本当の「思いやり」とは何か。思いやりがある人とない人の決定的な違い
「思いやり」とは一体何でしょうか。相手のことを考えられること? 人に優しくできること? その問いに、人気コラムニスト・ラブホの上野さんが答えてくれました。本当の意味での「思いやりがある人」とはどんな人なのでしょう。
「お前には思いやりがない」。
もしも皆さまがそんなことを言われたらひどく落ち込むことでしょう。
特に親しい人から言われたのであれば、その落ち込みようは計り知れません。
自分の何が悪いのか。
自分は悪い人間なのか。
そんなことを考えて、深く悩み苦しんでしまっているのではないでしょうか?
今回は、そもそも「思いやり」とは何なのか、また思いやりがある人・ない人にはどんな決定的な違いがあるのかを考えていきます。
「思いやり」とは
そもそも、「思いやり」とはどのような意味を指す言葉なのでしょうか。
まずは意味を振り返っていきます。
言葉の意味
おもい‐やり〔おもひ‐〕【思い▽遣り】の解説
1 他人の身の上や心情に心を配ること。また、その気持ち。同情。「―のある処置」「病人に対する―がない」
2 想像。推察。
「奥山の―だに悲しきにまたあま雲のかかるなになり」〈かげろふ・上〉3 思慮。分別。
「ことに責むれば、若き人の―少なきにや」〈堤・花桜をる少将〉(『デジタル大辞泉』小学館)
類語は「憐み」「気配り」「優しさ」など
思いやりの類語には「憐み」「気配り」「優しさ」などが挙げられるでしょう。
「思いやりがない」とはどんな人か?
もしも皆さまが「思いやりがない」と言われて落ち込んでいるのであれば、その言葉を言った方こそが間違いなく思いやりに欠けている人物でしょう。
仮に皆さまが思いやりに欠けている人物だったとしても、言い方というものがあるのです。皆さまがひどく落ち込んでいらっしゃるということは、相手の方の言葉は完全に思いやりに欠けていたと言わざるを得ません。
相手の方が言う「思いやりがない」とは、要するに「俺の気持ちを考えてくれていない」とか「私の都合に対して配慮してくれない」という意味であり、皆さまに思いやりがあるかどうかの問題ではないでしょう。
ですので、そんな方の言葉に深く傷つく必要は御座いません。その相手こそ、思いやりがない人物なのですから。
思いやりがある人の特徴
もしも皆さまが「私には思いやりがあるのだろうか?」と悩んでいらっしゃるのであれば、そこまで心配することはないでしょう。
本当に思いやりがない人間は「自分には思いやりがあるだろうか?」なんて悩んだりは致しません。自分のことを思いやりがある優しい人間だと信じて疑わず、相手から忠告をされても、反省するどころか忠告をしてきた相手に怒りの矛先を向けるのです。
ですので、もしも皆さまが「自分には思いやりがないのかもしれない……」と悩んでいるのであれば、心配は御座いません。悩んでいる時点で、十分過ぎるほどの思いやりがある人だと言っても過言ではないのですから。
しかし、くれぐれもお気を付けくださいませ。
今の皆さまに思いやりの気持ちがあるのは間違いありませんが、「自分は思いやりがある」と認識してしまったら、その瞬間に皆さまの中にあった「思いやりの心」はもろくも崩れてしまうのです。
「自分には思いやりがないのかもしれない」。
その不安があるからこそ、人は人に対して優しくなり、配慮をすることができるようになるので御座います。
「自分は絶対に大丈夫だ」。
「自分は思いやりがある」。
そう慢心をしてしまうと、途端に思いやりの心がなくなり、人への優しさが発揮できなくなるのです。
ですので、自分に思いやりの心があるかどうかということは常に不安に思っていた方が良いでしょう。
妙な言い方になりますが、自分が優しい人間かどうか不安なうちは、思いやりがあると安心をして良いのです。

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