リフレーミングとは? 意味や練習方法を紹介
リフレーミングの簡単な練習方法
リフレーミングが気持ちの切り替えに役立つことが理解できたところで、次は、リフレーミングするコツを紹介したいと思います。
今回は、初心者でも使える初級編ということで、ケース別にリフレーミングする手順をお伝えします。
自分の嫌な性格についてリフレーミングする場合
ネガティブに感じている性格をポジティブに捉え直したい時には、次のように考えてみるといいでしょう。
STEP1:その性格の特徴を考える
STEP2:その特徴のプラス面を考える
STEP3:そのプラス面が役立つ場面を考える
例として、「繊細な性格」について考えてみましょう。
「繊細な性格だから、いろいろ感じて気疲れする」とネガティブに捉えているところを、リフレーミングしてみます。
STEP1:その性格の特徴を考える
まず、「繊細な性格」の特徴を考えます。
その中で、「感じやすい」という特徴が思い浮かんだとします。
STEP2:その特徴のプラス面を考える
次に、その「感じやすい」特徴のプラス面を考えてみます。
その中で、「感じやすいために、いろいろなことを察知することができる」というプラス面を思いついたとします。
STEP3:そのプラス面が役立つ場面を考える
最後に、「感じやすいために、いろいろなことを察知することができる」というプラス面が役立つ場面を考えます。
「いろいろなことを察知することは、ミスがないかどうかチェックする時に役立つ」といえます。
以上から、「繊細な性格」をリフレーミングすると、「いろいろなことを察知することができて、ミスがないかどうかチェックする時に役立つ性格」となります。
今まではマイナス面だけを見てネガティブな気持ちになっていたかもしれませんが、このようにリフレーミングしてプラス面があることに気づくと、ネガティブになる必要がないと思えるようになるのではないでしょうか。
自分にとっての嫌な状況をリフレーミングする場合
予期せぬトラブルが発生した。理不尽なクレームにうんざりしている。
自分にとって嫌な状況の時には、次のようにしてリフレーミングします。
STEP1:自分の行動の中で褒められる点に気づく
STEP2:自分の中のポジティブな動機に気づく
STEP3:ピンチはチャンスだとしたら、どんなチャンスなのかを考える
STEP1:自分の行動の中で褒められる点に気づく
例えば、トラブルやクレームに対する自分の行動の中で、どのような点が褒められるでしょうか?
苦しさを我慢している。逃げずに対応している。なんとかうまく解決しようとしている。
自分の行動をよく観察すると、このような良い点が必ず見つかります。
STEP2:自分の中のポジティブな動機に気づく
次に、その良い点の背後にあるポジティブな動機を考えます。
「我慢し、逃げずに対応することでうまく解決しようとしている」という上記の例でいえば、自分が解決しようとする責任感、会社のためにも解決しなければと思う貢献意識があることが分かるでしょう。
STEP3:ピンチはチャンスだとしたら、どんなチャンスなのかを考える
「人は試練を乗り越えることで成長する」と考えると、このピンチも成長のチャンスだと言うことができます。
では、今はどのような成長を遂げるチャンスだと考えられるでしょうか?
トラブル解決のための交渉力やリーダーシップを身に付けるチャンス、クレームを言っている人を納得させられるコミュニケーションスキルを磨くチャンスだと考えられるかもしれません。
以上から、自分にとって嫌な状況をリフレーミングすると、「私は逃げずに我慢強く解決しようとしていて、責任感や貢献意識がある。今こそ自分が成長する絶好のチャンスである」といったポジティブな面に気づくことができ、もう少し頑張ってみようという前向きな気持ちが湧いてくると思います。
自分の失敗についてリフレーミングする場合
失敗すれば誰だって落ち込みます。
「やってしまった」「なんてバカだったんだ」「自分が情けない」……このようなネガティブな気持ちを変えるには、次の3つを考えてみることでリフレーミングできます。
STEP1:失敗する前の自分を弁護する
STEP2:失敗することのメリットを考える
STEP3:長期的な視点で失敗の意味を考える
STEP1:失敗する前の自分を弁護する
まずは、失敗する前のことを考えてみましょう。
誰だって、しようと思って失敗しているわけではないですし、失敗すると分かっていれば違うことをやっていたはずです。
そう考えると、失敗した自分について「自分なりに良かれと思ってやったのだ」「あの時は、あれでいいと思ったのだ」と弁護することができるでしょう。
STEP2:失敗することのメリットを考える
続いて、失敗することのメリットを考えます。
頭の体操のつもりで、遊び心を持って、「失敗して良かった。なぜなら……」という文章を作ってみてください。
「失敗して良かった。なぜなら、今後は慎重になれるから」
「失敗して良かった。なぜなら、自分の悪い癖が分かったから」
「失敗して良かった。なぜなら、失敗した人の気持ちが理解できるようになったから」
このように柔軟な発想をすると、「失敗=悪いこと」という固定観念にとらわれる必要がないと分かるでしょう。
STEP3:長期的な視点で失敗の意味を考える
最後に、長期的な視点で失敗の意味を考えてみます。
例えば、人生80年とした時、今回の失敗は自分の人生においてどれくらい重大な出来事だと考えらえるでしょう? その失敗の影響は、あと何年くらい残るでしょう?
こうやって長期的な視点で眺めてみると、それほど大きな問題ではないと思える失敗がほとんどのはずです。
以上を踏まえると、失敗して落ち込んでいることについては、「自分なりに良かれと思ってやったのだ。むしろ、失敗を通していろいろ学べて良かった。長い人生を考えると、この失敗は大したことではない」といったようなリフレーミングができます。
そうすれば、「過ぎたことをくよくよ考え続けるのはやめて、今後を考えて生きていこう」と、前向きな気持ちに切り替えやすくなると思います。