【難読】“しばらく”じゃない! 「漸く」の正しい読み方
本や資料で見かけることがあるけれど、正しい読み方や意味が分からずスルーしてしまっている言葉ってありませんか?
社会人として、知らないまま恥をかくような場面には遭遇したくないですよね。
今回考えるのは「漸く」の読み方です。
斬新などに使われる「斬る」ならよく見るけれど、“さんずい”が付いたら、さて、なんと読めばよいのでしょうか。
「漸く」の読み方は?
「斬」に“さんずい”がついた「漸」という漢字。一般的には、“ぜん”という読み方をします。また、「漸」という字自体には、しだいに、少しずつ進むといった意味があります。
これに「く」の送り仮名をつけて……。当然ですが“ぜんく”とは読みません。え、”しばらく”と読むって? それも違います!
気になる正しい読み方は……。正しく“ようやく”です。
「漸く」の意味と使い方
『デジタル大辞泉』によれば、「漸く」の意味は以下のように解説されています。
ようやく〔やうやく〕【▽漸く】
[副]1 長い間待ち望んでいた事態が遂に実現するさま。やっとのことで。「戦争が終わり漸く平和になった」
2 苦労した結果、目標が達成できるさま。かろうじて。何とか。「迷ったすえに漸くたどりついた」
3 物事がしだいに進行して、ある状態になるさま。だんだん。
「人々は―に列を乱して」〈漱石・趣味の遺伝〉4 ゆっくりと。おもむろに。
「―歩みて帰る」〈今昔・七・四四〉
つまり、なかなか実現しなかったことがやっと実現した、といったニュアンスで「漸く」という言葉を使います。
読み方は難しいのですが、日常生活の中で「長引いていた会議が漸く終わった」など、割とよく使う言葉ではありますよね。
読めない漢字はきっとまだまだたくさん
あなたは「漸く」を正しく読むことはできましたか?
きっと世の中には、あなたが知らない言葉、漢字がまだまだたくさんあります。普段よく使っているのに、漢字で書こうとすると書けない言葉が他にもたくさんありそうです。
よく使う言葉を漢字に変換して確認してみると、また一つ知識が増えますね。
(ななしまもえ)
※この記事は2020年12月11日に公開されたものです