インポスター症候群とは? 要因や特徴チェックリスト&克服するヒント
インポスター症候群を克服するヒント
インポスター症候群の人の課題は、自分自身を肯定的に捉えられるようになることです。
自分に関する否定的要素を探そうとせず、自分の良いところを素直に受け入れるようになることを目指すのです。
それができるようになるには具体的にどんなことをすればいいか、5つのステップでご紹介しますので、ぜひ1つずつ取り組んでみてください。
ステップ1:自分の考え方のパターンを自覚する
これまでは、自分自身を肯定的に捉えることを避けてきました。そのパターンを自分が持っていることを、まず自覚しましょう。
自分で自分のことが分かっていないと、自分を変えていくことができませんので、ここがスタートになります。
ステップ2:自分のパターンを否定しない
自分のパターンを自覚すると、「私は、私自身を肯定的に捉えることができない。これは良くないことだ」と、つい考えてしまうかもしれませんが、そうやって自分を評価することは、いったんやめておきましょう。
「肯定的に捉える」というのは、「これは良いことだ」と評価することではありません。「ありのままに受け止める」と言い換えた方が、分かりやすいかもしれません。
例えば、身長160センチの人が、自分は背が高いとか低いとか考えるのは、何かを基準にしたり誰かと比較したりしてのことであり、「私の身長は160センチである」と客観的事実として捉えるのと同じように、「私には私自身を肯定的に捉えないパターンがある」という事実を、事実として認識するのです。
自分のパターンを自覚できたとしても、それが良いとか悪いと評価することは、今はやめましょう。
ステップ3:「いつでも自分次第で自分を変えられる」という事実に気付く
「自分を肯定的に捉えられないパターンは、自分がまだ小さい子どもの頃に自ら生み出した」と前述しましたが、そのパターンを自分が選択し続けてきた、と考えることができます。
「今まで生きてきた中で、自分を肯定的に捉えるパターンを身に付けられる可能性があったかもしれないのに、それでもまだ同じパターンを選択しているのは、他ならない自分自身である」ということに気付きましょう。
そこに気が付くと、「いつでも自分次第で自分を変えられる」という事実にも気付けるはずです。変えられないのではなく、これまで自分を変えようとしていなかっただけ。
自分のパターンを変えるかどうかは自分次第、ということです。
ステップ4:できるところから少しずつ肯定する
これまで長い間、自分を肯定しないように生きてきたわけですから、無理して一気に変えようとはしないで、少しずつ肯定できるようになることを目指しましょう。
比較的簡単に肯定できそうなものとして、「自分自身の頑張りや努力」があります。
今まで自分なりに頑張ってきたのではないかと思いますが、どうでしょうか? 全く、少しも頑張ってこなかった、などとは思いませんよね?
もちろん、他人と比較する必要はありません。自分なりに頑張ってきたかどうか、でいいのです。自問自答してみたら、きっと「イエス」と答えるのではないでしょうか。
つまり、「自分なりに頑張ってきた」事実は認めることができた、ということです。これが、「自分をありのままに受け止める」ということであり、「自分を肯定的に捉える」ということです。
こうやって考えてみて、「少しは自分自身を肯定的に捉えてもいいのかもしれない」と思えたら、しめたもの。自己否定のパターンを少し変えることができた、そんな自分をまた肯定してみましょう。
お気付きかと思いますが、自分を肯定するのは、自分を甘やかすことでも、慢心することでもありません。事実をありのままに受け止めればいいだけのことです。
でも、今はまだ居心地の悪さを感じるかもしれません。そんな自分も肯定してみましょう。
「まだ慣れていないのだから、居心地の悪さを感じるのは当然のことだ」「私は成長のために小さいけど確実な一歩を踏み出せた」と、自分をねぎらってください。
このようにして、少しずつ自分自身を肯定することに慣れていきましょう。
ステップ5:「うまくできなくてもいい」と開き直る
インポスター症候群の人は、「周りの期待に応えるために成功し続けなければならない」という思い込みにとらわれています。
「期待に応えられないと、自分はダメ人間だということがばれてしまう」と恐れているのですが、この窮屈なプレッシャーから解放されるには、開き直ることが一番です。
「うまくできなくてもいい」「期待に応えられなくてもいい」と考えを切り替えることができれば、肩の荷が下りて楽な気持ちになれるはずです。
そして、「常に100点満点じゃなくてもいいんだ。結果よりも一生懸命やることが大事だ」と、心の中で日々繰り返し唱えてみてください。
すると、「私はなんて窮屈な考え方に縛られていたんだろう」と、いつか気付く時がくるかもしれません。
少しくらい手を抜いたって、それなりの結果が残せるくらいの実力を持ち合わせていると思います。もしも、思ったほどうまくできなかったとしても、その時はその時。挽回のチャンスは今後いくらでもあるでしょう。
「人生なるようになる。そう開き直ることができたら、私って最強だわ」と、肩の力を抜きながら、ふっと軽く笑い飛ばせるようになれたらすてきですね。