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保証期間付き終身年金形式で年金をもらう際のメリット・注意点まとめ

保険料として掛けてきて作った資金を、老後に毎年取り崩しながら受け取るのが「年金」です。
年金には「終身年金」と「有期年金」がありますが、今回は終身年金の中でも、主に民間の保険会社が扱っている個人年金保険を、「保証期間付き終身年金」形式で受け取るときのメリットと注意点を説明します。

保証期間付き終身年金とは

個人年金保険は、若いうちから保険料を払ってつくった資金(=年金原資)を、老後に年金として受け取る契約となっています。その老後に受け取る年金の受け取り方がいろいろあります。
受け取る期間が決まっているものを「有期年金」、生きている間はいつまでも受け取れるのが「終身年金」です。

終身年金は生きている間だけなので、亡くなってしまうと年金を受け取ることができません。
すぐに亡くなってしまうとあまりにももったいないので、亡くなっても遺族が受け取ることができる「保証期間」を付けたのが、「保証期間付き終身年金」なのです。

たとえば、「10年保証期間付き終身年金」であれば、年金を受け取り始めて10年以内に死亡しても10年までの残りの期間は、遺族が年金または一時金を受け取ることができます。
また、10年を超えても生きていたときは、生きている限り年金を受け取ることができます。

10年保証期間付き終身年金の図

メリット(1) 長生きリスクに強い

「終身」とは、身が終わるまでという意味なので、生きている間はずっと年金を受け取ることができます。
100歳になっても、150歳になっても、決まった額の年金を受け取り続けることができます。
保証期間付き終身年金は、長生きすればするほど受け取る年金の総額が増えていきます。死ぬまでずっと終わることなくもらえるので、シニア時の生活設計がしやすい形式でもあります。

有期年金は最初から受け取る期間が決まっていて、期間が終われば年金が無くなりますので、終身年金であることの安心感は大変大きいものがありますね。

メリット(2) 保証期間付きは更に安心

保証期間が付いている場合、保証期間内に亡くなっても保証期間が終わるまでは遺族が年金または一時金を受け取ることができます。
保証期間が10年であれば、万が一年金を受け取り初めて1年で亡くなったとしても、残りの9年分は遺族などに支払われるので、保険料の無駄を抑えることができます。
保証期間付き終身年金形式は、年金支払い形式の中で最も安心感の高い形式となります。

注意点(1) 保険料が高い

安心感が高い分、保険料は高くなります。
生死に関わらず年金受取期間が確定している「確定年金」、生きていれば一定期間年金が受け取れる「有期年金」、「保証期間のない終身年金」など、その他のすべての年金形式と比較すると、同じ年金額・受取期間であれば保険料が一番高くなります。

ある保険会社の例では、30歳男性が65歳まで保険料を払って、65歳から年間60万円の年金を受け取ろうとすると、10年確定年金(年金支払期間10年)は、毎月の支払いが1万4,094円に対して、10年保証期間付終身年金(定額型)では3万1,194円と倍以上の違いがあります。

注意点(2) 保証期間終了後の受取期間が短いと支払った保険料分も受け取れない

保証期間が終わったあとは生きている期間のみの年金受け取りとなるので、保証期間が終わってからすぐに亡くなってしまうと、年金の受取総額は支払った保険料分に届かなくなってしまう可能性が高くなります。

以下の例で考えてみましょう。

【契約内容】

10年保証期間付き終身年金を30歳で契約
65歳から毎年60万円の年金、保険料は月3万1,194円
保険料の払込期間65歳までの35年間

【保険料の払込み総額】

30~65歳までの総払込保険料は、
3万1,194円×12カ月×35年間=約1,310万円

【受け取る年金額】

もしこの人が、76歳で亡くなったと考えると、
60万円×11年間=660万円
支払った保険料より約650万円少なくなります。

しかし、100歳まで生きたときは、
60万円×35年間=2,100万円
保険料より約790万円多く、それだけトクしたことになります。

損得の分岐点は22年、87歳以上まで生きたときです。
60万円×22年間=1,320万円
終身年金を選ぶ人はあまり損得を考えないで、老後の安心を選びたいからだと考える方が賢明です。

続いて、注意点(3)と(4)も見ていきましょう。

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※この記事は2020年09月26日に公開されたものです

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