「育ちの良さ」とは一体何なのか。本当の意味での育ちが良い人間とは
「育ちが良い人」と言われると教養がある人のことを想像しますよね。しかし、人気コラムニストのラブホの上野さんは、真に育ちが良い人とは、それとはまた違った意味があると言います。一体、どういう人のことを指すのでしょうか? また、私たちはその「育ちの良い人」になることができるのでしょうか。
「育ちが良い」と一言で言っても、それには2つの要素があると私は思います。
一つ目は教養的な面での育ちの良さ。
「箸の持ち方がきれい」「クラシックバレエを習っていた」「さまざまな分野に対して教養がある」「茶道の心得がある」「背筋がピンとしている」「食べ方がきれい」「言葉遣いが上品」「着物の着付けができる」などなど。
数を挙げればキリが御座いませんが、教養的な意味での育ちの良さというのはこういった「上流階級の嗜み」のようなところに表れるものでしょう。
そしてもう一つの「育ちの良さ」が人格面の育ちの良さ。
「人を妬まない」「公平で優しい」「気配りができる」「物腰が柔らかい」「感情が落ち着いている」「素直」「前向きでポジティブ」などなど。
残念ながら教養的な面での育ちの良さについて、私は何かを語ることはできません。幸か不幸か私の生まれた家は、付近にクラシックバレエ教室が立ち並ぶような街では御座いませんでした。
しかし人格面の育ちの良さについては、ほんのわずかでは御座いますが解説ができるかと思いますので皆さまにお伝えさせていただきます。
【300人に調査】「育ちが良い」と感じる人に出会ったことはある?
今回、マイナビウーマンでは20~39歳の男女300人に対して、育ちが良い人に関するアンケート調査(※)を実施したそうです。まずはその結果を紹介しましょう。
※有効回答数300件
調査で「『育ちが良いな』と感じる人に出会ったことがあるかどうか聞いたところ、「ある」と回答した方は全体の76.3%だったそうです。
育ちが良い人の特徴
今回の調査では、「育ちが良い人の特徴として当てはまると思うものを教えてください」という質問もしています。
そこへ寄せられたコメントと共に、一般に「育ちが良い」といわれる人に見られる特徴を紹介致します。
(1)言葉遣いが丁寧
言葉遣いが丁寧な人に、育ちの良さを感じる方がいるようです。また、「とっさに出る言葉には、その人の人柄が出やすい」と考える方もいるでしょう。
- 「初めてお会いした女性の言葉使いや態度がおっとりしており、上品だと思ったことがある」(29歳/男性/建設・土木)
- 「いつも言葉遣いが丁寧で物腰が柔らかい」(27歳/男性/IT関連技術職)
- 「年下の自分に対しても非常に丁寧な言葉遣いで接してくれた」(35歳/女性/教育)
(2)礼儀正しい
いつも礼儀正しい人を見て、「親からしっかりしつけられたんだろうな」と育ちの良さを感じる方もいるようです。
- 「話の語尾がきれいだったり、声が優しかったりすると育ちが良いなと思います。また、マナーを知っているとしっかりと親が教育したんだなと感じます(食べ方がきれい、箸の使い方が上手、しぐさがうつくしいなど)」(39歳/女性/営業関連)
- 「不愉快な相手にも礼節をもって接することができる」(39歳/男性/事務・企画・経営関連)
(3)人の悪口を言わない
周りで悪口大会が始まっても加担しない人に対して、「育ちが良いな」と感じる方もいるようです。
- 「恨み言や愚痴を言わない人には育ちの良さを感じやすい」(38歳/男性/技能工・運輸・設備関連)
- 「近所の井戸端会議で悪口大会になった時、一切悪口を言わず黙っている人を見て『育ちが良いな』と思った」(33歳/男性/技能工・運輸・設備関連)
- 「愚痴を言わずにプラスの表現にすること」(33歳/女性/官公庁)
(4)食べ方がきれい
「育ちの良さ=食べ方のマナー」と考える方もいます。格式高いレストランでもスマートに振る舞える人は、確かに洗練された印象があります。
- 「魚の食べ方がきれいな人は、育ちが良いと感じる」(39歳/女性/ソフトウェア・情報処理)
- 「一緒に外食した時、箸の使い方などがきれいであった」(30歳/男性/技能工・運輸・設備関連)
- 「フランス料理のお店で、マナーを教えてくれた」(30歳/男性/官公庁)
(5)姿勢がきれい
育ちの良さが姿勢に表れると回答した方もいました。後述する身なりと合わせて、育ちは外見にも出ると考える方がいるようです。
- 「職場にいる女性の先輩。姿勢や言葉遣いがしっかりしていて、かつ態度も良く人当たりが丁寧で『育ちが良かったんだなぁ』と感じた」(30歳/男性/公共サービス関連)
- 「姿勢や話し方で育ちの良さが分かると思う」(32歳/男性/販売・サービス関連)
(6)身なりが整っている
育ちが良い人に対して、「身なりが整っている」というイメージを持つ方もいるようです。
例えば、いつもシワやシミがないきれいな状態の服を着ていたり、髪が整っていたりといったことが挙げられます。
- 「職場の先輩で、身なりや立ち居振る舞いがすてきな人がいる」(32歳/女性/事務・企画・経営関連)
- 「髪型や服装がいつも整っている。悪口のような軽口を言ってもなんか良い感じに聞こえてしまう、生まれ持っての品の良さを感じる」(37歳/女性/不動産)
(7)誰にでも平等に接する
誰にでも平等に接する人が持つ偏見のない心や優しさに、育ちの良さを感じる方もいます。
- 「年下・目下の人に対しても敬語で、それに違和感がないところ」(36歳/男性/設備工事)
- 「誰にでも同様に丁寧な言葉で接する人」(37歳/女性/銀行)
(8)態度が落ち着いている
「育ちが良い人」と聞いて「落ち着いている人」を連想する方もいるようです。「育ちが良い人」には、あまり慌てたり取り乱したりといったイメージがないのかもしれません。
- 「落ち着いていると思ったら、その人のご両親も優しくすてきだったので、『育ちが良い』と確信した」(34歳/女性/クリエイティブ関連)
- 「雰囲気や所作が良いなぁと思っていたら、良いとこのお嬢さまだった」(24歳/男性/食品)
- 「態度からにじみ出てくるものがある」(31歳/男性/IT関連技術職)
(9)約束を守る
小さな約束でもきちんと守る人に対して、「育ちが良いな」と感じる方もいます。
約束を守るということは、相手を大事にするということ。それが徹底できる性格の良さに、人は何か特別な魅力を感じるのかもしれません。
- 「育ちが良い人は誠実な人だと思うから」(34歳/男性/広告・出版・印刷)
- 「職場の同僚がそういう上品な方で、学ぶことが多いと思いました」(34歳/女性/販売・サービス関連)
▶次のページでは、真の「育ちの良さ」について考察します。