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「忖度」の意味は? 使い方や類語を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「忖度」の言い換え表現

言葉というものは、使う側がいくら本来の意味で使っても、相手が正しい意味を知らなければ、誤解から関係性がねじれてしまいかねないことがあります。

メディアを通じて、誤解されたままの意味が広まってしまった「忖度」という言葉も、注意が必要です。

「お気持ち、忖度いたします」と伝えた相手が、意味を誤解し「私をそんな人間だと思っているんですか! 見損なわないでください」と関係性が悪化してしまうことにならないとも限りません。

そんなことにならないよう、「忖度」同様「推し量る」という意味合いを持つ言葉を、言い換えの表現と共に以下に紹介します。

「推察」

「他人の事情などを推し量ること」を意味します。

例文

・彼女の推察するスキルが高いのは、その奥に人としての思いやりがあるからかもしれません。

「拝察」

「察すること」の謙譲語。

自分が相手を察する場合に、目上の人に対して使います。

例文

・お気持ち、いかばかりかと拝察いたします。

「高察」

「察すること」の尊敬語。

目上の人が自分を察してくれる場合に使います。

例文

ご高察に心より感謝いたします。

「憫察(びんさつ)」

相手がこちらを察する際に「哀れんでする思いやり」という意味があります。

例文

・お恥ずかしいですが、ご憫察を乞う次第です。

「汲み取る」

「推し量って理解する」という意味です。

例文

・財務が苦しい実情を汲み取っていただきたい。

「推す」

「推量する」という意味です。

「推して知るべし」などとも使います。

例文

・もはや彼は一刻の猶予もないだろうと、私は推します。

本来の意味を正しく理解したい「忖度」

今回は「忖度」という言葉の本来の意味と使い方を紹介しましたが、いかがでしたか?

メディアを通じて、違う意味が広まってしまった「忖度」。

顔色をうかがったり、ご機嫌を取ったりするようなネガティブな意味合いに変化しつつある「忖度」ですが、「他人の気持ちを推し量ること」という正しい意味をしっかり理解し、本来の使い方を意識しましょう。

(前田めぐる)

※画像はイメージです

※この記事は2020年09月18日に公開されたものです

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師) (ライティングコーチ・文章術講師)

コピーライターとして長年「ことば」に関わってきた経験値を元にまとめた「ほどよい敬語」(https://ameblo.jp/comkeigo/)が好評。過剰さや不適切さを排し、明快に説く内容は「違和感の理由がわかりスッキリした」と質問サイトなどでたびたび引用される。

自治体・団体・医療機関向けSNS活用、文章術研修の講師でもある。

著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』(青春出版社)『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』(日本経済新聞出版社)『ソーシャルメディアで伝わる文章術』(秀和システム)など。公益社団法人日本広報協会アドバイザー。

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