こうてい)感」という言葉があります。
「自分ならできる」と思うのが自己効力感なのに対して、自己肯定感とは「私は私のままで良い」と思う気持ちのこと。自己肯定の反対に位置する言葉は、「自己否定」です。
自己効力感が低くても、自己肯定感が高ければ幸福度は保てます。
自己肯定感が高い状態の具体例
誰しも、1つは不得意なことがあるものです。
例えば、あなたの不得意なものが料理だったとしましょう。この不得意なことを含めて「これが自分だ」と思えれば、それは自己肯定感が高い状態です。
「料理は苦手……。でも別にいいの、これが私だから。みんな1つくらい苦手なことあるでしょ?」
こんなふうに思えたなら、あなたは自己肯定感の高いタイプといえるでしょう。
自己肯定感が高ければ自分を否定する気持ちも生まれないため、たとえ自己効力感が低くても人生をポジティブに歩めます。
自己肯定感が低い状態の具体例
一方、自己肯定感が低いタイプは何かに失敗した時だけでなく成功した時にも自分を否定します。
「これくらい誰だってできる。特別なことじゃない」
「今日うまくいったのは私の力じゃない。たまたま運が良かっただけ」
うまくいったにもかかわらずこんな気持ちを抱くのは、自己肯定感が低い証拠。特に劣等感の強いタイプは、自分の成功を否定しがちです。
自己効力感を高めることは自己肯定感にも好影響を与える
自己効力感を高めたからといって、必ずしも自己肯定感までが高まるとは言い切れません。
とはいえ、自己効力感を高めれば自己肯定感にも少しは好影響があると考えられます。
仮に、「自分には何もできない」と思っていた人が「自分にもできることがある」と思えるようになれば、少しずつ自己肯定感が高まっていく可能性はあるでしょう。
理想的なのは、両者を同時に高めること。ですが少しでも自分に自信を持ちたいと思うなら、まずは自己効力感から高めてみてはいかがでしょうか。