ケアレスミスが多い人の特徴と原因・対策方法
ケアレスミスをしてしまう、と悩んだ経験はありませんか? ケアレスミスとは、「注意していれば防げたはずの間違いや失敗」のことを意味します。今回は心理カウンセラーの笹氣健治さんに、ケアレスミスしやすい人の特徴や、ミスを減らすための方法などを解説してもらいました。
どんな人であってもミスをする時があります。
ミスをしないように慎重に行動していたとしても、うっかりミスをしてしまうことが誰にだってあるものです。
そんな、いわゆる「ケアレスミス」は、どうして起きるのでしょうか? また、どうすれば避けることができるでしょか?
ケアレスミスの確率を少しでも下げる方法を一緒に考えてみましょう。
「ケアレスミス」の意味
まずは「ケアレスミス」とはどんなミスなのか、確認しておきましょう。
ご存じかとは思いますが、念のために説明すると、「ケアレス」は英語であり、「ケア」と「レス」という言葉に分解できます。
「ケア」は、「スキンケア」「ヘアケア」と言うように、「(お肌や髪の)手入れ、配慮、気配り」という意味の単語です。
一方で、「レス」は単語の後ろにつけると「……がない」という意味になります。
「コードレス」(「電線がない」)、「エンドレス」(「終わりがない」)の「レス」です。
ですから、「ケアレス」とは、「気配りや配慮がない」という意味になり、「ケアレスミス」は、「気配りや配慮がないことで生じるミス」となります。
一般には、注意していれば防げたはずの間違いや失敗のことを、「ケアレスミス」といいます。
「ケアレスミス」が起きやすい場面
では、どういう時にケアレスミスが起きやすいのでしょうか?
典型的な5つのケースには次のようなものがあります。
(1)ぼんやりミス
目の前の作業に集中せず、ぼんやり考え事をしながら作業していることで生じるケースです。
何か気になることがあって「心ここにあらず」の状態になっていると、注意力散漫になって、単純な入力ミスや計算ミスなどを犯してしまいやすくなります。
(2)体調不良によるミス
頭がボーッとなって集中力が低下しているために犯してしまうミスです。
頭痛、風邪といった体調不良の時に起こりがちなケースです。
あるいは、繁忙期や人手不足などで残業や休日出勤が重なって寝不足状態となっていると、ふいに睡魔が襲ってきたり、意識が一瞬飛んだりしてしまうことがありますが、そんな時は簡単な作業でも間違いを犯してしまうものです。
(3)うっかりミス
やらなければならないことを、ついうっかり忘れていた、というのもケアレスミスの1つです。
後でやろうと思って保留していた仕事、頼まれていた急ぎではない仕事など、今すぐにやらなくていいことを後回しにしていたら、いつの間にかすっかり忘れていた、といった時に起こるミスです。
誰しもうっかりミスはありますが、もしかすると、周囲に比べてその頻度が高い可能性も。10の質問からあなたのうっかり度を診断します。
(4)勘違いによるミス
打ち合わせの日時を手帳には正しくメモしていたのに、なぜか今日ではなくて明日だと思い込んでいた、といった勘違いをした経験は誰でも1度や2度はあると思いますが、これもケアレスミスだといえるでしょう。
待ち合わせ場所の勘違い、提出すべき資料の勘違いなど、知らず知らずの内にそう思い込んでしまっていて、何の疑いもないまま後でミスだったと気付くケースです。
(5)慢心によるミス
いつもやり慣れている発注業務。目を閉じてでもできる、といえるくらい身に付いている手順だったはずなのに、なぜか数量を間違えて入力してしまった……。
このように、「簡単にできる」という慢心が生むミスもあります。
忙しくてバタバタしていたわけでもなく、疲れてボーッとしていたわけでもないのに、なぜか間違えてしまった。いくら熟練しているとはいえ、人間ですから常に完ぺきとはいかないものです。