格安SIMって何? 大手キャリアとの違いとメリット・デメリット
ドコモ・au・ソフトバンクが発表した新ブランドの始動を皮切りに、訪れようとしている“スマホ料金戦国時代”。スマホ代を節約したいけど調べるのすら面倒という全ての働く女性たちのお悩みに、携帯料金見直しの専門家である鮎原透仁さんが回答します。
今回のお悩み:格安SIMってそもそも何?
2015年頃からよく耳にするようになった「格安SIM」。今さらだけど格安SIMって何なんでしょうか? 3大キャリアの携帯と比べてどう違うのか、メリット・デメリットも知りたいです。
そもそも格安SIMって何?
格安SIMというのは、要は大手3大キャリアの回線の一部を間借りしてサービスを提供しているレンタル事業者です。「自分たちで通信回線(電波)を用意していない会社」とも言えますね。
有名どころだとOCNモバイルONEとか、mineo(マイネオ)とか、IIJmio(アイアイジェイミオ)だったら、みなさんも聞いたことがあるんじゃないでしょうか。
他にも日本通信SIMやy.u mobile(ワイユーモバイル)、BIC SIM(ビックシム)などもありますが、このあたりはまだ知らない人の方が多いかもしれないですね……。
かつては楽天モバイルもドコモやauの回線を借りている格安SIMブランドで、トップシェアでした。ですが2020年4月から自社の回線で運用を始めたので、新しく誕生したイメージカラーがピンクの”Rakutenモバイル”は格安SIMという括りではないですね。
3大キャリアに比べると「安いけど、遅い」
格安SIMの特徴としては、3大キャリアの携帯と比べると「価格は安いけど、ネットの通信速度は遅い」。
先述したように、大手キャリアの回線の一部を間借りしているからです。車道に例えると、一部の車線を借りている形だと車線数が少ないために渋滞が起きやすく、車の速度も遅くなってしまうのと一緒です。主に通勤ラッシュやお昼休憩の時間帯などですね。
ただ、間違ってはいけないのは「圏外になりやすいわけではない」ということ。
大手キャリアの回線を使っているので、人口カバー率(※)は大手キャリアと同じ99%なんです。
※人口カバー率とは……通信圏内にあると判定した市町村の人口を日本の総人口で除した数値。通信サービス提供エリアの広がり具合を示す指標のこと。
100%圏外にならないとは言い切れないですけど、大手に対して圏外になる可能性が上がるということはありません。
格安SIMを使った人が、通信速度が遅いことを「全然ネットにつながらないんだよね〜」と言っているのを聞いて「格安SIMって電波が入らないんだ」と勘違いをしてしまうケースがあるかもしれませんが、それは誤りなので要注意です。
格安SIMに向いている人の特徴は?
以下のような人は、格安SIMが合っていると思います。
- 電話を全然しない人
- パケットを全然使わない人
- ITリテラシーが高い人
- 節約を突き詰めたい人
それぞれ詳しく解説していきます。
電話を全然しない人
格安SIMは通話かけ放題のオプションで、専用のアプリを使わなければいけないケースが多いもの。切り替えが面倒でストレスになる可能性が高いので、よく電話をする人はやめておいた方が良いと思います。
パケットを全然使わない人
先ほどお伝えしたように、格安SIMではインターネット圏外にはならないものの速度は遅いので、Wi-Fiに接続せずパケットを多く使う人はストレスになるでしょう。逆に、パケットを使わない人には合っているといえますね。
ITリテラシーが高い人
そもそも格安SIMというものは、ネットで申し込みをして、郵送されてきたSIMカードを自分で差し替えて、アクセスポイント設定をして……などなど、たくさんのことを全て自分でやらなくてはいけないんです。
したがって、格安SIMを使うにはある程度のITリテラシーが求められます。
節約を突き詰めたい人
3大キャリアの新ブランド発表の流れに乗って、2021年2月に格安SIMブランドの「IIJmio」が月額税込858円〜という激安プランを発表して話題になりました。
格安SIMは何といっても「安さ」がメリットなので、節約するのが好きという人にはおすすめですね。
今回のポイント
- 格安SIMとは「3大キャリアの回線を借りてサービスを提供する事業者」
- ・3大キャリアに比べると「安いけど遅い」のが特徴。しかし圏外になるわけではない!
- 格安SIMは電話やパケットを使わない人、ITリテラシーが高い人、節約好きな人におすすめ!
(監修:鮎原透仁、取材・文:高橋千里)
※画像はイメージです
※この記事は2021年04月05日に公開されたものです