【難読】“てむけ”じゃない! 「手向け」の正しい読み方
本や資料で見かけることがあるけれど、正しい読み方や意味が分からずスルーしてしまっている言葉ってありませんか?
社会人として、知らないまま恥をかくような場面には遭遇したくないですよね。
今回考えるのは「手向け」の読み方です。
「“てむけ”と読むのかな?」と思ったら、ぜひ答えをチェックしてみてくださいね。
「手向け」の読み方は?
毎日、私たちの意思で動いている「手」という漢字。「手術」など、 “しゅ”という読み方もありますね。「向」は、方向、向かうと読むので、“こう”、“む”という読み方を覚えている人が多いのではないでしょうか。
しかし、この2つを合わせて、送り仮名の「け」をつけると、“てむけ”とは読みません。
気になる読み方の正解ですが……。これ、実は“たむけ”と読みます。
「手向け」の意味と使い方
『デジタル大辞泉』によれば、「手向け」の意味は以下のように解説されています。
た‐むけ【手向け】
1 神仏や死者の霊に物を供えること。また、その物。「手向けの香華」2 別れる人へのはなむけ。餞別 (せんべつ) 。「卒業生に対して手向けの言葉を呈する」
3 《峠には道祖神などの境の神が祭られており、そこで旅の安全を祈って供え物をしたところから》山路をのぼりつめた所。峠。
「恐 (かしこ) みと告 (の) らずありしをみ越路の―に立ちて妹が名告りつ」〈万・三七三〇〉
つまり、供える、餞別といった意味合いで「手向け」という言葉を使います。
読み方は難しいのですが、「花を手向ける」など、聞いたことがあるのではないでしょうか。
読めない漢字はきっとまだまだたくさん
あなたは「手向け」を正しく読むことはできましたか?
きっと世の中には、あなたが知らない言葉、漢字がまだまだたくさんあります。「手」を“て”と読まずに、“た”と読むなんて、組み合わせ次第で、読み慣れた漢字が意外な読み方に変化することもあるんだなと実感しますね。
(ななしまもえ)
※この記事は2021年01月30日に公開されたものです