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パーキンソンの法則とは。意味と事例&対策を解説

広瀬絵美

パーキンソンの法則の事例

時間とお金の無駄遣い……。思い当たる人も多いのではないでしょうか。

こんな無駄遣いを予防するには、どういった時にこの行動原則が発動するのかをあらかじめ知っておくことが大切です。

時間の無駄! 【第1法則】の事例

まずは、身近に見られる第1法則の事例から解説します。

(1)無駄な残業時間が多い

「9時~17時勤務」など、勤務時間が決まっているにも関わらず、なぜか毎日仕事が終わるのは20時、21時……なんてことはありませんか?

本当ならば定時までに終えられるはずの仕事量なのに、「2時間くらい残業して仕上げればいいや」と、残業ありきで考えると、無意識のうちに時間をゆっくり使ってしまうのです。

(2)〆切ギリギリまで作業する

本当だったら30分程度で終わるはずの資料作成に、なぜか1時間も2時間も掛けてしまう……なんてことはありませんか?

「明日の夕方まで」など、余裕を持った〆切を設定されると、なぜか〆切いっぱいまで時間を使い切ろうとしてしまう事例です。

(3)メンバーが増えても出来高が変わらない

「人が増えたから違う業務にも手が回るかな……と思いきや、何も変わらない!」という話、よく聞きますよね。

メンバーを増やして余裕ができたはずなのに、結果として出来高は変わらない。これも、「時間」という資源を全て使い切ろうとするこの法則の事例です。

お金の無駄! 【第2法則】の事例

続いて、第2法則の身近な事例を見ていきましょう。

(1)収入が増えたのに貯金額は増えない

転職や昇給をきっかけに収入が増えたのに、なぜか貯金額がいっこうに増えない! これも、パーキンソンの法則の事例に当たります。

収入が増えた分、外食の回数が増えたり、無駄な買い物をしてしまったりなど、お金をある分だけ使おうとする行動です。

「収入の割に貯金が少ない」なんて悩む人も多いかと思いますが、これもこうした法則が働いているのかもしれません。

(2)ボーナスが入ったのに一瞬でなくなる

「ボーナスが入ったから貯金をしよう!」と思っても全然貯まらず、気づいたら一瞬でなくなっていた……なんていうこともしばしば。

これも、お金が増えた分、無意識のうちに支出を増やそうとする事例の1つ。

さらに、もう1つ気をつけたいのが「メンタルアカウンティング」という法則。例えば、貯金用の口座に入っている1000円と、ご褒美でもらった1000円とでは、ご褒美の1000円の方を気軽に使いたくなるというもの。

つまり、ボーナスなどの臨時収入は、毎月もらう給料よりも気軽に使ってしまいやすいのです。パーキンソンの法則とメンタルアカウンティングの法則が同時に働くと、ボーナスが露と消えてしまうことも……。

(3)節約しているのに毎月の支出が変わらない

「今月は切り詰めてやり繰りしたはずなのに、結局支出は先月と一緒……」なんて経験もありませんか?

これも、就業時間と同様に、心の中で「この金額までは使えるから大丈夫」と、見えない締め切り(予算)をつくっていることが原因かもしれません。

また、心理学では「現状維持バイアス」と呼ばれるものもあり、人間は無意識のうちに今までと同じ状態を維持しようとする癖があるのです。

つまり、これまで「収入の分、めいっぱいお金を使う」という生活をしていると、その生活スタイルが癖として定着していきます。

収入の全てを使い切ろうとするパーキンソンの法則と、それを維持しようとする現状維持バイアスが絡み合うと、悲惨な末路が待っています。

次ページ:パーキンソンの法則を対策する方法

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