アクシデントの意味は? 使い方・類語・インシデントとの違い
アクシデントの正しい意味を知っていますか? インシデントやハプニング、トラブルなどの類語との使い分けも難しいですよね。今回は、その意味と使い方を解説します。
「アクシデント」という言葉は、日常的な会話でもビジネスシーンでもよく見聞きします。
「突然の出来事」「事故」などの意味で使われることが多いでしょう。
しかし、「インシデント」や「トラブル」などの類語もあり、正しい使い分けを理解できていないという人も多いのではないでしょうか?
今回は、「アクシデント」の正しい意味や使い方、類語との違いを解説します。
「アクシデント」の意味
「アクシデント」という言葉には、以下のような意味があります。
・思いがけない出来事
・予期しない状況やめぐり合わせ
・思わぬ事故
・不注意から生じる不運な出来事
・意思や必要性がないもの
日本語でよく使われる「アクシデント」は、主に「不意に起こった良くない出来事」を指すことが多いでしょう。
一方、英語の「accident」には「運」や「偶然」といった意味もあり、日本で使われるカタカナの「アクシデント」とはニュアンスが異なる部分もあります。
日本語の「アクシデント」は「良くない出来事」を表現する時に使いますが、英語の「accident」は偶発的であれば、「悪いこと」にも「良いこと」にも使われると覚えておくと分かりやすいでしょう。
「アクシデント」の使い方と例文
日本語のニュアンスでは、「アクシデント」は予期せぬ良くない出来事に対して多く使われます。
状況によって「不運」や「悪さ」の強弱は変わってくるので、状況別の使い方と例文を見て、言葉を深く理解していきましょう。
予期しない出来事が起きた時
【例文】
・好きな男性にバレンタインチョコを渡そうと思って待っていたら、同じような女性が数人いて、告白できなかったというアクシデントがあった。
・仕事をサボって○○に行ったら、先輩とバッタリ会ってしまった。ちょっとしたアクシデントだった。
・厄介なクレーマーの対応をしなければならないアクシデントがあり、仕事が進まなかった。
このように、そこまで重大性がない場面でも、予期していないネガティブな出来事が起こった時に「アクシデント」という言葉は使えます。
ネガティブさを強調せずに、単に予期せぬ出来事や状況を指す場合には、「ハプニング」と言い換えることも可能です。
怪我や事故などの予期せぬ重大な出来事が起きた時
【例文】
・勤務中のアクシデントで怪我をしてしまった。
・優勝候補のランナーが負傷で棄権するというアクシデントがあった。
・運転中のアクシデントで事故を起こしてしまった。
軽いネガティブな出来事だけでなく、交通事故を起こしたり、怪我を負ってしまったりした時の重い場面などでも「アクシデント」は使えます。
不注意から生じる不運な出来事が起きた時
【例文】
・チケットの日付を間違えるというアクシデントのせいで、入場できなかった。
・家の鍵を失くすというアクシデントがあり、家族が家に入れなかった。
・撮影禁止のコンサートで、撮影しているファンがおり、コンサートが一時中断になるというアクシデントが起きた。
「注意していれば・知っていれば、起きなかった出来事」が原因である場合にも「アクシデント」は使われます。
「故意」ではないことを強調する時
【例文】
・借りていたパソコンを壊してしまったが、わざとではなくアクシデントだった。
・電車の遅延というアクシデントにあって、待ち合わせに遅刻してしまった。
「アクシデント」はネガティブな出来事という要素以外にも、偶然性のニュアンスを持つ言葉です。そのため、「故意ではなかった」ことを強調したい場合にも使用することができます。
「備える」という言葉とセットで使う時
【例文】
・アクシデントに備えて、どんな対応策を計画しているのか資料にまとめる。
・災害時にはさまざまなアクシデントに備える必要がある。
・アクシデントに備えて、スタッフを増員する。
ビジネスシーンでは、「アクシデント」が起きないように、「備える」という表現とセットで使われることが多いでしょう。
何か問題が起きた時に「アクシデントが起きて」「アクシデントが発生して」という説明の仕方は、あまり推奨されません。可能な限りアクシデントが起こる可能性を廃除するための「備える」という文脈がセットで使用されます。
「アクシデント」を使う際の注意点
「アクシデント」という言葉には、「偶然に予期せぬ出来事が起こる」といった意味が含まれています。
そのため、「思わぬアクシデント」や「偶然のアクシデント」「悪いアクシデント」という表現は、実は二重表現。口語で使うこともありますが、あまり綺麗な文章とは言えません。
「思わぬ事故」や「偶然の出来事」など他の言葉に言い換えるか、「アクシデント」1語での使用にすると、表現がすっきりするでしょう。