後輩のモチベーションが低い。やる気をアップさせる指導のコツ
仕事で大成功を成し遂げたいとか、そんな大それた野望はないけど、なんとなくうまくやりたい。いつもの働き方を小さくアップデートする「お仕事ハック」を紹介します。
今回のお仕事ハックは「後輩のモチベーションが低い」というお悩みに、コラムニストのヨダエリさんがアドバイス。
後輩のモチベーションが低い
後輩のモチベーションが低くて悩んでいます。一緒に進めているプロジェクトを自分事化して考えず、能動的に動いてくれません。かといって私から「もっとやる気出して!」と言うのは、逆に後輩にプレッシャーを与えてしまいそうで……。どうしたらモチベーションを上げて、当事者意識を持って動いてくれるようになりますか? 指導のコツを教えてください。
オラにやる気を!! ……と、私も心の中でしょっちゅう叫んでいます。なかなかエンジンがかからない時とか。
ただ、当事者意識は常にあります。フリーランスなので当然ですが、自分に仕事を依頼してくれてうれしいな、ありがたいなと感じるので、自分なりにその期待に応えたいからです。
後輩のモチベーションが低いのはなぜ?
一方で、モチベーションが上がらない時も、たまにあります。仕事に「自分なり」の工夫を入れる隙間が全くない時です。
自分の意見や案を伝えた上で、理由があって却下されるのはいいのです。いや、うれしくはないものの、仕方ないと思えます。意欲が減退するのは、それ以前に自分の考えを全く必要とされていない時です。
これは私に限らず、多くの人に当てはまるのではないでしょうか。
もちろん、そんなことは気にせず、言われた仕事を淡々とこなすのが性に合っている人もいます。自分らしさを発揮させたい場所は仕事ではないと考えている人などは、そうかもしれません。
実はあなたの後輩も、そのタイプ? と考えられなくもないのでは。
ただ、あなたの後輩は能動的に動くことが必要とされるような職場を選び、働いているのです。それを考慮すると、実は能動的に働きたい欲求を持っている可能性大です。
後輩のモチベーションを上げる方法
ではどうすればいいか。結論から言うと、「後輩に裁量を与えること」だと思います。
要は、自分で考えて、決めて、自分の責任で物事を動かせるようにする。
えっ! まだそこまでのスキルは……と思うかもしれませんが、小さいことでいいのです。
例えば、イベントを開催するプロジェクトなら、「参加者に配るドリンクの手配をあなたに担当してほしい」と役割を与える。
それ小さくないよ、超重要だよ! という声も聞こえてきそうですが(笑)、要はイベントの根幹ではなく、それを取り囲むタスクから始めてもらおうという意図です。ドリンク選びのせいで当日大失敗、となる可能性は低いので。
一方で、自分なりに考え抜いたセレクトにしよう! と張り切ることもできます。「あなたが参加者ならどんなドリンクが出たらうれしいか、予算も踏まえて考えてみて」と宿題を出せば、自分事として考え始めるはず。
後輩の役割を尊重した指導を
能動的になれない人は、そもそもどうやって能動的になれば良いのか分からないことが多いです。自分の意見に価値があると考えていない人もいるでしょう。
しかしお題を与えれば、それに沿って考え始めることができます。ドリンク担当ほど楽しげな役割ではなくても、「あなたの考えを聞かせて」「期待してるよ」などの言葉を掛ければ、後輩の心にさざ波が起きると思います。
また、出してきた案や企画の質が低くても、最初は目をつぶることも大事。少しずつ質を上げていけば良い、と気長に導いていきましょう。
後輩がやる気を見せ始めた時、きっとあなたにも新たなモチベーションが生まれますよ!
Point.
・後輩は、能動的になる方法が分からないのかも
・小さなことで良いので、裁量を与えよう
・「あなたの考えを聞かせて」「期待してるよ」と言葉を掛けよう
・最初から多くを求め過ぎず、ゆっくり導いていこう
(文:ヨダエリ、イラスト:黒猫まな子)
※この記事は2020年10月23日に公開されたものです